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生命の救済者 第2話

長かった…実に長かった。
生命の救済者ーまどか編 第2話完成!!
九尾『長かったコンね~』
とりあえず、年内に完成してよかったです。
九尾『もうなんか言う気もうせるコン』
では、続きからどうぞ。



「へえ、珍しいね。アンタがここにいるなんてさあ、ひゃひゃひゃ」
巨大な門のようなものに通じる通路で、一人の少女が黒ずくめの人物に声を掛けた。
”黒ずくめ”といっても、黒い服を着込んでいるというレベルではない。
全身をすっぽりとローブで覆っており、顔もフードで見えないが覆面で隠している。
その全て、闇のような漆黒の色をしているのだ。
そんな全身闇色の人物は、明らかに相手を馬鹿にしているような口調で話し掛けてきた少女に怒る素振りも見せずに、
『”任務”だ』
と闇の奥から響く声で答えた。
「ふ~ん、珍しいね。”あいつ”じゃなくてアンタに頼むってさ」
そう言って、もっていた袋に入っていたスナック菓子をバリバリとほうばる少女。
『別件で動いているらしい。そういう貴様は何故ここにいる?まさかまた”ばらまき”にいくのではあるまいな?』
「いんや、それはまだ十分な数がそろってないもんでね。ひゃひゃひゃ」
だぶだぶの袖で隠れた手で口元を押さえて笑う少女だが、黒ずくめが無言なのですぐにつまらなそうに笑いを引っ込める。
「お菓子だよ。新しいお菓子が売られるから試しに買うのさ」
『きさまは…』
少女の言葉に呆れたらしい。
「ひゃひゃひゃ。じゃあね」
自分の腕より長い袖をぺちぺちとあてながら笑うと、少女はそう言って門に向かって歩く。
そんな彼女の後ろ姿を眺めていた黒ずくめは、
『はあ…』
とため息をついた。

 魔法少女まどか☆マギカ - 生命の救済者

  第2話 僕と契約して、魔法少女になってほしいんだ

「大丈夫かな?九尾…」
トラックに跳ね飛ばされた九尾を心配するまどか。
「大丈夫だと思うよ。根拠はないけどそんな気がする…」
まどかの肩に手をポンと置くユウ。
「ニャー」
と、そんな彼にエイミーが擦り寄る。
「くす、なんだか懐かれちゃっているね」
「………」
クスリと笑うまどかの顔とエイミーをユウは苦虫を噛み潰したような顔で交互に見る。
その様子を少し離れた場所で見ているさやかとリョウ。
「ねえねえ、あの二人…なんかいい雰囲気じゃない?」
「ああ、全くだ。チキショー、悔しくない、悔しくないぞーー!!」
「からかわないでよ~!」
二人の言葉に顔を赤くするまどか。
「まあ、それは明後日の方に置いといて」
「つまり明後日になったら蒸し返すんだな?」
「イエス、オフコース」
「うわ、ムカつく!」
サムズアップするリョウの言葉に頭を抱えるユウ。
「真面目な話、この猫どうするよ?マイブラザーに結構なついているが」
「ニャー」
そう言ってエイミーを指差すリョウ。
「まどかにもだけどね」
さやかも続く。
「うん、エイミーは野良猫なんだ。だからまた車にひかれるかも…」
そう言いながらエイミー抱き上げるまどか。
「にゃあ」
その腕の中のは居心地がよさそうに鳴いた。
「じゃあ、マイブラザー。うちで飼わねえか?」
「はあ!お前なに言っちゃてんの!?」
リョウの突然の発言に驚くユウ。
「いや、またひかれても困るし」
「だったら鹿目の家でもいいだろ!」
ビシッとまどかを指差すが、
「あ、うちじゃ飼えない…」
とシュンとまどかが言うので気まずくなり、沈黙する。
確かに、飼えるならとっくに飼っている。
「うちも無理だな~」
と、さやか。
「よし、決定!」
「くそ!」
「まあ、いいじゃないか。好きなんだろ?猫」
「…」
ふと二人の会話を聞いていたまどかはある疑問を思う。
「響君の家はダメなの?」
「いや、俺はこいつの家に住み着いているから」
とユウを指差すリョウ。
「え、なんで?」
「ふっ、俺には色々と事情があるのさ☆」
ふざけた様子でそう言うリョウ。
「………」
「……まあ、確かに色々事情はあるだろうからねえ」
「サンクス」
さやかの言葉に礼を言うリョウ。
どうやら言いたくなかったらしい。
「さて、そうと決まれば俺達はこの辺でおさらばしようじゃないか!この猫のもの色々買う必要性が出来たからな!!」
そう言うと、リョウはユウを掴んで走っていった。
「鹿目…またあしーーおまえ、首!首しまって……」
「また明日~!」
物凄い勢いで走り去るリョウに引きずられるユウに手を振るまどか。
「相変わらず騒がしいやつ…」
その後ろで、さやかがリョウの行動にため息をついた。
「でも賑やかで楽しそうだよね」
「……まあね」
苦笑するさやか。
「ところで、これからどうする?」
「あ、CD買いによってもいい?」
「また上条君?」
「たはは…まあね」

暗く狭い通路を、一匹の小動物が必死に走っていた。
『はあ、はあ、助けて…助けて欲しいコン!』
って、おまえかああああああああああああああ!!
ここはキュゥべえだろうがああああああああああ!!
『コーン!地の文にツッコまれるいわれはないコンよ!いま必死で黒いのから逃げてるコンから!コン!!』
飛んでくる攻撃を必死でかわす九尾。
『ひらりとかわすコン。これが本当のひらりマント~ってマントないコンよ!!』
意味不明なことを言って勝手に怒る九尾。
なにやっているんだろうね、こいつは。

「情けないぞマイブラザー。たかが首がしまった状態で十数キロ引っ張られたぐらいでへばるとは」
「………普通に死ぬぞ…それ……」
ベンチで寝込んだ状態で恨めしそうにリョウに言うユウ。
ちなみにその腹部にはエイミーが丸くなっているので、どこか微笑ましい。
「なんか飲むか?」
「いや、いい」
ユウはそう答えると、ぐで~とした状態になって目を閉じた。

CDショップ内で一旦さやかの別れるまどか。
サンプル音楽を聞くまどか。
機嫌よく聞いていたが。

ーー助けて!

ところで、突然助けを求める声が聞こえた。
「ん?なんか言ったか?」
エイミーが落ちないように抱き上げながら起き上がるユウ。
「あ?いや、なにも」
怪訝そうに答えるリョウ。
どうやら彼には聞こえなかったようだ。

「ーー?」
突然聞こえた声にヘッドホンを外して首を傾げるまどか。
ーー助けて!
「ーー!」
今度は確かに聞こえた。
周囲を見回すが、声の主は見当たらない。
声に導かれるようにまどかは店を出ていった。
「……まどか?」
その姿を見咎めたさやかは眉をひそめた。

「おーい、マイブラザー。こんなところに入って大丈夫か~」
「ニャー」
頭にエイミーを乗せながら問うリョウ。
「いや、わからないけど…だけど…確かに声はこっちから聞こえた」
「ふ~ん。しかし頭の中に助けを求める声が聞こえたって、電波キャラは俺と被るからやめて欲しいぞ」
うるさいなあ。と思いながら進むユウ。
と、
『コンドルウェーイ!!』
「うわあ!?」
突然九尾がユウの顔面に張り付いた。
「おー、九尾じゃねえかお前無事だったんだなあ。鹿目のやつが心配していたから後で連絡した方がいいぞ」
「ニャー」
そう言いながら九尾を引き剥がすリョウ。
「はー、はー、おまえなんでそんなに冷静なんだよ……」
「いやあ、だってキュゥべえは鹿目のところだろうからこっちに出てくるのはこいつしか考えられないじゃないかと静かに言ってみるテスト」
ジト眼で問うユウにメタ発言も含んだ訳のわからん説明をするリョウ。
『って、そんな落ち着いて会話している場合じゃないコンよ!!』
と、リョウに首根っこを掴まれた九尾が慌てた声をあげる。
「じゃあ、どんな場合だ?」
『どんな場合って…』
と、薄い青色を基本カラーとしたカプセル型の物体が突然九尾が飛んできた曲がり角から現れた。
『逃げる場合コンよ』
「「はよゆえ!!」」
慌てて走る二人。
カプセル機械はしばらく二人を観察するように浮遊いていたが、コードのようなものを伸ばして二人…というよりリョウが掴んでいる九尾に襲い掛かった。
「「ギャオーース!!」」
悲鳴あげて走る速度をあげる二人。
「と、マイブラザー。こんな時になんだが、さっきの悲鳴なくね?」
「本当にこんな時だが同意する!俺らは大映怪獣かっての!」
『そのネタ前にもやったコンよ!』
「それは言わない約束だろ!おとっつぁん!」
「なに言ってんだ!?」
「なにを!?マイブラザーはこの王道なボケを知らないと言うのか!!」
『その通りコンよ!病気のおとっつぁんにお粥を持ってくる娘!』
「そんな娘におとっつぁんは言うんだ!いつもすまんねと謝るんだ!!……一体どれだけの人がこのギャグを理解してくれるのだろうか…」
『……それこそ言わない約束コンよ』
逃げながらもアホな会話を繰り広げる三人。
「って、なんで自分も含まれているのさ!?」
「マイブラザーよ、いまは地の文よりもこいつに状況を説明してもらうのが重要だと思うのだが?」
「それもそうか。っで、あれは一体なんだんだよ!?なんで俺達を追っかけて来るんだよ」
『あれはジェイル・スカリエッティが造った高エネルギー結晶型ロストロギア・レリックを回収するために造った半自立型機械、通称ガジェットドローンのⅠ型コンよ』
「なんでそんなもんが襲ってくるんだよ!?」
『そんなもん知らんコンよ!!ただ、さっきまで撃ってきていたレーザーをアンタらの近くにいた途端撃たなくなったところを見ると一般人は狙わないようプログラムされているみたいね』
「なあ、ふと思ったんだけど。お前あいつらに投げたら俺ら助からねえ?」
『コン!なんてこと言うコン!!アンタは慈悲も情けもないコンか!?鬼畜コン!外道コン!呪うコンよ!!怨むコンよ~~!!』
リョウの言葉に必死に叫ぶ九尾。
その言葉に逆に見捨てたくなる二人だが、本当に呪われても困るので見捨てないことにすることにした。

「誰?……誰なの?」
誰もいない改装中のショッピングモールの中を進むまどか。
がしゃああん。
「きゃあ!」
鎖とともに天井の配線口から白い生き物が落ちてくる。
『はあ、はあ、はあ』
「あなたが呼んだの?……酷い怪我!どうしたの!?」
生き物を抱き上げるまどか。
(あれ?この子…どこかで……)
そう思ったまどかの背後から、誰かが近づいてきた。
その誰かはためらうように一時足をとめたが、
「そいつを渡して」
と言いながら近づいてきた。
「ほむらちゃん!?」
暗がりで顔はよく見えないが、それは確かに今日転校してきた暁美ほむらだった。
「まさか、ほむらちゃんがやったの!?ダメだよ、こんなこと!」
まどかには息も絶え絶えの白い生き物がつい先ほどの車にひかれてエイミーを彷彿とさせ、思わずぎゅっと守るように白い生き物を抱きしめる。
「卑怯者…」
ほむらは白い生き物の姿にぎりっと歯軋りすらさせてそう呟くと、
「あなたには関係のないことよ」
そう言ってまどかに近づく。
「渡してもらえないかしら?あなたを傷つけたくはないけど、どかないというのなら…」
否。近づこうとした。
「ーー?」
眉をひそめてまどかが来た道でも、自分が来た道でもないもう一つの道に目を向ける。
まどかは小首を傾げてほむらの視線を追った時、聞こえてきた。
叫び声と、足音が。
「「『どわあああああああ!!』」」
走ってきたユウとリョウはそのまま倒れてまどかとほむらの間までずざざああ、とスライディングをした。
(痛そうだなぁ)
そんなことを一瞬思うが、
「如月君!響君!それにエイミー!?」
すぐに声を掛ける。
『コンは!?』
「お~鹿目と転校生じゃないか。いや~まいったまいった。まいったと言わざる得ない状況に巻き込まれてと言うしかないじゃないか!!」
『なんでコンを殴るコンか!?』
言葉の最後に殴ってきたリョウに頭を押さえて抗議する九尾。
「響リョウ…あと……確か如月君?だったかしら…何故あなた達がここに…?エイミーまで…どうして?それに…」
突然の乱入者に呆然とした様子の暁美ほむら。
特に彼女が気になっているのはユウの頭の上にいる九尾のようである。
『コン?コンは九尾の妖弧で、九尾と呼んで欲しいコン。間違ってもQBなんて呼んじゃダメダメコンよダメコンよ』
「それ毎回言う気か?」
「九尾!ちょうどよかった、エイミーの時みたいにこの子の傷を治せる!?」
「なんですって!?」
まどかの言葉に驚くほむら。
だが、肝心の九尾はというと、
『えー、なんか気分乗らんコン』
そう言いながら耳をほじる。
「お願い!この子、酷い怪我なの!!」
「なあ、なんの話をしているんだ?」
まどかと九尾の会話に不思議そうにするリョウ。
『ん~…まあ、恩人のまどっちの頼みなら……』
「そうはさせないわ」
と、その後頭部にほむらが拳銃が突きつけた。
『ひえ~、命ばかりはお助けを~!』
「そいつを渡してもらえるかしら。でないと、撃つわよ」
手をあげる九尾を無視して、まどかにそう言うほむらだが、
「まどか、逃げるぞ」
そう言ってユウがまどかの手をとった。
「え?ちょっと…」
「九尾は!?」
「あ~、かまわんかまわん。それにその白いのを渡したからといって俺達を無事に帰してくれるとは限らないだろ?」
「安心して。あなたたちには用はないわ」
リョウの言葉に対してほむらは若干イラだった声をあげるが、
『コンはどうなってもいいというコンか!あんまりコンよ!!』
拳銃を突きつけていた九尾がわめき出す。
「うるせー、さっきだってお前のせいでさっき酷い目にあったんだぞ!!」
『知らんコンよ!文句なら襲ってきた方に言ってほしいコンよ!』
「だからって俺達目掛けて飛んでくるこたぁねえだろうが!」
『あーもう、あんたがそんな薄情だとは思わなかったコンよ!もう、あんな奴撃っちゃって欲しいコン』
「え?」
さあ、どうぞ。と言わんばかりにリョウを指す九尾に、
「え~と…」
どう対応したものかとほむらが悩んだ時だった。
ぶしゅーーー。
突然白い煙がほむらに吹き付けられた。
「ーーなっ!?」
「まどか、逃げるよ!」
そう言ってほむらに消火器を吹きつけたさやかがまどかの手をとって走り出す。
「まちな…」
『トゥース!!』
追いかけようとしたほむらだが消化剤にまぎれて銃口から逃げた九尾に向こう脛、通称弁慶の泣き所に一撃をくらう。
「ぐっ!」
ほむらが怯んだ隙に九尾は逃げだした。
…のだが、ほむらに向かってさやかが投げた消火器が直撃した。
『へぶし!?』
「なんなんだよあいつ!コスプレ通り魔!?不思議ちゃんってレベルじゃないぞ!!」
そんなことは知らないさやかは、走りながら叫ぶ。
「いや、コスプレ言うが魔法少女の中では一番普通の格好だと思うぞ?」
『メタ発言してんじゃないコンよ!』
と、リョウの背中に弾丸の様に飛んできた九尾が直撃する。
「ふぐう!」
『よくも見捨てようとしたコンね!呪うコンよ~怨むコンよ~』
よじよじとリョウの首まで移動する九尾。
「うるせー!さっきはてめえのせいで酷い目にあったんだからな!!」
かなりの衝撃を受けたはずなのに走る速度を落とすことなく後ろ首にいる九尾に文句を言うリョウ。
「ところでまどか、それなに?ぬいぐるみ?」
「わかんないけど…助けなきゃ!」
「……鹿目と美樹はなんの話をしているんだ?」
(ーーなんだ?)
まどかとさやかを不思議そうにたちと一緒に走るユウ。
彼はまどかが抱く白い生き物の姿に心がざわつく。
(こいつに関わってはいけない気がする…)
遠い記憶がそう囁く。だが、それよりも記憶よりももっと奥の方ではまったく違う感情が…
「響君にはこの子が見えない!?」
と、考えはまどかの言葉で途切れた。
「いや、全然」
「え?ちゃんとまどかの腕の中にいるじゃん」
「ーー?」
『本当に見えないコンか?この毬栗みたいな生き物』
「ちょっ!鹿目そんなの抱きしめているの!?」
「毬栗じゃないよ!大福みたいじゃん!」
九尾にツッこむさやか。
「猫みたいなのでいいだろ」
これはユウ。
『どうやら本当に見えていないみたいコンね』
「え?もしかして俺少数派!?」
「ニャー」
と、まあそんな感じで走っていると…
「あれ?なんか道がおかしくない?」
「え?きた道どこ?」
突然周囲の風景が一変した。
『これはまさか!?』
「え?九尾なにか知っているの!?」
『言ってみただけコン』
「こらーー!」
「おい…なにかいるぞ」
九尾をぐりぐりとするリョウにそう声をかけるユウ。
と、周囲から歌声のようなものが聞こえてくる。
「なに?なんなの?」
「なによこいつら…」
物陰からまどかたちを、綿のような頭に蝶のような足を持つ奇妙な生き物が歌いながら覗いている。
それも、一匹や二匹ではない。
「おい、どうした!?なにがいるんだ!!」
「アンタ…こいつらが見えないの!?」
さやかの言葉にリョウは、ん~?と言いながら周囲を見渡すと、
「全然」
と答えた。
「マジかよ…」
そんな彼に呆れたような顔で見るユウ。
「え?マイブラザーも鹿目も美樹も九尾もみんな見えてんの?」
「「うん」」
「ああ」
『YES』
「アイム少数派!?……俺がおかしいのか?」
「まあ、確かにお前は全人類の中でも特におかしいやつだよ」
首を捻るリョウに何気に酷い事を言うユウだが、
「サンクス」
と平然と返すリョウ。
「「いや、ほめてないから」」
そんな彼にユウとさやかが手をパタパタと振る。
『しょうがないコンねえ』
と、九尾がそう言ってリョウの足元まで移動したと思った瞬間、
『コンブレイク!』
ぴょんと飛び上がってリョウの後頭部に若干の私怨も込めた強烈な一撃を食らわした。
「どぶっはあ!!」
「「「なにやってんの~~!!?」」」
思わず叫ぶ残り三人。
周囲の生き物でさえ歌うのをやめて九尾たちを見ている。
『なにって、こいつが見えない言うから見えるようにしただけコン』
「そんな気絶させるような方法で見えるわけ…」
殴られたリョウはそう言って周りを見渡す。
「あったああああああああ!!」
『マジで!?』
「ちょっと待て。なんでお前が驚くんだよ?」
『いや、本当に出来るとは…』
ユウの言葉に頭をぽりぽりとかく九尾。
「このやろう…」
『そんなことよりこの状況をなんとかする方が先コンよ!』
そう言ってビシッと周囲を指差す九尾。
「なんとかって…なんとかできるのかよ?」
『コン』
ユウの言葉にうなずく九尾。
「まあ、やるならさっさとやってよね。本来ならマミさんが出てきてあっという間に終わっているシーンなのに、ここまで長々とやっているなんて他のSSにはないんじゃない?」
「美樹…頼むからメタ発言はやめてくれ。リョウが二人いるみたいだから」
額を押さえるユウ。
と、九尾は毛でもふもふした尻尾に手を突っ込むと、そこからラジカセを取り出した。
「うわ!なにあの懐かしいの!!」
CDではなくカセットで再生するタイプに驚くさやか。
「というか…どうやって入っていたの?あれ……」
だが真にツッコムべきところはまどかの疑問の方な気がする。
ユウがそう思っていると、
『ミュージック・スタート!』
再生ボタンを押した。
流れた曲は…
「「「髭ダンス!?」」」
曲にあわせて踊る九尾。
『『『『『………』』』』』
髭ダンスを踊る九尾を見つめる生き物たちは、
『へい、一緒に!』
と九尾に言われて、互いに顔を見合わせ、
「うわあ…」
「みんな踊り出した…」
みんなレッツ髭ダンス。
その光景にちょっと引くまどかとユウ。
しばらくこの奇妙奇天烈な髭ダンスを見ていたまどかたちだったが…
「なあ、これ根本的な解決になってなくね?」
とリョウが指差す。
「「「あ…」」」
髭ダンスを踊る奇妙な生物に囲まれているので逃げる逃げられない。
どうしたものかとユウが思った時。
ビーーーン。と光が飛んだ。と思ったら九尾が爆発した。
「九尾ーー!」
『コーーーーーン』
爆発に吹っ飛ばされた九尾は煙を引いて自分たちの方に飛んできたのでまどかたちはーーよけた。
『へぶし!』
おかげで九尾は地面に顔から激突するのであった。
『なんで誰も受けてとめてくれないコン?』
「ごめん」
「「「いや、なんとなく」」」
「ニャー」
まどかたちがそう答えた時、先ほどの機械兵器が現れた。
「なにあれ!?」
「いや、なんか九尾を狙っているジェイル・スカリエッティという人が造った高エネルギー結晶型ロストロギア・レリックを回収するために造った半自立型機械、通称ガジェットドローンのⅠ型だそうだ」
さやかの叫びに答えるリョウ。
「って、お前アレ一発で覚えたのか!?」
「ねえ、なんか危なくない?」
コードを伸ばすガジェットの姿に脅えるまどか。
それどころか先ほどの爆発で周囲の生き物が興奮したのか目と口をあけ、ハサミを出して威嚇している。
「おい、九尾。お前なんとしろ。妖怪だろ」
『なんの関係が…まあ、しょうがないコンねえ…』
リョウの言葉にぶつぶつと言いながら尻尾のもふもふに手を突っ込む。
『ぱぱぱっぱぱーん。三種の神器の一つ、神剣コンよ~』
「「「「なんでドラえもん…」」」」
とりあえずまどかたちと一緒にツッコムと、銅剣を受け取るリョウ。
「……これどう使うんだ?」
『そこはノリと勢いで』
「なるほど!」
「納得するなよ」
ユウがツッコンだ時、本当にノリと勢いで使えたのか片手ほどの大きさだったのが一振りの刀となる。
と、思った瞬間。
ずどおおおおおおおん。と物凄い轟音を立てて刀が地面にめり込んだ。
「おい…これ凄まじく重いぞ!」
必死に動かそうとするが、剣はピクリとも動かない。
『コーン。それはつなぎに使ったあんたの牙の重さコンよ』
「鉄砕牙かよ!!」
「何回そのネタやるんだよ!」
九尾の言葉にツッこむリョウ。そんな彼らにさらにツッこむさやかだった。
『まだ二回しかやってないコンよ』
「二回言うな」
メタ発言する九尾にため息混じりにユウはツッコム。
『ま、そこは赤い刑事さんを見習ってがんばるコンよ』
「がんばれるかこんなクソ重いの!」
『わがままコンね~』
「俺か!俺が間違っているのか!?」
『しょうがないコンね~』
そう言うと九尾はぴょん。とリョウの肩に乗り、
『HENSHIN』
機械的な声を出す。
と思ったと同時に九尾の身体は光の粒子となって消え、代わりに銅色の装甲に変化する。
「ええええ!?」
突然の事態に驚くまどか。
「なんか、かっこいいじゃねえか!…しかしなんか懐かしいな」
「そりゃ一年ぶりだもんねえ…」
『コーン。そんなに時間経っているコンか。月日が経つのは早いコンねぇ』
「メタ発言するなよ…」
さやかたちの会話についていけないまどかの隣で頭を押さえるユウ。
「ま、とりあえずいくぜー!」
『コーン!』
とにかくリョウはテンションをあげていままで大人しく待っていたガジェットに斬りかかった。
鎧を九尾と理解したのか、リョウに向かってビームを撃つ二体のガジェット。
だがリョウと一体化しているせいかビームの狙いが甘く、一発肩をかすめただけ程度で、リョウの到着を許してしまう。
「うりゃあ!」
リョウの一撃を受けて一体が吹っ飛ぶ。
吹っ飛んだ一体は剣を受けた場所から放電しながらも浮かび上がろうとするが、
「でりゃああああああ!!」
リョウの剣が突き刺さる。
剣を受けたガジェットのコードが痙攣したように震えたあと、機能を停止した。
それを見た(目がないからなんとも言えないが)もう一体のガジェットは逃げていった。
「勝ちました」
『コーン』
剣を掲げて勝利のポーズを取るリョウ。
「やった!」
ガッツポーズとってまどかと喜ぶさやか。
「よし、次はあいつらか!」
と言って周囲の生物に剣を向けるリョウ。
「いけーー!」
「いくぜ!いくぜ!いくぜーー!」
さやかの言葉に群れに突撃したリョウは、
「『ギャーーーース!!』」
数の暴力に敗北した。
「響くーーーん!」
「ボコボコにされてるね」
「というか一瞬だったな」
不安そうに叫ぶまどかの背後で冷静にリョウを見るさやかとユウ。
と、リョウをボコっている以外の生き物たちがまどかたちに徐々に近づいてくる。
「って、冷静に見ている場合じゃなかった!」
「さやかちゃん!」
恐怖でさやかに抱きつくまどか。
その時、光が輝いた。
「え?」
「なに?」
「もう大丈夫よ」
驚くまどかたちにいつの間にいたのか、どこか大人びた少女が優しく声をかけた。
「あなたは?」
「答える前に」
ユウの言葉にまどかたちと同じ見滝原中の制服を着るその少女はそう言って黄色に輝く宝石を取り出すと、
「ちょっと一仕事させてもらうわ」
服装が変化した。
「変身した!?」
少女が変化した服の胸にあったリボンを解くと、それは1人でに動き無数のマスケット銃を作り出す。
マスケット銃の狙いは周囲の生き物。
「はあ!」
掛け声と同時にマスケット銃は一斉に発射。
ドドドドドドドドドドドドッ。
「『ぎゃあああああああ!!』」
周囲の生き物たちは無数の蝶を残して一匹残らず消滅した。
「凄い…」
周囲が元に戻る中、少女の力に目を丸くするまどか。
「痛っ!」
その隣のユウの頭の片隅に一瞬、誰かがちらつく。
あまりに一瞬過ぎて、その黒い少女が誰かはわからなかった。
(なんだ?なにか大切な人だったような…)
と、考えるユウの隣で、
「ねえ、いまなんか悲鳴聞こえなかった?」
さやかが結構重要なことを口にしたのだが、誰もそのことに気づかなかった。
「あなたたち、大丈夫?」
と、そんなこととは知らない少女がまどかたちに声を掛けた。
暗いのでリョウのことに気づいていないようだ。
「あ、はい。大丈夫です」
「そう…ところで、魔女は逃げたわ」
そう言って少女はいつの間にかいた暁美ほむらにそう言う。
思わず身構えるさやかとユウ。
「わたしが用があるのは用があるのはそいつ」
「飲み込みが悪いわね。見逃してあげるって言っているのよ。お互い、無用なトラブルは避けたいじゃない?」
「…」
言葉は柔らかいが、有無言わさぬ少女の言葉にほむらは立ち去さる。
ホッと息をつくまどかたち。
「あなたたちも見滝原中の生徒?」
元に戻りながらそう問い掛ける少女。
「あ、はい。そうです」
「おれもそうだぞ~」
『コーン』
さやかが答えた時に聞こえてきた声に、一同「ん?」となる。
「あ、響君」
「化け物にフクロにされていると思ったらなんか物凄い攻撃くらったぞ!まあ、助かったからいいけど」
「「いや、いいのかよ」」
復活したリョウにさやかとユウはツッコム。
「え?なに!?」
と、突然起き上がった(暗がりで気づいていなかったらしい)リョウに少女は驚いてマスケット銃を向けた。
「って、ちょっと待ってくだせえ!もうごめんこうむります!これ以上ないってくらいくらいましたから!!」
『まったくコンよ!』
「よく無事だったなあ、お前ら」
変身を解除する二人に感心したように言うユウ。
「サンク…すううううううううう!!」
礼を言っている最中に九尾の鎧の補正のおかげで持てるようになっていた剣の重さをダイレクトに感じて悲鳴をあげるリョウ。
「変身した!?……いえ、変身を解いたというほうが正しいわね。それにこの生き物は…犬?」
そんな彼に驚く少女。
『狐コンよ。九尾の妖弧。通称九尾。間違ってもQBなんて呼んじゃダメダメコンよ』
「それ毎回言うの?」
九尾の自己紹介に小首を傾げるまどかだった。

「ごめんなさいね。まさか人がいるなんて思わなくて」
「いや~、大丈夫ッすよ。こいつのおかげで大したダメージ受けてないッすから」
『コーン。コンが文字通り盾になったコンからねえ…』
「これでよし、と」
と、リョウと会話していた少女による白い生き物の治療を終わった。
『ありがとう、マミ。おかげで助かったよ』
ぴょこんと立ち上がって少女に礼を言う白い生き物。
『しゃっべったああああああああ!!』
「「「お前が言うな」」」
驚愕する九尾にさやか、ユウ、リョウが全くだ。と言いたくなるツッこみを入れる。
「お礼ならこの子たちに言って。私だと間に合わなかったかもしれないもの」
『ありがとう。まどか、さやか』
「え!?なんであたしたちの名前を!?」
自分の名前を知っている白い生き物に驚くさやか。
「私からもお礼を言わせてもらうわ。ありがとうこの子は私の大切なお友達なの」
「こちらこそ助かりました。あの、あなたは?」
「ごめんなさい。自己紹介がまだだったわね」
まどかの言葉に変身を解く少女。
「わたしは巴マミ。あなたたちと同じ見滝原中の三年生よ。よろしくね」
「あ、こちらこそ…」
と、まどかが言おうとした時、
「いや、こちらこそよろしくお願いしますと言ってみるしかないじゃないか!おっと、自分は響リョウと申します。先輩みたいな美人とお近づきになれるなんて日頃の信じていない神様に感謝感激雨霰!」
「やめんか。どう対応していいのかわからず困っているだろう」
リョウが割って入ったので、さやかと一緒になってユウはマミから引き剥がした。
「なにを言うかマイブラザー!こんな美人とお近づきになれて喜ばないなどそれは男として間違っているぞ!」
「言いたいことはわからなくもないから黙ってろ。お前が喋ると話が進ないから。……すいません」
最後の部分はマミに対して。
「なんていうか…濃いわね…あなたのお友達……え~と…」
『彼は如月ユウ。まどかたちと同じクラスだよ』
「俺の名前も知っているのか…」
白い生き物を見るユウ。
「この子の名前はキュゥべえよ」
『よろしく』
マミに紹介されたキュゥべえの尻尾がぴょこんと動く。
「ねえ、キュゥべえ。あなたが見えているってことはこの子たちも…」
『リョウは違うけどね』
「「「「?」」」」
マミとキュゥべえの会話に理解出来ずに顔を見合わせる四人。
ちなみに九尾は壊れたガジェットの残骸を調べていた。
『実はまどか、さやか。君たち二人にお願いがあるんだ』
まどかたちの方を向くキュゥべえ。
「え?」
「あたしも?」
『ボクと契約して、魔法少女になってほしいんだ』

先ほど逃げたガジェットは奇妙な場所にいた。
まだ明るい時間だというに、空には色とりどりの星が見えるどこか現実離れした空間だった。
その空間の中心にはジャングルジムのようなものがあり、そこに腰掛ける闇色のフードとマントで姿を隠した人物がガジェットのメモリを見ていた。
『鹿目まどかと美樹さやかと遭遇しただと!?……これは面倒なことになった。むっ!』
映像が九尾が装甲形態に変身するところに差し掛かる。
『このような能力まで持っているのか…ますますもって不可解な存在だ…』
そう言って自分のそばにきた針だらけの頭をした猫?と表現すべき生き物の頭をなでる。
『暁美ほむらといい、イレギュラーなことだらけだ…。ここはしばらく様子を見るとしよう』
そう言うと黒づくめの人物はジャングルジムから飛び降りた。

ーー次回予告
キュゥベえ『ボクと契約したら、どんな願いでも叶えてあげる』
さやか「どんな願いでも!金銀財宝とか、不老不死とか、あんなこととか!?」
まどか「あんなこと?」
リョウ「俺もか!?」
キュゥべえ『いや、第二次成長期の少女限定の話だから』
リョウ「なら、マイブラザーはどうだ!?まどかたちと同じ年頃で、なにより女みたい!」
ユウ「おい…」
キュゥべえ『ユウも無理だよ。だって、如月ユウという人間は…』
九尾『そんなことよりキュゥべえが見える男子がいることにマミマミはもっと不思議がるべきじゃなかったコンかねえ…』
かずみ「作品批判!?」
ユウ「なんでいんの!?」

次回、第3話「それはとってもうれしいな」

さやか「次回は3話!?マミさんが危ない!」
ほむら・マミ「「いや、そこまでやらないから」」
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