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コラボ長編を新しくしました

それにあたりカテゴリも舞×リリなのに変更。
変更点、スクリーパーをなくしました。
アリカとニナの出会いから書く。
そしてこれは目標ですが、エルスとエリオとキャロとトモエにも出番を!!
あ、セロは変わらず出ます。
それではごゆりと、お読みください。
魔法少女リリカルなのは×舞‐乙HIME

 ~THE HARMONIUM SONG~

第一話 夢のはじまり

とある時空世界の一つの国が炎に包まれていた。
「敵襲だ!!」
無数の化け物が町を蹂躙し、人々は逃げ惑っていた。
国の魔導師が戦うも、化け物には敵わず蹴散らされる。
城の中を、怪物の操り手達が走り回る。
「姫がいないぞ!捜せ!」
男の言葉に黒いマントで身を包んだ男達は走った。
町中を一人の女性が走っていた。
手には赤子を、抱いて。
腰から血を流して。
人間とは思えない身軽さで怪物の目を逃れた女性は橋の下に逃げ込んだ。
「はあ、はあ…ゼストやクイントがいないこんな時に攻めてくるなんて…」
「レナ様!」
一人の女官が女性に駆け寄ってきた。
女性は彼女からカプセル型の揺り籠を受け取ると、赤子をその中に入れた。
「生きてください。シフル様と…わたしの分まで!」
女性は赤子の首に青い宝石のネックレスを掛けると、揺り籠の蓋を閉め、川に流した。
「蒼天の青玉よ、どうかこの子をお守りください」
女性は女官に逃げる様に言うと、人間とは思えない跳躍力で橋の上に跳び上がった。
「く…!」
腰の怪我に手を当て、一瞬崩れ落ちる女性の周りに三人の人影が降りた。
が、どう見て人間ではなく機械にしか見えない。
『いかな蒼天の青玉といえども病には勝てなかい様だな』
リーダー各のサイボーグがそう言った。
「レイト…」
リーダー各に向かって女性はそう言うと、彼は怒りの声をあげた。
『その名で呼ぶな!俺はサイボーグのラドだ!!』
リーダー各は女性に刃を向けた。
『さて、姫はどこだ?と言った所で答える貴様でもあるまい』
リーダー各の言葉を証明する様に女性は短剣を二本抜いてサイボーグ達に立ち向かった。
『病に冒された身体で、なお向かってくるその意気込みは見事!』
両者がぶつかった瞬間、揺り籠の中の赤子に首に掛かるペンダントの宝石が輝いた。

「お父さ~ん、ギン姉~、どこ~?」
燃え盛る空港の中、一人の少女が歩いていた。
脅え、泣きじゃくりながらも歩く少女を突然の爆発が吹き飛ばした。
「きゃあ!」
倒れる少女は立ち上がる気力すらないらしい。
「もうむり…」
その時、大きな象が少女に向かって倒れだした。
「ーー!助けて!!」
叫ぶ少女は思わず目をつぶる。
ーーしかし、一向に石像が倒れてこないのを不審に思い、怖々目を開けると、石像は桜色の輪っかの様なもので止められていた。
「ーー?」
「助けに来たよ」
疑問に思う少女に声が掛かった。
「よく頑張ったね」
そう言って少女を抱きしめる女性。
少女にはその人が天使に見えた。
女性は魔力砲で天井に穴を開け、少女を抱きしめたまま空を飛び、そこから脱出した。
抱きしめられている間、少女はドキドキとし、憧れの瞳で女性を見ていた。
そしていつかこの人の隣りに立ちたいと願った。

11年近い時の隔たりがある二つの事件。
発生した世界も違うこの二つの事件が一つに繋がるのは、空港火災から更に四年の歳月が必要となった。

「今回も収穫はなしか…」
定期船の甲板でで書類を見ながらセルゲイ・ウォンは一人呟いた。
「ま、十五年も経っているんだ。そう簡単には見つからないか…」
と、別の書類が目に入った。
「機動六課ねえ…このお嬢さんもずいぶんとやってくれるもんだ…」
「おっちゃんおっちゃん!」
「おっちゃんじゃない。お兄さんだ」
どっかの子供が話し掛けてきた。
「向こうになんか浮いてる!」
「坊主、海に何か浮いている時はそれはゴミだ」
「違うもん!でっかいゴミだもん!!」
セルゲイは相手にせず、さっさと部屋に引き揚げた。
一方、子供が言っていた何かはというと、
「ーーあれ?」
女の子だった。
年の頃なら十五の髪を頭の後ろの方で二に結った少女だった。
木に乗っかっているその姿はまるで難破したかの様だ。
ーーいや、普通に考えて難破したのだろう。
ただ、港がすぐ目の前のこの状況でどうやって難破したのかは謎だが。
彼女は定期船をしばらく見つめると、
「助けて貰おうと思ったのに…」
と呟いて、遠ざかる定期船を見つめた。
「って、ホントに助けてよ!!」
少女は慌てて船を追い掛けた。
泳いで。

とある海辺のオープン・カフェで一人の少女がご機嫌そうにしていた。
彼女の名はスバル・ナカジマ。
何故ご機嫌かと言うと、
「なのはさんと同じ部隊~♪」
憧れの人物、エース・オブ・エースの高町なのはと同じ隊になれるからだった。
大好きなアイスを食べているのも彼女が幸せそうな理由の一つでもあった。
「アンタ…よく食べれるわね…」
彼女の四年の相棒のティアナ・ランスターは山と積まれたアイスを前にニコニコ顔のスバルに呆れ顔でそう言った。
が、山と積まれていたのはほんの一時、すぐに半分になる。
ーー速い!
さて、スバルが高速アイス食いをやっているすぐそばの席で一人の少女がいた。
局の制服を着ているから彼女もまた局員なのだろう。
「少し早かったかしら…」
懐中時計で時間を確認する彼女の名はニナ・ウォン。
セルゲイ・ウォンの娘で、クラナガンに帰ってくる彼とここで待ち合わせているのだ。
彼女の前にはアイスコーヒー。
別に欲しかった訳ではないが、何も頼まないのは不味いと思い、頼んだのだ。
と、彼女の目にセルゲイの姿が映った。
「お父様」
立ち上がるニナ。
ニナはこの時の事を後に親友となるティアナにこう語る。
もっと後ろに気を配れば良かったと。
ニナの後ろから浮浪者の如く歩いてくるのはあの漂流していた女の子だった。
まだ水も滴りながら歩くその姿はちょっと不気味だったりして。
「み…みず…」
長い間海の上を漂流していたらしく、喉がカラカラな女の子の目にニナのアイスコーヒーが目に入った。
「ああ………!」
フラフラと近づき、
ーードン。
ニナにぶつかった。
「ーーきゃあ!?」
引っくり返るニナとテーブル。
宙を舞うアイスコーヒー。
はし。
それをこぼすことなくキャッチする少女。
どん。
倒れる少女の上にニナは尻もちを着いた。
「ごくごくごく」
そんな事も構わず少女はアイスコーヒーを飲みほした。
そんなに喉が渇いていたのか…。
「ぷはぁ…」
少女はそう言い残すと、長旅の疲れが一気にきて、気を失った。
「いたたたたた…」
「ニナ!大丈夫か!?」
慌てて駆け寄るセルゲイだが、彼は突然顔を赤くしてニナから顔を背けた。
「ニナ…その…」
「……………?」
セルゲイの指差す先を見た彼女もまた顔を真っ赤にした。
ここで今の彼女の状態を大雑把に説明すると足を開いた状態で尻もちをついてますーー以上。
ついでに言うと、管理局の制服のスカートはミニスカートである。
緊急時、動きやすいという長所があるのだが、ここでは短所が発揮された。
早い話がニナの下着が丸見えという状態になっているのだ。
「ふむ、白」
そう呟くスバルがティアナに殴られた。
「い…いやあああああ!!」
それがきっかけという訳でもないのだろうが、ニナは悲鳴をあげたのだった。

「いやな予感がする…」
久我なつきはポツリと呟いた。
「あたっとるかもしれませんで」
彼女の補佐役のシズル・ヴィオーラは紅茶を淹れながらやんわりとした口調で答えた。
二人が今いるのは八神はやてが新設した新部隊、機動六課の部隊長室だった。
「それで、お二人はまだ活動前の部隊に一体何の御用なんですか?」
この部屋の主、八神はやては二人に問い掛けた。
「我々がテロリスト、シュバルツを追っているのは知っているな?」
「はい」
ーーシュバルツ。
時空世界においてもっとも有名なテロ組織である。
そして、その知名度に反して構成員や組織の首領の名などがほとんど知れ渡っていない組織でもある。
犯行手口は大抵”スレイブ”と呼ばれる謎の機械とも生物ともつかない兵器を操って建物や要人を襲う。
「連中は犯行声明も滅多に出さない。まるで破壊を目的としている様としか思えない…」
なつきの言葉に頷くシズル。
「しかもスレイブは神出鬼没。迎撃も出現してからしか行動できへん」
「それは知っています。たからシュバルツに対して管理局は後手に回るしかない。でも、それで何でうちの部隊に?」
「その様子だと知らない様だな」
なつきはそう言うと、シズルがはやてに何枚もの紙を渡した。
いくつものシュバルツが関わった事件の資料の様だ。
「ーーこれは!?」
資料を見て驚くはやて。
「この機動六課は確か、レリックの回収を専門とするんだろう?ならいずれ連中とはぶつかるだろうな」
資料の内容は発見されたレリックをシュバルツが襲い、奪取していったというものだった。
「今問題となっている”レリックを回収する機械兵器”ーー通称ガジェットドローンも、案外シュバルツの新兵器かもしれんな」
なつきの言葉にはやてはう~んと唸った。
「これは…案外でかい事件になりそうやな…」

「ばっちゃ!!」
少女ーーユメミヤ・アリカはガバッと起き上った。
「おろ?」
周りを確認するアリカ。
どうやら公園のベンチの上で寝かされていたらしい。
「あれ?」
アリカは自分の額に濡れたハンカチが被さっていた事に気づいた。
「あう?」
疑問に思っていると、後ろから声が聞こえてきた。
「気にするな、ニーナ。あれは不幸な事故だ」
「そうです!不幸な事故です!お父様」
ヤレヤレといった感じのセルゲイのフォローに便乗するニナ。
彼女にとっては先程の出来事はなかった事にしたい黒歴史となっていた。
「あの~」
その黒歴史の元凶が話し掛けたきた。
アリカをキッと睨むニナ。
元々愛想の良いとは言えない上に、あんな辱めを受けたのだ。
ニコニコと対応など出来る筈もない。
「これ、ありがとう」
差し出されたハンカチをひったくる様に受け取るニナ。
セルゲイに言われてやった事なので、礼を言われる筋合いはニナにはない。
それどころか、文句ーーいや、一発殴りたい位だった。
「あたし、アリカ。ユメミヤ・アリカって言います。さっきは飲み物ありがとう。ニーナちゃん」
ピキッと音がしたが、アリカは気付かなかった。
気づいたのは音源の隣りに立つセルゲイだけだった。
ニナは飲み物をあげた覚えはない。
奪われ、下着を大衆に見せられた覚えならあったが…。
「ニナよ」
音源…、いや。ニナはアリカの言葉の最後の部分だけに対して返事をした。
「ニナ・ウォン。ニーナと呼んでいいのは、お父様だけよ」
「………」
アリカは一瞬キョトンとしたが、すぐにセルゲイに向き直り、
「何でですか?」
と聞いた。
「知らん」
セルゲイは肩をすくめて答えた。
「あう?」
首を傾げるアリカ。
と、ニナはセルゲイがアリカの顔を見て考え込んでいる事に気づいた。
「…お父様?」
「間違いない…」
真剣な表情でそう言うセルゲイ。
「え、なんですか?」
疑問に思うアリカにセルゲイは言った。
「君の顔、どこかで見た事あると思ったら思い出した!アリンコだ!」
「へ?」
そう言われてみると、アリカの顔がカシャカシャと顎と触覚を動かす蟻の頭に見えなくもない。
「………!!アリンコ言うな~!!」
「はっはっはっはっ」
怒るアリカだが、セルゲイは笑っていた。
「少佐~!」
と、眼鏡を掛けた青年が走ってきた。
「お、悪いなニーナ。時間だ」
「はい。お父様」
「君も、機会があったらまた会おう。アリンコ君」
「アリンコ言うな~~~~!!!!」
「はっはっはっはっ、じゃあな。ニーナ」
「アリンコ嫌いだ~!アリンコ言う奴も嫌いだ~~!!」
立ち去るセルゲイの背中に向かってアリカは叫んだ。
「あら、お似合いよ。アリンコアリカ」
と、その横を冷たい声が通った。
ニナだった。
「あ、待ってよ~!」
父と同じく立ち去るニナをアリカは慌てて追い掛けた。

第一管理世界ミッドチルダ首都、クラナガン。
大都市であるこの町にはたくさんの高層ビルが立ち並ぶ。
そして、町が大きければ、その影も大きくなる。
薄暗い裏路地をみすぼらしい身なりの女の子が走っていた。
髪は短く、帽子もかぶっているので一瞬男の子かと思ってしまうが、一応女の子である。
その女の子が何故走っているかというと、追われているからだ。
「待って!」
追っているのはマントとフードで姿を隠した男。
土地勘は女の子の方にあったが、いかんせん相手の足が速かった。
そして女の子は水路のそばで追いつめられる。
「さあ、そのケースを渡すんだ」
男は女の子の抱えるケースに手を伸ばした。
このケースは先程、女の子が自動車事故付近で、中々良い造りをしているから金目の物が入っていると思って拾ってきたの物だった。
その事故を起こした車は密輸用のトラックだと一目でわかったので、盗んでも良いと女の子は思ったのだった。
「そんなに欲しけりゃくれてやる!」
女の子はそう叫ぶと、ケースを水路に放り込んだ。
「ーーな!」
驚く男の隙をついて走る女の子。
男は一瞬女の子を追おうと思ったが、意味のないと思い、ケースの放り投げられた水路に駆け寄った。
ケースは水路をゆっくりと流れて行っていた。

「ーー何でついてくるの!?」
ニナは後ろをついてくるアリカにイライラを隠しもせず言った。
「え?だって、受けた恩は必ず返せってばっちゃが言ってたの。だからニナちゃんに助けてもらったから、恩返し!」
嬉しそうに言うアリカ。
だが、ニナの反応は冷たかった。
「なら、ついてこないで。邪魔、目触り、鬱陶しい」
冷たい言葉を言うニナ。
が、アリカも引く気はなかった。
「そんな事言わないでよ~」
そう言ってついてくる。
(なんなのよ、本当にもう!)
まとわりついてくる野良猫みたいなアリカにニナの機嫌はドンドン悪くなる。
「ねえねえ、ニナちゃん!あれなに!?」
そんなニナの気も知らず、アリカは話し掛けてきた。
「ーー何よ!」
振り向き、彼女の指差す方を見たニナは絶句した。
「おっきな人がいるよ!」
アリカが指差しているのはビルについている大型のテレビだった。
「テレビよ。映像を映す機械」
「確かに奇怪だね」
「………」
ニナは今のは冗談だったのか、本気だったのか判断に苦しんだ。
「何か変ね」
ニナはアリカに対してそう感じた。
何かが自分と決定的に違うと。
「でも、”あれがテレビ”か~。あ!あのたくさん走っているのって”もしかして車?”あたし”初めて見た~”」
「ちょ…ちょっと待ちなさいよ!!」
ニナはアリカに向かって、
「”あれがテレビ”とか、”車を初めて見た”とか、あなた一体どこに住んでんのよ!!?」
と言った。
今時テレビや車は管理世界に普及している。
それを見た事のない人間など管理世界にいるはずがない。
この二つは管理外世界にだって普及したいる。
「え?今はどこにも住んでいないよ。ここの町まで旅してきたもの」
アリカはさらっとそう言った。
「じゃあ、その前はどこに住んでいたのよ?」
「ガレリア」
「ガレリア?どこの田舎よ?」
ニナの知らない地名だった。
「まあ、いいわ。そんなど田舎からこのクラナガンに何しに来たのよ?」
「うん。あたし、お母さんを捜しに来たんだ!」
ニナに自分の事を聞かれたのが嬉しいのだろう。
アリカの言葉は嬉しそうだった。
「この町にいるって聞いて」
「呆れた」
アリカの言葉をニナはばっさりと切った。
「この町がどれだけ広いかわかっているの?」
先も述べたが、クラナガンは大都市である。
そこで人一人捜すのがどれだけ無謀な事か、言うまでもないだろう。
「む、出来ないって思ったら、本当に出来ないってばっちゃも言ってたよ」
「じゃあ、がんばんなさい」
ニナはそう言うと歩きだした。
「うん。ありがと」
お礼を言うアリカだが、今のはさよならの意味で言ったので、決して励ました訳ではない。
それからアリカはニナの後ろをついて歩きながら話し掛けた。
ニナはとっても迷惑そうだが、面倒そうながらもちゃんと返事したりしている。
と、二人の足が水路に架かる橋の上にさしかかった時だった。
「あれ?川になんか落ちてる」
と、アリカはそう言って橋から跳び下りた。
「ーーちょっと!?」
慌てるニナ。
この橋の高さは高くはないが、人が無事に着地出来るほど低くもない。
が、アリカは難なく着地すると、何かを拾いあげた。
「嘘でしょ?」
並外れたアリカの身体能力に驚くニナ。
「よっこいしょ」
と、橋の上によじ登るって帰ってきたアリカは拾った物をニナに見せた。
「この箱、なんだろうね?結構しっかりしてるけど。落し物かな?」
それは一抱えあるケースだった。
「ふむ」
ニナは中身が気になり、開けてみようとしたが、ケースには鍵が掛かっていた。
「開かないね」
アリカの言葉をニナは無視してケースの鍵を調べた。
「これなら開けれるわね」
ニナはそう言うと懐から針金を取り出し、少しいじって鍵穴に差し込んだ。
ーーかちゃ。
ケースは軽い音をたてて開いた。
「わあ!凄いやニナちゃん!」
感心するアリカ。
ケースの中には赤い結晶が入っていた。
「わあ、綺麗」
手にとってマジマジ見るアリカ。
その横でニナは首を傾げた。
(…これ、どこかで見た事ある様な……)
思い出そうとするが、思い出せない。
「落とした人、きっと探してるよね。こんなに綺麗なんだもん。落し物は交番にって、ばっちゃも言ってた」
アリカはそう言うと、結晶をケースに戻した。
しかし、時空世界に交番はないと思うが…。
「えー!嘘!?」
こら、こっちに話し掛けない。
「ニナちゃん、落し物ってどこに届けたらいいの?……ニナちゃん?」
反応がない。
「ニナちゃ~ん」
目の前で手を振ってみると、ニナはようやく反応した。
「なによ?」
「だから、これどこに届けたらいいの?」
「そんなもの…保安部にでも渡せばいいんじゃない?」
アリカの言葉をニナは適当に答える。
「ほあんぶ?」
「管理局の部署の一つよ。町の治安を守る部署」
「かんりきょく?」
「あなた…管理局も知らない訳!?」
驚くニナ。
(本当にどんな田舎から来たのよ!?)
「管理局っていうのは、各時空世界の文化管理とか災害救助、あと犯罪やロストロギアを取り締まるなんて…事も……」
「ーー?」
説明中に言葉が段々弱くなるニナにアリカは首を傾げるが、彼女はそれどころではなかった。
「思い出した!あの結晶、確かレリック!!」
以前、上司であるなつきとシズルが話し合っていた資料の中にさっきと同じ物があった。
その資料によると、そのロストロギアの名はレリック。
第一級捜索指定ロストロギアに指定されている高純度のエネルギー結晶体で、外部から強い魔力を受けると広範囲を巻き込む大爆発を起こす可能性がある。
(なんだってこんなものがこのクラナガンにあるのよ!)
何度も述べたがクラナガンは大都市である。
もし万が一ここで爆発すればかなりの被害がでる。
(いえ、むしろ地上本部があるこの町で見つかった事を幸運に思うべきね)
「ニーナちゃん」
「ニーナ言わないで。それ、わたしが持ってってあげる」
「え、本当?」
「ええ」
レリックの入ったケースを持つと、ニナは歩き出した。
「じゃあ、今度こそさよなら。これからわたしが行く所はあなたじゃ入れないから」
「えー!何で!?」
叫ぶアリカだが、ニナは完全に無視した。
(局員でもないあなたが、局内に入れる訳ないでしょ)
さっさと歩くニナを見つめる一人の男がいた。
先程女の子を追って…否、今はニナが持つケースを追っていた男だった。
「ちっ。まさか局員に拾われるとわな」
悪態を吐くと、男は黒い封筒を取り出し、中から黒紫の結晶のペンダントを出した。
そしてペンダントの尖った部分で自分の指に傷をつける。
すると、傷口から出た血に反応して、ペンダントは光を放った。
「黒き誓いにしたがいし、全ての知識と知恵の神よ。我が前に忠実なる下部を与えん!」

局の施設を目指していたニナは、ぴたりと足を止めた。
「だからついてこないで!!」
「え~」
「え~、じゃないわよ!」
「お~」
「あなたね…」
アリカはまだニナの後をついてきていた。
ーードオオオオオオン。
「「なに!?」」
爆発に似た大きな音が突然したかと思うと建物を破壊して、機械とも生物とも、恐竜とも人間ともつかない巨大な”何か”が現れた。
「うわあああ!」
「きゃあああ!」
悲鳴をあげて逃げ惑う人々。
「な…なにあれ!?」
アリカの叫びに答えた訳ではないが、ニナはその名を叫んだ。
「スレイブ!?」
ーーギロ。
六つの瞳がニナを睨む。
(このケースを狙っている!?)
『ガアアアアアアアアア』
スレイブは吠えると、腹部のビーム砲を開いた。
咄嗟にアリカを抱えて避けるニナ。
その後ろをビームが通り過ぎた。
ズドオオオオオン。
(何を考えているのよ!?あんなもの、命中したらレリックが暴発するでしょう!)
『グオオオオオオオオオオオオオン』
だが、スレイブはお構いなしの様だった。
「ここで戦うのは危険だわ。あなた、走れる?」
「うん!」
「ならこれ持って逃げなさい」
ニナはアリカにレリックケースを渡した。
「これを局員に渡しなさい。落とすんじゃないわよ」
「ニナちゃんはどうするの!?」
「わたしは…」
ニナはスレイブを見た。
「あれを倒すわ!」
「ええええええ!!!!!?」
(これを倒せば、お父様は…)
「無理だよ!あんなにおっきいんだよ!!」
「任せなさい」
ニナはそう言うと、黒い宝石のペンダントを取り出した。
「ダイアナ、セットアップ!!」
ニナの身体を光が包み、服が局の制服から中国風のバリアジャケットに変わった。
「ええーーー!!??」
アリカは後ろに束ねている二本のおさげがV字の形になるくらい驚いた。

「いや、だからな…事件が起こった時に協力をだな」
「新設の部隊なんで忙しいんです」
なにやら交渉中のはやてとなつき。
「お前、先輩の頼み事が聞けんのか!」
「いや、局に入ったんわ同じ位のはずですけど?」
「人生の先輩だ」
「それならシズル御姉様で間に合ってます」
「いや…それダメだろ」
なつきの後ろでシズルがどこかと連絡を取っていた。
「なつき、はやてはん。町にスレイブが出現したそうでっせ」
「「え?」」
「局員が一人応戦中、うちらに出撃要請が来ました」
「そうか。シュバルツめ、ついに出たか。よし、行くぞ。シズル!」
「了解です」
「あたしも行きます!」

「ぐあ!」
「ニナちゃん!」
スレイブに殴り飛ばされるニナ。
「あ…なた…まだ…居たの?」
「ニナちゃんを置いて行けない!」
ニナを担ごうとするアリカ。
「馬鹿!あれはあなたの持っているそのケースの中身を狙っているのよ!」
「でも…」
と、その時。
ちゅどどどどどどどどどどん。
スレイブに向かって無数の魔力弾が降り注いだ。
「そこまでだ!シュバルツよ!こブレグ隊の前にひれ伏すがいい!!」
一人の中年の男が高らかとスレイブに向かって宣言した。
その後ろには二十人近い陸戦魔導師が陣形を組んでいた。
「撃て!」
ブレグの命で一斉に魔力弾を撃つ陸士隊。
ずどどどどどどどどどど。
休む間もなく撃ち込まれる魔力弾にスレイブの姿は爆煙に包まれた。
「はっははははははは!!どうだ!見たか!我がブレグ隊の力を!!エースオブエースがなんぼのもんじゃい!!」
デバイスを高々と掲げ、馬鹿笑いするブレグにニナは呆れた様子で話し掛けた。
「あの…ブレグ大尉」
ーーガシャン。
「なんだあ!ウォン少佐の娘ではないか!!礼なぞ要らんぞおおおお!!弱きを助けるのも管理局の仕事おおおおおお!!」
ーーガシャン。
妙にハイテンションなブレグの言葉に構わずにニナは言葉を続けた。
「スレイブはボディの表面に特殊な防御膜を張っている事がこれまでのデータからわかっていますので」
ーーガシャン。
「うむ!!」
ーーガシャン。
「あの程度の攻撃…いくら当っても大して効いていないと思います」
ーーガシャン。
「へ?」
間抜けな声を出すブレグ。
「スレイブを破壊するなら、一撃必殺の威力で攻撃したないと破壊できませんよ」
ニナの言葉を肯定するかの様に、彼の目の前には無傷なスレイブが立っていた。
「ぜ…全員退避!!」
ブレグが悲鳴にも似た叫びをあげると同時に、スレイブは彼に向って腕を振り下ろした。
ドーン。
「ああああああれええええええええ!!!!」
「「「「「ブレグたいいいいいいいいいいい!!!!!!」」」」」
幸いに狙いが外れ、衝撃で吹っ飛んでいくだけですんだブレグ。
その姿に部下一同叫んだ。
「何しに来たのよ…」
ぽつりと呟くニナ。
全くである。
「「「「「おのれええええええええええ!!!!よくもブレグ大尉をおおおおおおおおお!!!!!」」」」」
ブレグ隊一同は上官がやられた事に怒り、再び一斉攻撃を開始したが、先程効かなかった攻撃が効くはずもない。
が、効かないからといって効果がない訳ではない様だ。
事実、スレイブはかなり鬱陶しいそうにしている。
「効きはしないけど、足止めにはなるって事ね。あなた、ついてきて!」
ニナはアリカに向ってそう言うと…と、アリカはブレグが落としたデバイスを拾っていた。
「馬鹿!あなたにそれが使えるはず…」
「こおんのおおおおお!!」
「って、投げた!!」
なんと、杖型のデバイスをアリカはスレイブに向って投げた。
哀れ、ブレグのストレージデバイスは真っ直ぐ飛び、スレイブの頭に…
ーーガン。
刺さった。
「嘘!」
目を見張るニナ。
何十という魔力シューターでも外傷をつける事の出来ないスレイブに、ただの少女がなげたデバイスが(しかも杖)刺さったのだ。
確かに驚く。
『…………グアアアアアアアアアアアアアアア!!!!』
「ああ!なんか余計怒らせちゃったみたい!!」
「馬鹿!こっち来なさい!!」
ニナはアリカを引っ張ると建物の間の路地に走った。
向いの道に出ると、ニナは一息吐いた。
「ここなら…」
建物が邪魔ですぐにはこられない。と言おうとした時だった。
ズウウウン。
背中と尻尾の先についたブースターでビルを飛び越えたスレイブがニナの前に降り立った。
「な!」
ニナが驚くと同時に腹部のビーム砲を放つスレイブ。
「シールド…」
(ーー駄目!間に合わない!!)
ニナがそう思った時だった。
青い光が二人を包んだ。
「なに!」
「え!」
光はスレイブのビームを弾き、二人を守った。
「このペンダントが…守ってくれた?」
アリカは自分の胸元から出てきたペンダントを見つめた。
「あれは…ジェムデバイス!!なんであの子が!?」
アリカのペンダントを見て驚くニナ。
ペンダントの力はすぐに消えてしまう。
「え!?ちょっとちょっと!!」
そこへスレイブが次撃を放とうとするが、その時スレイブの周辺に血塗られた刃ーーブラッディダガーが出現、スレイブに向かって突き刺さった。
ズドドドドドドドドド。
「「え?」」
「ようがんばったな」
驚く二人に声が掛かった。
バリアジャケットをまとったはやてが二人の前に降り立つ。
「あなたは!?」
「もう大丈夫やで。なんてたって、管理局で五本の指に数えられるお人が相手するんやで」
はやてはそう言うと、スレイブに…いや、そちらに向かってゆっくり歩くシズルに視線を送った。
「さて、お片付けの時間どす」
『グオオオオオオオオオオ!!!!』
スレイブは吠えるが、その瞬間シズルの持つ両剣型のデバイスを振り上げたと思った瞬間、剣が連結刃となり鞭の様にシズルの周囲を舞った。
気がつくと、シズルはスレイブの後ろに立っていた。
『グアアアアア!!』
振り向くスレイブ。
「おでこに、何かついてますえ」
シズルは振り向いてスレイブに自分の額をとんとんと叩きながらブレグのデバイスが刺さっている事を視差した。
『ーー?』
スレイブがその事を確認しようとした時、その頭がとれた。
続いて腕、更に腹部のビーム砲が三つに輪切りされた。
そしてスレイブの身体は爆発し、光の粒子と化して消滅した。
「凄い…」
呆然と呟くニナ。

時を同じくして、マントの男が光の粒子となって消えた。

「カッコイイです!!」
降り立つシズルにアリカは感動した様子で駆け寄った。
「おおきに…」
お礼を言い掛けたシズルはアリカの首に掛かるペンダントを見て驚いた。
(ーー蒼天の青玉!!)
後ろにいるはやての方を見るシズル。
はやても同じく驚いていた。
と、そこに、
「ニナ!」
セルゲイが駆け寄ってきた。
その後になつきも歩いてくる。
「お父様!どうしてここに?」
「お前がスレイブの攻撃に巻き込まれたって聞いて…」
と、そこでセルゲイはアリカの存在に気づく。
「ほほう。君もいたのかい?アリンコ…ーー!!?」
からかおうと思った時、彼もまた彼女の首のペンダントに気づいた。
(蒼天の青玉!?)
「彼女はこちらで預からせてもらう。構わないかな?ウォン少佐殿?」
後ろからのなつきの言葉にセルゲイは少しムッとした表情をしたが、
「しかたありませんね。シュバルツはあなたの管轄ですから」
と言って身を引いた。
セルゲイが下がったのを確認すると、なつきはアリカに向かって、
「取り合えず、君には事情を少し聞きたい。そのケースをあっちの人に渡して、ニナ・ウォン二等陸士と一緒に来てくれ」
と言って次にニナの方に、
「そういう訳だ。ニナ・ウォン二等陸士。しばらく彼女の面倒を頼む」
と言った。
「はっ!」
ニナは敬礼をしてそう言い、
「は?」
すぐに間抜けな顔をした。
「えええええええ!!!!」
「しばらく一緒だね。ニナちゃん」
「ええええええええ!!!!」
嬉しそうなアリカに対して、ニナは非常に嫌そうな声を出した。

次回予告
舞衣「始まったわね」
なのは「始まりましたね」
舞衣「なんであたし達の出番がない訳!!」
なのは「落ち着いてください!きっと次回ありますよ!!」
フェイト「なのははともかく…舞衣はないんじゃないかな?」
舞衣「うがあああああああああああ!!!!」
なのは「あああああああ!!フェイトちゃん!余計な事を!!」
フェイト「あ。次回、起動六課です」
舞衣「カグツチいいいいいいいいいいいい!!!」
なのは「逃げよう、フェイトちゃん。光の速さで」
フェイト「手に負えなくなったんだ…」

HIME組の設定と変更点

ユメミヤ・アリカ(姓と名が逆でも可)
 ガレリアというド田舎からやってきた少女。
 運動神経がよいが頭脳面が弱い。
 母を求めて三千里でクラナガンにやってきた。
 元との相違点は泳ぎがうまい事。

ニナ・ウォン
 72陸士隊所属する少女。
 使用魔法の術式はベルカ式。
 元ネタとの相違は魔導師である事を除けばあまり変更されていない。
 階級は二等陸士。
 魔導師ランクは陸戦B
 出身は第2管理世界北部アルタイとなっているが、実は本当かどうかは不明。
 使用デバイスはジェムデバイス・ダイアナ。
 バリアジャケットのデザインは漆黒の金剛石のローブ。
 なお、この姿はファイティングフォームといい。
 他にもシスターフォーム(ジャケットデザインは海神の翠玉)
 アサルトフォーム(ジャケットデザインは黒焔の金緑石)などがある。
 格フォームは格レンジに対応している。
 ちなみに、彼女の使用する魔法は何故かはやてが使用するものと同じものが多い。

久我なつき
 階級は二等空佐。
 対スレイブ部隊72陸士隊の指令を勤める。
 ランクは総合SS。
 魔法術式はミッド式。
 使用デバイスは銃型インテリジェントデバイスのデュラン。
 出身地は弟97管理外世界地球の極東地区日本・海鳴市。
 はやてとは闇の書事件の際に出会い、それ以降親しい間柄となっている。
 戦闘スタイルは砲撃による攻撃と格闘戦を得意とする。
 ここ最近は部隊を指揮に忙しく、戦闘はもっぱら補佐役のシズルに任せっぱなし。

シズル・ヴィオーラ
 階級は一等陸尉。
 ランクは空戦Sとなっているが、実際はもっとあるというのが周囲の見解。
 出身はミッドチルダ・クラナガン。
 使用術式は近代ベルカ。
 使用デバイスはアームドデバイスの清姫。
 局員から管理局の邪神として恐れられ、犯罪者からは管理局の死神と恐れられている。
 いろんな意味で最強なお人で、敵は大抵シズルを見た瞬間には倒されている。
 九歳の時とはいえ、あの高町なのはを一瞬で倒したという偉業を成し遂げた事もある。
 はやてが御姉様としたっている訳は彼女がはやてにセクハラ技術を教えたから。
 その為、ヴォルケンリッターからその強さも相まって嫌われている。
 闇の書事件の際に知り合ったなつきに恋心を抱いており、それ以降彼女を支える。
 なぜミッドチルダ出身の彼女が京都弁を話すのかは謎。

セルゲイ・ウォン
 ニナの養父。
 階級は少佐。
 第2管理世界の北側、アルタイ出身。
 レジアス・ゲイズ直属調査機関責任者ナギ・ホムラの側近。
 彼自身は魔導師ではなく、使用武器は許可とってある実弾銃。
 ナギの命令で様々な場所を調査している。
 元ネタ通りナンパ気質がある。
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