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「なんだ!?」
突然響いた声に驚く一同。
『あそこコン!』
と、九尾がある一点を指差した。
「どこだ?」
『言ってみただけコン』
「「おいいいいいいいいいいいいい!!」」
さやかとリョウが九尾にツッコム。
と、かちゃりという音と共に鏡を手に持った王族の格好をしたミイラが現れた。
『「「「ハムナプトラ!!」」」』
その姿に叫ぶライト組み。
「ハムナプトラ?」
「あ、ミイラが蘇る話だよね?」
「お詳しいんですね。なのはさん」
「テレビで見たから」
『む!あの鏡は!?』
ほのぼのと会話するなのはと仁美を背後に九尾はミイラが持つ鏡を見て叫んだ。
『王の神殿に土足で踏み込んだものには罰だ…』
ミイラはそう言うと、片腕をあげた。
すると周りに飾ってある石像が動き出した。
先程九尾を潰した石像も。
「なにいいいいいいいいいいいいいい!!」
「っ!レイジングハート!!」
なのははデバイスを構える。
(あの子達を守らないと!!)
そう思うなのはだったが、彼女が行動を起こす前に石像達が彼女達に襲い掛かる。
そのあまりの速さになのはとヴィータは自分達は自分を守るのに精一杯。
ユーノも自分とたまたま近くにいた仁美を守るので精一杯だった。
結果、さやかとリョウと九尾へのガードが間に合わなかった。
「『ぎゃああああああああああああああああ!!』」
石像群にボコボコにされ悲鳴をあげるリョウと九尾だが、さやかの悲鳴がない。
(まさか…)
最初の一撃で最悪の結果になったのかと思ったなのは達だったが、
ズバシ、バシュ、シュン。
さやか達に群がった石像達に閃光が走ったと思った瞬間、石像がバラバラになった。
『なに!?』
驚くミイラ王。
それはなのは達も同じだった。
バラバラになった石像達の中から出てきたのさやかの姿はマントを纏った姿に変わっていた。
両手には剣を持った彼女その剣で石像を斬ったらしい。
(この子…魔導師!?)
驚くなのは達。
さやかはふっと笑うと、
「いたあああああああああああああああああああ!!手が手があああああああああああああ!!しびれたあああああああああああああああああああ!!」
剣を落として暫く跳ね回る。
そりゃあ剣で硬い石像を叩き斬れば手も痺れるってもんですよ。
「……………」
その光景に呆れるなのはとユーノ。
「アイゼン!!」
ヴィータはデバイスの名を叫ぶと、彼女の愛器グラーフアイゼンを振り回し周辺の石像を粉砕する。
『なに!?』
驚くミイラ。
「なのは!」
ヴィータは叫ぶと、
「任せて!レイジングハート!!」
なのははミイラにレイジングハート向けて叫ぶ。
不屈の心の名を持つデバイスの先端に桜色の魔力光が灯る。
『コン!それは駄目コン!!』
瓦礫と化した石像の下から這い出てきた九尾は叫ぶ。
が、その言葉はなのはに届く事はなく、魔力砲が放たれる。
「ディバイイイン・バスターーーーーーーーーー!!」
全てを飲み込む桜色の奔流が、ミイラに向かって突き進む。
終わった。
そんな言葉が一同の頭に浮かんだ。
その威力を身を持って知っているヴィータやユーノは勿論、さやかや仁美も思った。
ちなみにリョウは瓦礫の下なので見ていない。
が、一同の予想を裏切る事態が起こる。
『愚かな…』
ミイラはそう言うと、手に持っていた鏡をディバインバスターに向ける。
するとなんとディバインバスターはまるで鏡に反射したかのようになのはに向かって跳ね返ってきたのだ。
「ーー!」
咄嗟に避けるなのは。
「ぐ!」
返って来た砲撃がかすり呻くなのは。
高町なのはの砲撃魔法は生半可な防御では防げないどころかその防御をも貫通する程の威力をも誇る。
その分かすっただけでも相当なダメージとなる。
「なのは!」
「大丈夫か!」
慌てて駆け寄るユーノとヴィータ。
「うん…。何とか………っ!それよりも…」
かすった肩を押さえるなのはだが、それよりも気になるのが、
「なにあの鏡?ディバインバスターをはね返すなんて…」
無論、なのはのとて無敵ではない。
このディバインバスターを防いだ者は少ないがいる(ユーノもその一人)
かわした者もいる(彼女の親友が正にそれ)
同じバスターで相殺した者さえいた(もう一人の親友がやってのけた)
が、はね返されたのは、流石に初めての経験だった。
「まさか…アレは…」
さやかが驚いた様子で鏡を凝視する。
「さやかさん、あの鏡を知っているんですか!?」
仁美の言葉にさやかはうなずきながら、
「間違いない!あれは伝説の防具、シャハルの鏡!!」
と叫んだ。
『んな訳ないコン。あれがシグマに見えるコン?』
九尾にツッコまれたさやか。
「うわああああああああああああん!!妖怪畜生にツッコまれたああああああああああああああ!!!!」
余程ショックだったのだろう、泣き叫ぶさやか。
『あれはリョウの刀と同じ神器の一つコンよ!!』
泣き叫ぶさやかを無視して九尾は珍しく、本当に珍しく真面目な様子でそう言った。
「なに!?俺のと同じだと!?」
九尾の言葉に瓦礫は跳ね上げ起き上がるリョウ。
『そうコン!あの鏡は相手の攻撃を弾き返す防具コン!』
「でも、何故日本の神様の持ち物が異世界にあるんですか?」
仁美のもっともな疑問に九尾は、
『それは持っていた神様の一人が異世界に旅行に行った際に一つ落としたと言っていたからきっとあれがそうコンよ』
と、サラッと答えた。
「異世界に旅行って…流石神様…」
「そんな迷惑なもん落とすなよ!!」
感心した様に言うさやかと怒りの声をあげるヴィータ。
「だったら話は早い!」
そう言うとさやかは駆け出した。
ミイラが残った石像に捕まえるよう指示を出すが、生憎とそう簡単に捕まるほどさやかは遅くない。
そして…、
ザス。
「直接攻撃するすればいいだけの事」
ミイラの後ろから剣を突き立てながらそう言うさやか。
なるほどと思う仁美とリョウ。
一方なのははいい着眼点をしているね。と教官としての発言をしてヴィータに呆れた顔をさせた。
『おのれ…無礼者が!!』
ミイラはそう言うとさやかに向かって魔力波を撃つ。
「あべし!」
その一撃に吹っ飛ぶさやか。
「いててて…ん?」
さやかの前にどっからか取り出した杖を向けるミイラ。
すでに杖の先端には魔力がこもっている。
「さやかさん!」
「やらせるか!」
悲鳴をあげる仁美の横をヴィータが駆け抜ける。
「潰れろ!!」
が、ミイラがヴィータに向かって鏡を向けた瞬間、ヴィータは跳ね飛ばされた。
「うわ!」
「物理攻撃も反射するのか!?」
驚くユーノ。
『流石神器コン』
「感心している場合か!?」
リョウは九尾に文句を言いながらその頭を掴む。
『コン?なにするコン?』
「くらえ…魂の妖怪狐アタアアアアアアアアアアアアアアアアアアック
『コーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!?』
なんとリョウはミイラに向かって九尾を放り投げた。
九尾がぶつかった衝撃でミイラはバランスを崩し倒れる、攻撃を中断してしまう。
その隙にさやかはミイラのわき腹を剣で薙ぎ、そのままみんなの元に戻った。
「サンキュー」
「いや…彼は大丈夫なのかい!?」
リョウのあんまりな行動に呆気に取られるなのは達。
ユーノの言葉にリョウは、
「ん?」
と言って九尾を見た。
ミイラの魔力のこもった杖で九尾が叩かれている所だった。
『ぎゅえええええええええええええ!!』
「う~ん。ぐえならともかくぎゅええって普通ないよな」
「いや!そう言う事じゃなくて…」
『王の裁きを見よ!!』
ミイラはそう言って杖を振り上げると、魔法陣が出現して先程の石像が出現した。
その数、とてもたくさん。
しかもさやかが破壊した石像までもとに戻っていく。
「なんて数だ!」
「うっそ!!いくら雑魚戦闘員は沢山でるからって出すぎじゃない!?」
「きゃああああ!!」
「これは!みんな一旦引くよ!!」
「了解!」
「しゃあねえな!!」
ユーノの言葉に従い、全員は後ろに向かってダッシュした。
『コ~ン。コンを忘れないで~』
と、そんな声が石像の群れーー正確にはミイラの足元から声が聞こえてきた。
「あ、九尾さんの事を忘れていました」
仁美の言葉にさやかとリョウは一秒程考え、
「「まいっか…」」
「そうですね…九尾さんならきっと大丈夫ですよね」
「お前らな…」
薄情な事を言う三人に思わず呻くヴィータだった。


無数にある管理世界の一つの一角。
そこにある危険ランクS級遺跡に歩く三人の姿があった。
「なのは。少し止まって。そこにトラップがあるから」
サイドポニーの女性にそう言う人物の名はユーノ・スクライア。
管理局無限書庫司書長にして遺跡発掘のスペシャリストである。
彼は危険度Sランクの遺跡の調査にきていた。
流石にSランクというだけあって、危険も大きい為、彼は護衛役として教導官にして管理局のエースにして彼の幼馴染である高町なのはと、同じく教導官として働く鉄槌の騎士ヴィータを連れて中に入っていた。
もちろん護衛や調査隊は他にもいるのだが、危険度Sランクと言う事で、色々な意味で超一流のこの三人が先遣隊として先に簡単な調査を行う事にしだ。
ところがどうだろう。
いざ入ってみると、中のトラップはとても危険度Sとはお世辞にも呼べなるものはない。
それどころか、ある程度進むと、トラップ事態少なくなったのだ。
「一体どういう事だろ?」
「確かに…でも、妙なんだよ」
なのはの疑問にユーノがそう言った。
「トラップを誰かが破壊した後が結構あるんだ。つまり…」
「誰か先に入っているって事か?」
「ああ…」
ヴィータの言葉にうなずくユーノ。
と、ヴィータがある事に気く。
「ん?なんだ?この匂い…」
「「匂い?」」
首を傾げるユーなの。
確かに、奥の方からいい匂いがする。
なんだろう?と思って進んでいった三人が見たものは、かなりの広さがある広場の奥にある大きな石棺の前でコーンスープの缶に火をかけてかき混ぜる一匹の狐の姿だった。
「「「………?」」」
不審そうに見る三人。
「おいしそうですね」
どうしたものかと三人が思って見ていると、一人の少女が奥からやってきた。
『コーン。もうすぐ出来上がるコンよ。お腹すいては力が出ないコンからね。腹ごしらえしたら本格的にこのダンジョンを攻略するコンよ』
「大体の罠は破壊出来たのですか?」
『コン。でも破壊したのはこの周辺のものだけコンからね…だから迂闊に動くと』
スープをかき混ぜながらそう言う九尾と呼ばれた狐。
三人は顔を見合わせると、意を決して話し掛ける事にした。
「あの~」
『コーン?こんな奥にやってくるなんてまた変わった冒険者コンね』
「いや、冒険者違うから」
パタパタと手を振って否定するユーノ。
「時空管理局です。あなた達は一体?」
なのはの言葉に少女は首を傾げる。
「時空管理局?」
少女がそう言うと同時に、狐の後ろの石棺の蓋が突然ガタガタと動き始めた。
「なに!?」
「なんだ!?」
驚くなのはとヴィータとユーノ。
なのはとヴィータはデバイスを構える。
そして蓋がガターンと落ち、中から少年と髪の短い少女が起き上がる。
「あ~、良く寝た」
「まったく、深く寝すぎて前世の記憶を遡り掛けたじゃないか!」
「遡らなかったんですね」
『良く寝てたコンね』
「なにを言うか!こんな素晴らしい抱き枕があれば、男なら気持ちよく感じてしたかないじゃないか!!」
「どつくよ」
髪の短い少女が顔を赤くして怒る。
「え~と。で、君達はなんなの?」
ユーノに問われ、少年少女達は首を傾げ、
「誰だあいつら?」
少年が狐に聞く。
『時空管理局の魔導師コンよ』
「「「管理局?」」」
『簡単に言うと魔法を管理する組織コン。警察と裁判所が一緒になったと言った方が正しいコンね。きっとこの遺跡の探査に来ていたコン』
「ふ、ならば一同を代表をして俺から自己紹介させてもらおう!俺の名はリョウ。ブログ掲載時苗字募集中だったが今は響と確定した男だ!よろしくじら☆」
……………。
「む?もしかしてまたやってしまったか?」
『気にしちゃ駄目駄目駄目駄目コンよ』
「駄目って言うな!一生懸命やっているじゃないか!あの犬だって!!」
『何でわかるコン?』
「なんで?ふっ、目を見ればわかる…」
「なんて言うか…濃いね」
呆れた様に呟くなのは。
「サンクス!」
相変わらずのテンションのリョウに呆れながらも髪の短い方の少女も自己紹介を始める。
「あー、あたしは美樹さやか。あっちは…」
「志筑仁美と申します」
『コーン。コンは九尾の妖弧コン。九尾って呼んで欲しいコン。間違ってもQBなんて呼んじゃあ駄目駄目駄目駄目駄目駄目コンよ』
「駄目を何回言うのさ…って、おい」
と、自分が”なに”に入っていたか気づいたさやかの声が低くなる。
「おい。九尾」
『なにコン?』
「これ棺桶じゃない!!」
「マジか!?」
驚くリョウ。
『コーン。だってあんたら気絶してたじゃないコン。だからどこか寝かせなきゃと思ったコンけどここ石ばっかだから寝かせたら身体に悪いと思ったコン。まあ、石の床と変わらんコンけどでも人が”眠る”場所だから丁度いいと思って…』
そこまで言った九尾をさやかとリョウが踏みまくる。
「「眠るの意味がちげえええええええええええええええええええ!!!!!」」
『コンドルウェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエイ!!!!』
「すっごい怒っているね…」
「まあ、気持ちはわかるが」
「どうもすいません」
呆れるなのは達に頭を下げる仁美。
「いえ…別に…。わたしは管理局の魔導師の高町なのはです。お話聞かせてくれる?」
「あたしはヴィータだ」
「僕はユーノ・スクライア。君達は一体どうしてここにいるんだい?」
とりあえず、四人(?)から事情を聞く事にする三人。
「わたしもなんと言っていいのか…」
仁美はチラリと九尾の方を見る。
「あの~、お二人とも、そろそろ現状の把握をしたいのですけど…」
「む、確かに。ここは一体どこなんだ?確か病院の前にいたはずだが…」
「なんか映画に出てきそうな場所だけど」
仁美の言葉に九尾を踏むのをやめて彼を持ち上げる二人。
『コーン…ここはどこかの次元世界の遺跡コン。正確な場所は知らないコンけど…』
「「「次元世界?」」」
耳慣れない言葉に首を捻るさやか、仁美、リョウ。
『コーン。この世界にはコン達が住んでいる世界の他にも沢山の世界があるコン』
「マジか?」
『コン。コン達の世界は管理局からは第97管理外世界と呼ばれているコンよ』
「97………随分と中途半端だね」
「え?という事はあなた達地球から来たの?」
彼らの会話に驚くなのは。
「じつわわたしも地球出身なの」
「マジか?」
自分と同じ出身という事で、急になのはに親近感が沸くさやか達。
「来たと言うか、来てしまったというか…」
「というか、どうしてわたし達、そんなところに来てしまったんでしょうか?」
『コーン。きっとあのグリーフシードの爆発が原因コン。あの爆発が次元転移魔法の様な働きをしてこんな所まで飛ばされてしまったコン』
仁美の疑問に答える九尾。
「マギカ?じゃなかった、マジか!?」
「帰れんの?あたし達…」
『コーン、同じ規模の爆発が起きればコンの次元転送で何とかなるコンよ』
「いや、待て。それならそれで帰ればいいんじゃないか?」
「お。リョウにしてはまともな意見」
「サンクス」
「ほめてねえと思うが…」
さやかにサムズアップするリョウ。
そんな彼にジト目でツッコミを入れるヴィータ。
例え管理世界の人間でも別の世界にいきなり飛ばされれば不安になるものが、この三人(九尾は論外)にはそれを感じさせない。
(なのはといいはやてといい地球のガキどもはみんなこうなのか?)
考えてもしかたないので、この考えはやめる事にした。
『それは無理コンね。コンのこの能力を発動するためにはけっこうな爆発に巻き込まれる事が必要コンから…今すぐは無理コンね』
「なるほど…」
「ちょっと待って」
話を聞いていたユーノがある可能性に気づく。
「それってつまり君達がここにいるのは、そのグリーフシードというのの爆発のせいで発動した彼の能力のせいなんじゃ…」
ユーノの言葉にさやかとリョウの九尾を見る目が冷たくなる。
「おい…」
「きゅ~び~。ちょっとこっち向こうか~?」
『コ~ン』
九尾は懐中時計を尻尾のふさふさから取り出すと、
『さて、終電の時間に間に合うコンかな?』
とてとてと歩き出す九尾に二人は跳び掛かり、再び踏むまくった。
『コオオオオオオオオオオオオオオオン!!ヘルプミイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!』
「まあ、落ち着いて。元いた世界もわかっているから局に掛け合えば帰してもらえるはずだから」
「「それはありがたやあああああああああああああああ!!」」
『踏むのをやめて欲しいコオオオオオオオオオオオオオオオン!!』
なのはの言葉にお礼を言いながらも九尾を踏みまくるのをやめないさやかとリョウ。
よくお互いの足を踏まないものである。
そんな事を思いながら見ていたユーノの目に二人が寝かされていた石棺がとまる。
なんとなく調べてみたユーノは、
「ねえ、この石棺二人を眠らす前って、空だった?」
と九尾に聞いた。
その一言にさやかとリョウの動きがピタッと止まる。
「え~と…ユーロさん…だけ?」
「ユーノ」
「ああ、ユーノさん。それって、つまり。それにはあたし達が入る前に中身が入っていたって事?」
さやかの言葉にユーノは顔を引きつらせながら、
「非常に言い難いんだけど…その入っていたらしいんだよ」
その言葉にさやかは近くにあった人ほどもある石像に近づくと、それを持ち上げた
「「「って!ええ!!?」」」
見るからに重そうな石像を細い身体のさやかが持ち上げた事に驚く管理局組み。
いや、仁美とリョウも驚いていたが、一番反応したのは九尾だった。
『ちょっ待つコン!それはいくらなんでもシャレにならないコンよ!?ああもうユーノさんのば』
ずーーーーーーーーーーーーーーん。
石像を乗せられ、九尾は沈黙した。
「…………あの、流石にそれは酷くない?」
なのはの言葉にやり過ぎたかな~と頭をかくさやか。
『なんのこれしき』
そういいながら九尾は重量感たっぷりの石像の下から這い出した。
『それで、ユーノさんは一体なにを聞きたいコン?』
「あ、ああ。あの中身を一体どこにやったのかな~って」
かなりの重量がある石像を九尾の上に平然と落としたさやかにかなりびびりながらもユーノは九尾に聞いてみた。
『それならそこに…』
そう言ってある一角を前足で指す九尾だが、
「なにもないぞ」
リョウの言う通りそこにはなにもなかった。
『変コンね…死体が動いたとか?』
「死体が動くか!」
さやかがそうツッコム。
『さやかのセリフじゃないコンね』
「この話のあたしはオリジナルとは違うのだよ!!」
と叫ぶさやか。
なんの話だと思うなのは達。
『我はここだ』
と、低い声が辺りに響いた。


説明会。
ーー優雅なる銃撃士、アルキブ・ユウ
番外編で判明したユウの特殊でマミと融合した姿。
衣装がマミのぽくなり、さらに髪に黄色のメッシュが入る。
武器はマミと同じで一発式のマスケット銃。
マミとの融合の影響か、言動が優雅なものになっている。
ユウ「なんで今やるの?今回出てないよね?」
まどか「ほむらちゃんとの融合した時のをやるついでにだって」
マミ「じゃあ番外編の時にやればよかったんじゃない」

ーー冷徹なる焔、クロック・ユウ
今回登場したユウの姿。
衣装がほむらぽくなり、髪に黒いメッシュが入っている。
しかも何故か眼鏡を掛けている。
武器はほむらのあの盾。
戦闘方法はただのユウだった時と同じ格闘と手から放つ魔力弾(盾からも発射可能)
ほむらとの融合の影響で言動がクールになっている。
ユウ「いや、まだ活躍してないのに説明っておかしくない!?今回の魔女は説明ここまで引っ張ったのに!!」
リョウ「気にしたら駄目じゃないか!!」

ーー母は強し、鹿目詢子
まどかの母親でバリバリのキャリアウーマン。
このまど☆マギライトでは九尾の知り合いでかつて魔法少女だった。
ほむら「まさかの展開ね」
ユウ「詳しく聞こうにも九尾がいないからどうしようもないね」

ーー一見はクールだが実は熱い走り屋、銀の魔女ギーゼラ
性質は自由。
魔女連合一の自分勝手。
マギカの命令するら無視する。
しかもかなり短気。
趣味は海岸線の夕日を眺める事。
だがそのせいで身体が錆びてしまうが、マギカの力で元に戻っている。
銀の剣で敵を切り裂き、銀の装甲服で敵の魔力弾をガードする。
バイクで疾走する事を好むが、自身の速度はそれほど速くない。
性格も主義も正反対のエルザマリアとよく一緒に行動する。
シャル「なんでよく一緒にいるの?」
ズライカ『正反対なもの同士だからこそ惹かれ合うのだろう。互いにないものを求めてな。お前とゲルトの様に』
シャル「はああ!?」

ーー実は登場している、主張の使い魔ドーラ
ギーゼラの手下。
その役割は主張。
身体についたパイプから近所迷惑な爆音を撒き散らすという公害使い魔。
気まぐれな砂嵐の様に動き回るが。
嫌いな物は磁石。
どこに出ているのかは次回明らかに。
リョウ「どこに出ていたんだ?」
杏子「だから次回に教えるっていっているじゃん」

ーー全てを飲み込む救い、影の魔女エルザマリア
性質は独善。
全ての命の為に日々祈っている魔女。
身体から生える植物の様な蔦であらゆる命を影の中に平等に引きずり込む。
それこそが真の救いと信じていて。
身体から生える蔦の中に使い魔を飼っている。
物腰は柔らかく、言葉使いも穏やかだが、やっている行為は外道に等しい。
何事も平等に、等しくあるべきと考えているため、魔女によってはうっとうしく思っている者もいる。
エルザ「全ての命はみな等しいのですよ」
さやか「奇跡も魔法も、あるんだよ!!」
杏子「意味わかんないから…」

ーー見た目動物顔のヒュドラ、妄信の使い魔セバスティンズ
エルザマリアに平等に救われてしまった命達の集合体。
同胞を求め、エルザマリアの救いを手伝う。
ユウ「公式の魔女図鑑のまんまじゃん」
リョウ「いや、微妙に違うぞ」
ユウ「微妙かい」

ーーシャルロッテの着せ替え人形にされていた使い魔。
まどか☆マギカでシャルロッテの本体なのでは?と疑われていたピョートル。
公式でただ単に女装させられていただけと判明。
おかげこのライトのシャルロッテの本体だと言ったぬいぐるみがまどか☆マギカのシャルロッテそのものとなった。
シャル「ねえ、なんでこいつ靴跡がついてるんだ?」
ユウ「ほむらのか?」

ーーレディバググリーフモンスター
グリーフレディバグとかレディバググリーフとか表記されているグリーフモンスター。
親はゲルトルート。
ギーゼラの乗るバイクに轢かれるは、メタルグリーフモンスターに吹っ飛ばされるは散々な扱いを受ける。
シャル「まるでゲルトの扱いを体現している様な奴でだったね」
ゲルト「なんですって!!?」

ーーメタルグリーフモンスター
親はギーゼラ。
鋼の様に硬い身体のモンスター。
ギーゼラがまどか達を誘き出すために生み出されといて自らまどか達を見つけてしまうという期待以上の働きをする。

ーー峠の走り屋
ギーゼラにクラッシュされられた走り屋。

ーー隊長
まど☆マギの放送再開記念パーティに参加したはずの九尾がいた魔王軍に攻撃を受けている町を守る騎士団の隊長。
このSSには全く関係ない。

ーーザエル
騎士団の一人。
魔王軍の攻撃でやられた。
一応言ってくが、登場してない。

ーーザエルがやられた事を報告した兵士
登場していないのより後に説明されている不遇な人。

次回予告
ギーゼラ「鹿目まどか。俺の負けん!例え貴様がどの様な力を持っていようとも!!」
エルザ「なんという神々しい…まるで神…」
ゲルト「な…これは!?」
ズライカ『ぐおおおおおお!これが鹿目まどかの力か!』
シャル「マジかよ!?」
杏子「すげえ…」
マミ「鹿目さん…。やったわね」
ほむら「まどか」
さやか「まどか」
仁美「まどかさん」
ユウ「予告でこんだけ言っててやらなかったら虚しいよね」
まどか「言わないで~!!」
リョウ「ていうかあいつ予告にも来ないぞ…」

あとがき
今まで通り長くなりそうなので区切ります。


「でもこの結界…なにか変だわ」
「確かに」
結界の様子に異変を感じるベテラン魔法少女の二人。
「ちょっと、どういう事ですの!?どうして結界も張っていないのに結界が張ってあるんですの!?」
後ろから聞こえた声におや?と振り向けば、そこには薔薇園の魔女ゲルトルートの姿とその部下達の姿があった。
「あらあなたは…」
「お久しぶりね、巴マミ。この前のかりを返させてもらいます。おいきなさい!」
「「「「「「「覚悟しろ」」」」」」」
「ま、どうせやられるんだけどね」
「「「「「「「おいいいいいいい!!!!事実だけど言うなよおおおおお!!!!」」」」」」」
毎度お馴染み戦闘員達も出現。
更にグリーフレディバグの幼虫タイプも数体現れる。
『『『『『ギイイイ!!』』』』』
「「「「「「「って、ゲルトルート様!?なんかキャラが被ってるんですけど!!」」」」」」」
『ギイイイイイ!!』
成虫タイプがマミに襲い掛かる。
迎撃体制に入るマミ。
他の面々も戦う体制を取る。
だが怪人はマミと激突する前に突然乱入したバイク(さっきリョウを跳ねたやつ)に跳ね飛ばされた。
「またですのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!?」
「ゲルトルート様!あれはバイクです!!」
「は?」
戦闘員の言った事が理解出来ずに眉をひそめるゲルトルート。
「見つけたぞ。見滝原の魔法少女ども」
バイクに乗っていた少女は降りるとヘルメットを取った。
「「あ」」
その顔に杏子とリョウは声をあげる。
「知り合い?」
「なに言っているんだマイブラザー!この前のゲーセンで見たじゃないか!」
「……ああ。確かエルザマリアの連れの…。って、それがなんでこんな所に!?」
「当たり前だ。ここは俺とエルザの結界だ」
「つまり、二人は」
『プリキュア!!』
「おうこの妖怪狐!人が珍しく真面目に話そうとしているのを邪魔するとは何事だ!!」
「「自覚あったんだ…」」
ギーゼラに轢かれた衝撃で合体が解けた九尾の胸倉を掴むリョウの発言に感心するさやかとユウ。
「魔女?こいつが?」
改造魔女を知らない杏子はいぶかしげにギーゼラを見る。
「俺の名は銀の魔女ギーゼラ。勝負だ、魔法少女ども!」
そう言うとまどか達を銀の剣で指すギーゼラ。
「これも神の試練なのでしょうか…」
そう言うのはいつの間にか現れたエルザマリア。
「いえ、親しくなったからこそ、わたしの救いを与えるのもまた使命…」
エルザマリアがそう言うと、彼女の背中から鼠や犬などの顔をした蛇の様な影が出現する。
「ユウさん。リョウさん。そして杏子さん。ご安心を、黒き痛みの先に真の平等なる救いがあるのです。この子達、セバスティンズの様に」
『『『…………』』』
エルザの言葉に無言に揺れる彼女の使い魔セバスティンズ。
「ええい!親しくなった相手と戦うのは心苦しいがしかたない!!もう一度行くぞ!コン畜生!!」
バッと手を伸ばすリョウだが、何時まで経ってもその手に跳び付く様子がない。
「ん?」
不審に思ったリョウが九尾の方を見ると、そこには一枚の紙の張られた九尾の身代わりぬいぐるみが置いてあった。
紙にはこう書かれていた。
ーー魔法少女まどか☆マギカ十話、十一話、十二話の放送再開を祝してのパーティに出席するコン。お土産は期待してコンね。
「ドタキャン!!!!!!!????」
「つうかなんでお前が行くんだよ!!!!!!!!!」

九尾のまさかのドタキャンにリョウとユウの叫びが木霊した。
「なんだかよくわからんが、いかせてもらう!」
「ちょ!タイム!!」
残念ながら、タイムは聞き入れなかった。
ギイイイン!!
「む!」
と、ギーゼラの刃を杏子の槍が受け止めた。
「たく、なにやってんだい?」
と、そう問い掛ける杏子に、
「いや…俺あのコン畜生がいないと戦えない…」
と答えるリョウ。
「じゃあ下がってな」
「わかった。ではお前のために素晴らしき応援歌を歌うしかないじゃないか!!」
「できれば黙ってて欲しい…」
ジト目でそう言う杏子の背後に、セバスティンズが迫る。
ざしゅざしゅざしゅ。
が、さやかにバラバラにされる。
「へえ、どういうつもりだい?あたしを助けるなんてさ」
「別にあんたを助けたつもりはないよ」
「先程まで戦っていた二人が更なる強敵の出現で共闘!これぞ王道!!」
「でも魔法少女の王道じゃないような…」
二人の姿にうんうんとうなずくリョウ。
その後ろでそう呟くまどかだった。
「ま、ともかくだ。ここは共同戦線といかないかい?」
「いいよ。これが済んだらさっきの決着つけてやるから」
「「「「「「「いや、もうついた様なもんだから」」」」」」」
「…………」
杏子+仲間内からのツッコミにマジで落ち込むさやか。
「いや、まだ着いてなかったな。うん!確かに馬鹿とツッコンだけど、あれだけでまだ決着がついたとは言えないよな!!」
半端なく落ち込むさやかに慌てて慰める杏子。
「馬鹿…そうよねー、あたしってホント馬鹿だもんね」
「いやちげーよ!馬鹿は言い過ぎだよな本当。お前は馬鹿じゃないよ!な!」
「いいよもう…慰めなくて。変に虚しくなるし…」
「ああもうめんどくさいなもう!!マミの奴はあのゲルトルートとかって奴と戦ってるし!!」
膝を抱えるさやかに頭を抱える杏子。
「はっ!」
背後に殺気を感じた杏子は慌てて跳びあがる。
「ふん!」
ギーゼラの振り下ろした剣が地面を砕く。
(こいつ、こんな細い体でなんつうパワーだ!)
「余所見とは余裕だな。佐倉杏子」
(は!あいつは!?)
杏子がさやかを見る。
今の彼女では狙い撃ちである。
「どうせ…どうせ…」
「大丈夫ですよ。今は駄目でも明日がありますよ」
エルザマリアに慰められていた。
「なに敵に慰められてんだよ、ボンクラ!!」
一方、リョウは神剣を取り出す。
「どうするんだ?」
「あの怪人二体と下っ端の相手ぐらいは俺達がしないと駄目じゃないか」
「そうね」
いつの間にか(さやかにツッコンだ時にはすでに)人間の姿に戻っているほむらはそう言って髪をかきあげる。
「雑魚は任せろ!ほむほむとマイブラザーはあの怪物二体を頼む!」
「了解よ」
「え、自分が?」
「いや、あの妖怪狐がいないとまともに戦えないし」
「それでも戦闘員達と戦うんですね?」
「ふ、なんてたって出番が欲しいじゃないか!!」
仁美の言葉に胸を張って叫ぶリョウだが、その言葉は決して胸を張れるものではなかった。
「まあ、やるけど…」
ユウはどこか諦めた様にそう言うと変身した。
「でもわたし自身それほど魔力は回復してないわよ」
ほむらの言葉にリョウはチッチッチッと指を振る。
そんなリョウを見ながら、こんな会話していてよくあの怪人達襲ってこないなあと、まどかはどうでもいい事を考えていた。
「それならいい案があるぞ。二人とも、魂の宝石を出せ」
「なんで日本語?」
「というか二人とも身体と一体化してるから取り出せないわ」
そう言って自分のソウルジェムのついた手を見せるほむら。
リョウはその手を取ると、ユウのソウルジェムに押し付けた。
「え?」
「あ?」
するとほむらの身体は光となり、ユウのソウルジェムの中に吸収される。
さらにユウの前髪に黒いメッシュが入る。
「よし、先輩でも出来たんだ!他の魔法少女でも出来ると思っていたが出来ると思っていたが、予想通りじゃないか!!」
「なるほど。番外編で判明したユウさんの力を使うんですね!」
「そうだ!これなら完全回復したほむほむ並に強いかもしれない!」
「なるほど…」
『話には聞いていたけど…』
半透明になったほむらがユウの背後に出現する。
「ユウ君、ほむら君、リョウ君、気をつけてね」
「うん…リョウ、やばくなったら助けてね」
『あなたって本当に情けないわ』
「ひとみん、まどっちを頼む」
リョウの言葉を皮切りに、怪人二体が戦闘員とゲルトルートの使い魔と共に三人(二人?)に向かって走り出した。
「ふっ!」
「はあ!」
ゲルトルートの茨の鞭を撃ち抜く。
「よくもまあこんな細いものを撃てますね…」
鞭を一振りして元に戻したゲルトルートは感心した様にそう言う。
「それにしてもあなた、どうしてわたしにこだわるのかしら?部下にも手出しさせようとはしないし」
「ふっ、ただこの間のかりを返したいだけですよ!!」
そう言うと鞭を一閃するゲルトルート。
マミ対ゲルトルート。
さやか対エルザマリア。
杏子対ギーゼラ。
ほむらinユウ対怪人二体。
リョウ対戦闘員達の激戦が始まった(ギャラリーまどか、仁美)
そんな事を完全に忘れた九尾はというと、
「隊長!ザエルの奴がやられました!」
「くそ!魔王軍め…なんという強さだ!」
「このままでは町が…」
『だったら戦うコン!』
「なにを言っているんだ、九尾!この戦力差では…」
『勝とうと思っちゃいけないコン!こうなったら町の人達が避難出来る位の時間を稼ぐ事に専念するンコンよ!』
「そうだな…。それくらいやらなくては、騎士団の名が泣くな…。よし!いくぞ!皆の衆!!」
「「「「「「「「おおおおおおーーーー!!!!」」」」」」」」
もう訳がわからなかった。
一体まどか達はどうなってしまうのか?
そして九尾は一体何をやっているのか?
というか帰ってくるのか?
今SS初の後半に続く。


夜。
車が行き交う道路の上に掛かった歩道橋にさやかと杏子はいた。
「来たね」
「来たねじゃねえよ!てめえ!人のどたまに風穴開ける気かごらあ!」
やってきた杏子は当然ながらご立腹だった。
「あー、確かに頭を狙ったのは不味かったかなーと、うん。さやかちゃん反省」
さやか当人は真面目に言っているつもりなのだが、杏子には当然ながらそう思えなかった。
というか、書いているわたしもそう思えない。
「そうかい。じゃあ死にな!!」
そう言って変身する杏子。
「ふ、返り討ちにしてやるわ!」
一体その自身はどこからくるんだ?そう思うギャラリー(リョウ、仁美、九尾)だった。
「さやかちゃん!」
と、そこにまどかが猫ほむら、ユウ、マミと一緒に走ってきた。
「まどか!?…邪魔しないで!これはあたしの戦いなんだから!」
「やめてよ!こんなの絶対おかしいよ!」
「そうだぞ!またフルボコだぞ!」
「ユウ君、あなた説得する気ないでしょ…」
ユウの言葉に若干こめかみを引きつらせるが、さやかは無視してソウルジェムを取り出す。
「ーーっ!さやかちゃん、ごめん!」
まどかはそう言うとさやかのソウルジェムを奪い取り、そのまま橋の下に向かって投げた。
「あ」
ソウルジェムはそのまま丁度タイミングよくトラックの荷台に乗ってしまった。
「まどか!あんたなんて事を!」
「そうだぞまどっち!もしオリジナルと同じ設定だったらさやかは死んでたぞ!」
「「オリジナル言うな!」」
リョウのメタ発言にツッコミを入れるユウとマミ。
「あー、これで魔法は使えないね」
「く!」
どうしたもんかという様子の杏子の言葉にさやかは悔しそうに呻く。
「しかし、これでさやかの魔法少女としての未来は潰えたな」
「ん?」
リョウの発言に何か気になるものを感じたユウ。
「未来…。そうか」
リョウの発言にさやかは何かに気づいた様子でふっと笑う。
「未来ならもう掴んでいる」
そう言いながら右手を天に向けるさやか。
「「『まさか!?』」」
その様子に何かに気づくユウ、リョウ、九尾。
「そしてこれからも、掴み続ける!」
さやかがそう言った瞬間、彼女の掲げた手にソウルジェムが時空を越えて出現した。
「「「「「ええーー!!?」」」」」
驚く男子以外のメンバー。
「変身!」
変身したさやかはそのまま杏子に斬り掛かる。
「ちっ!」
迎え撃つ杏子。
その様子を呆然と眺めるまどかの肩にユウの手がポンと置かれた。
しばらく戦闘を続ける二人。
(こいつ!)
杏子は前回と動きの違うさやかに驚く。
前回は力任せだったさやかだが、今回は杏子の攻撃をとにかく弾く事に重点を置いたのだ。
「なるほど。無理に攻めずにとにかく相手の攻撃を防ぐ事に重点を置いた訳か」
『伸びたり、鎖状に分裂したりすると言っても槍である事には変わらないコン。最大の威力を発揮するには突くしかないコン。そしてその最大の攻撃が来た時に側面を叩けば機動はずれるコン』
「しかもマイシスターの防御力と回復力は魔法少女一だ。突き以外で戦闘不能に落とすのは難しい!」
「でも防御に徹していても、いつか押し切られませんか?」
リョウと九尾の分析に疑問の声を投げかける仁美。
「確かにな。だがマイシスターにはきっと何か策があるに決まっているじゃないか!」
リョウの言葉にさやかの動きが一瞬ピタッと止まる。
そしてだらだらと脂汗を流す。
「しまった…決め手考えるの忘れてた」
ちゅどおおおおおおおおおおおん。
さやかの言葉に盛大に吹っ飛ぶギャラリー。
「てへ☆」
可愛く舌を出すさやかに杏子は呆れた様子で、
「あんた…馬鹿だろ」
とはっきりと言った。
「なんだと!馬鹿じゃないぞ!!」
「馬鹿ね」
「馬鹿ですね」
『大馬鹿ね』
「馬鹿だ。間違いなく」
『馬鹿コンね』
「あっはっはっはっ。もう馬鹿と言うしかないじゃないか!!」
「みんな酷いよ!さやかちゃんは馬鹿じゃなくて、考えが足りないだけだよ」
「ごめんまどか。あんたのが一番傷付いた」
「………なんだかな~」
まどか達の妙な雰囲気にペースを乱された杏子はどうしたものかと頭を悩ます。
と、その時。
「危ねえ!」
と、叫んでさやかを突き飛ばす。
ちゅどどどどどどどどどどどどどん。
その一瞬後にさやかと杏子がいた場所に魔力弾が降り注いだ。
「なんだ!?」
「あ、あれ!」
まどかが指差した先に、ボロボロのレディバググリーフがいた。
「「「「「「「『『…………なんですでにボロボロ?』』」」」」」」」
疑問に思う一同だった。
「って、なんだあの怪物は!?」
『かくかくしかじかコンよ』
「なるほど」
『通じたコン!?』
「お前が驚いちゃ駄目じゃないか!!」
「なんにしても敵って事は確かだ」
「ちょっと…いい加減どいて欲しいんだけど…」
グリーフモンスターを睨む杏子の下でさやかが苦情を言う。
「あ、悪いな」
そう言って杏子はさやかの上から退く。
「さて、敵が出たなら戦うしかないじゃないか!」
リョウはそう言うと九尾の頭をガシッと掴む。
『コーン、もう少し優しく掴んで欲しいコン。HENSHIN』
「ちょっ、先に言うなよ!変身!」
毎度お馴染みの装甲に包まれるリョウ。
「よっしゃあ!俺、さん」
横手から現れたメタルグリーフに殴り飛ばされた。
「二体目!?」
「ちょっ!リョウ!?」
「退場はや!」
橋の下に落ちたリョウは道路を疾走してきた一台のバイクに跳ね飛ばされて戻ってきた。
「あべし!?」
「すげえ戻り方だな、おい」
「しかもいつの間にか結界の中だし!?」
気がつくと、周りの風景が変わっていた。
毎度の事ながらすげえ急展開だな。
と、そんな事を思うユウだった。
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