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長編十二話

今回はアスワドが登場します。
いや~カッコイイよね、アスワド。
ラドさんにモモタロスの中の人ネタをやって貰おうか悩んだがやめといた。
やるなら予告だな。
元の方の予告の『びろろーん、びょろろーん、べろべろばー』はうけた。
アリカ程じゃないけどうけた。
しかし…あの角ほんとに柔らかいのか?
しかし、ルーメン。
アリカ役の菊地美香さん、ニナ役の小清水亜美さん、マシロ役のゆかなさんの三人から絶大な支持を得てたな…。
オカマのサイボーグなのに…。
魔法少女リリカルなのは×舞‐乙HIME

 ~THE HARMONIUM SONG~

第十二話 黒い民

「ずずずっ…、お茶が美味しいな~」
「はやてちゃん、おばあちゃんみたいですよ」
「ふう…まあ、それにしてもまさかナイトスクリーパーがでるなんてな~」
「全くです~」
「「ずずずずっ…はあ…」」
部隊長室で茶をすするはやてとリインの二人、六課は今日も平和だった。
「ところではやてちゃん、あの遺跡のガーディアンの持ってた槍、解析ははかどっているんですか?」
「さあ、あたしに聞かれても…でも、もしあれに対スクリーパー用の何かしらの対策がされているんだとしたら…これからのスクリーパー対策になるはずや」
「楽しみですね」
二人はまたずずっと茶をすすった。
「あの遺跡はやけにスクリーパーに反応してましから、きっとあの遺跡から他にもスクリーパー対策の何かが出てきますよ」
「そうやな…」
はやてはそう言うと茶を一口、含んだ。
(ただ…その対スクリーパー用の仕掛けがなんであのタイミングで発動したかや…装置が壊れていたとも考えられるし、近くにいたナイトスクリーパーに反応したとも考えられる…でも、もしそのどちらでもないとしたら…)
そこまで考えた時、はやては首を振った。
(って、何を考えとるんや。そんなのありえへんやんか)
ピピピピピッ。
「はやてちゃん~通信ですよ~」
「ん?あ、ほんとや。…無限書庫から?ユーノ君かな?ーーはい」
通信に出てみると、やはりユーノだった。
「どないしたん?元の方ではゲスト扱いやったのに、えらい出るやん」
『はやて…喧嘩売ってる?』
「冗談や、冗談。ユーノ君があんまり出るとただでさえ少ないあたしの出番がますます減るやないかとか思ってへんよ」
「思っているんですね…」
「うるさいでリイン。っで、なんか用なん?」
『うん。ちょっと話が…』

「………なにコレ?」
凪は渡された身分証を見て嫌そうな顔をした。
「最高評議会の勅命により今日からお前は、わたし直属の特別監査官となった」
凪の嫌そうな顔に若干ムッとしながらも、時空管理局地上本部のトップも呼べる男、レジアス・ゲイズはそう言った。
「セルゲイをお前の部下につける」
「監視付き?」
レジアスの言葉にますます嫌そうな顔をする凪。
「まあ、いいけどっさ、君も彼女も僕を信用していないだろうし、さ」
「当たり前だ。どこの馬の骨ともわからん奴をどう信用しろという。最高評議会の紹介した者でなければこうして直接会うのもごめんだ」
不満を隠そうともしないレジアスの態度に、凪は特に反応を示さなかった。
元々そう思っている事は知っていた。
「で?僕の最初の任務は?」
「この前発見された遺跡の大々的な調査が行われる。その責任者は、無限書庫司書長のユーノ・スクライア」
「スクライア一族は遺跡の発掘や調査のプロだもんね」
「お前にはその調査現場に行ってもらいたい。貴様も遺跡には詳しいろ聞く」
「なるほど…っで、その目的…聞いてないでしょ?」
「………」
凪の人を食った様な口調で言った言葉にレジアス黙った。
遺跡調査に凪を同伴させろとは最高評議会の命だが、その詳しい事を彼は聞かされていなかった。
妙な話である。
最高評議会は何か目論みがあって凪を調査に同伴させようとしている。
それをレジアスに伝えるように命令。
だが、肝心な内容は教えられていない。
しかも、凪は最高評議会の目論みを知っているかの様な口振りである。
(なんだ?この男は最高評議会のなにを知っている?)
「ま、彼女の頼みじゃしかたないね。じゃあ、セルゲイを借りてくよ」
凪はそう言うと出て行った。
凪と最高評議会の関係の中で妙なのはもう一つあった。
凪は最高評議会の事を”彼女”と言うのだ。
最高評議会は、時空管理局の最上層部で、旧暦の時代に統制の取れていなかった次元世界を平定したいわば時空管理局の生みの親。
無論、それは遥か昔の話で、今現在の最高評議会が当時と同じとは考え難い。
それはともかく、凪と最高評議会との関係の何が妙かと言うと、凪が最高評議会の事を”彼女”と表現する事だった。
レジアスは最高評議会と直接面識はなく、連絡もサウンドオンリーで行われる、声も本物かは当てにならない。
その為、彼は最高評議会の性別を知らないので、凪が”彼女”と表現しても別に不思議には思わない。
だが、凪は必ず最高評議会の事を”複数系”ではなく”単数系”で呼ぶ。
最高評議会は”評議長””書記””評議員”の三人からなる。
つまり”複数”だが、凪は最高評議会の二人(評議員だけはレジアスは会話している所を見た事がない)同時に会話をしている時でさえ”君”とまるで一人と会話している様に振る舞うのだ。
しかも、最高評議会の方もそれが当たり前の事の様に振る舞う。
(…………だが、考えた所で答えが出るはずもないか…)
レジアスは嘆息した。

地上本部の廊下を歩く凪。
「相変わらず長いね~この廊下」
しばらく歩いていると、マントで身を包み、ヴァイザーで顔を隠した女ーーいや、少女が壁に背を預けていた。
明らかに怪しいその姿だが、人が全くいないので咎める者はいない。
「もう少しまともな格好をしようよ。セロちゃん」
その怪しい出で立ちに流石にツッコム凪。
だが、彼も人の事は言えない。
「わたしは最高評議会直属の者だ。別に問題あるまい」
「いや、非公式でしょうが」
やれやれと凪は肩をすくめた。
ついて歩くセロと呼ばれた少女。
「それにしても、血の臭いがするね。誰か殺したの?」
「レジアスの事を探る者がいたからな。消えてもらった」
地上本部の最高権力者を呼び捨てにするセロ。
「ーーあら?」
会話する二人の前に一人の女性が姿を現した。
「セロ御姉様?………と、炎凪」
明らかにセロより年上な女性はそう言った。
セロの名を呼ぶ時は嬉しそうに、凪の名を呼ぶ時は嫌そうだった。
「………………ドゥーエか?」
「はい。セロ御姉様」
「いや~ドゥーエちゃん!見違えちゃったよ~」
セロに向けられた笑顔が一転、不機嫌な顔になると、ドゥーエの手に爪の様なものが現れ、次の瞬間凪の頭を刺した。
ーードス。
どさ。
「お久しぶりです」
「ああ、久しぶりだな」
凪の事などなかったかの様に二人は会話を進めた。
「同じ管理局にいるのに全く出会わないというのも嫌ですね~」
「全くだな」
「あ。よろしければ、一緒に御食事でも?」
「そうだな。悪くない」
二人はさっさと倒れている凪を放っておいて行ってしまった。
「いや~。なんでナンバーズのみんなには、こうも嫌われるのかな~」
むっくりと起き上がると、凪はそう愚痴た。
頭には、刺されたはずの痕はどこにもなかった。
「…戦闘機人と相性悪いのかな?」
ヴァイザーを外し、ドゥーエと感情を余り表に出さないながらも、楽しそうに会話するセロを見て、凪はポツリと呟いた。

「やっぱり舞衣さんと言えばラーメンだよね。ズズズズッ」
「まあ、うまいけど。はやての作るご飯には届かないな。ズズズズッ」
「ズズズズッ」
「シグナム…何か言ったらそうですか。ちゅるちゅるちゅる」
鴇羽舞衣特性ラーメンを食べる隊長四人。
だが、フェイトの食べ方にヴィータは不満があるらしい。
「おい、フェイト。お前そんなラーメンの食い方あるかよ」
「ラーメンはズズズズッと音をたてて食べるのが正しいと主はやてが言っていたぞテスタロッサ」
シグナムも続く。
「何言っているんですか!というか、ラーメン食べる度に言わないでください。食事中に音をたてるのは行儀が悪いと教わったんです!!」
昔、実母の使い魔、リニスから教わった事を武器に反論するフェイト。
やれやれと、思いながらラーメンをすするなのはの視界に食堂に入ってくるはやての姿が映った。
「お。ラーメンか…でも相変わらずフェイトちゃんのラーメンの食べ方はなってないな~。まあ、それはともかく舞衣さん。あたしにもラーメン一つ」
「リインの分もです」
「いたんだ…リイン。はやてちゃんの陰で見えなかった」
最後はなのはのセリフ。
舞衣の、
「はーい」
という返事を聞いた後、はやてはなのはの隣りに座った。
「ユーノ君から遺跡調査隊の護衛要請がきたで」
「「「「いきなり!!」」」」

今回の機動六課の任務は発見はされていたが”とある理由”により未調査の遺跡の調査隊の護衛だった。
人選は調査責任者のユーノ・スクライア。
幼馴染という事もあり、はやてはその要請を二つ返事でOKしたのだった。
場所はミッドチルダにある、人があまり立ち入らない森のそば。
遺跡は森の中の海に面した谷の中腹にあり、そこから少し離れた開けた場所に遺跡調査隊のキャンプがあった。
「それはいいんだけど…」
ティアナは疑問に思う事があった。
「なに?ティア」
「この護衛のメンバー…やけに凄い気が…」
ティアナの言う事ももっともだと、ニナは思った。
六課の前線メンバーに加えて、部隊長であるはずのはやて、それから医療官のシャマル、おまけにザフィーラまでいる。
他のスタッフもいるし、なによりこれ以外にも他の隊の人までいる。
「しかも、なんでヴィオーラ特別捜査官補佐とクリサント捜査官とアーミテージ捜査官補佐までいるの?」
本当はどこぞのテロ軍団の殲滅なのではと?思ってしまうメンバーである。
さらに隊長達のリミッターも解除されているとの事。
「ていうかティア…なんか…みんなピリピリしてない?」
不安そうに言うスバル。
「確かに…」
「あれ?トモエちゃんは?」
「向こう。シズルさんに挨拶に行った」
「あ、あたしも行こっと」
「お前らもう少し緊張感もて!!」
フォワード組にヴィータからの激励がとぶ。
「ここがどういう所かわかってんのか!!?」
「どういう所なんですか?」
「……え?」
アリカに聞き返され、ヴィータは固まった。
「シグナム…お前…教えなかったのか?」
「なに?わたしはテスタロッサが教えたものとばかり…」
「ええ!?わたしはユーノが教えたんだと…」
「ええ!なんで僕!?ここはなのはでしょ!!」
「ふえええ!わたしも教えてないよ!だってはやてちゃんが…」
「…………てへ☆」
「「「「ぶたいちょ~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!」」」」
「忘れてたの!?」
てへ☆じゃねー。
ちなみに最後はユーノのセリフ。
「あの…ここは一体どういうところなんですか?」
隊長達の反応から、ここがかなり危険な場所である事がわかったティアナは、恐る恐る聞いてみた。
「ここはね…」
なのはが説明しようとした時だった。
「この辺りはスクリーパーがぎょうさん出ますんや」
「「「「「「「「「「「「ぎゃああああああ!!!!!」」」」」」」」
何の前触れもなく、トモエを姫様抱っこで現れたシズルに全員腰を抜かさんばかりに驚いた。
「シズルさん!あなたに気配というものはないんですか!!?」
文句を言うなのはの後ろでヴィータが、
「んな人間みたいなもんあるわけねえだろう」
と言い、隣りでシグナムがうんうん頷いた。
「アレ?」
アリカは辺りを見回して、
「ナツキさんはいないんですか?」
と聞いた。
「おらへんのよ。シュバルツの調査ハラオウン提督の艦で今”海”に」
「「「「「「「「「えええええ!!!!!?」」」」」」」」」
シズルの言葉にひどく驚くなのは、フェイト、はやて、ユーノ、ヴィータ、シグナム、ニナ、トモエ、エルスの七名。
「シズルさんがいなくて大丈夫なんですか?ナツキさん」
「きっと今頃…ヘタレてる」
「いや~、大丈夫やろ。いくらヘタレのナツキさんでも」
「大丈夫かな…?まあ、クロノがいるから…たぶん、大丈夫だと思うけど…」
「ヴィオーラのいねえナツキって、なんかできんのか?」
「いや、ヴィータ。それは失礼だろう。事実だが」
「生きて帰って来るのかしら?」
「シズル御姉様のいないナツキさんなんて、小麦粉の入っていないたこ焼きだわ」
「主役がいない以前の問題!?」

ーー時空航行艦・クラウディアーー

「へっくしょん!!…シズルあたりがわたしの噂でもしているのか?この感じからして悪口だな。絶対」
「おい…」
ナツキの唾を拭くクロノが恨みがましい声を出した。
「あ、すまん」

ーー再び遺跡調査隊キャンプーー

「…シズルさん、いい加減笑うの止めた方が…」
肩を震わして静かに笑うシズルになのははそう言った。
「スクライア司書長殿」
調査隊員の一人が慌てた様子でユーノに声を掛けた。
「どうしでした?」
「やはり、キャンプには誰もいません」
「そうですか…」
「…………どういう事ですか?」
会話を聞いていたユキノがユーノに問い掛けた。
「はい。ここには十人程人がいたはずなんでが…誰もいないんです…もしかしたら、遺跡の方にいるのかもしれませんけど…」
ユーノは遺跡のある谷を見つめた。
「やあ、みんな」
と、そこへどこかひょうひょうとした青年ーー凪が現れた。
後ろにはセルゲイも連れている。
「なんでアンタがいんのよ?」
問い掛けるハルカに凪は、
「いやあ、仕事だよ。し・ご・と。わかった?おでこちゃん」
「誰がでこよ!!」
「ハルカさんどす」
シズルがにこやかにそう言った。
「うるさいわよ!このぶぶづけ!!」
「でも、なんでウォン少佐が一緒なん?」
はやての疑問にセルゲイは、
「まあ、急に彼の補佐にされたんでね。まあ、前から仕事の手伝いはしていたが」
「ふっ、今だから話すよ。実は僕は管理局の秘密調査員なのさ」
髪をかき上げそう言う凪にセルゲイは、
(つい先日なったばっかでしょうが…)
と心の中でツッコミを入れた。
「嘘臭い」
が、はやては彼の言葉をばっさり切った。
「酷いな~」

「やはり駐留していたはずの調査隊員の姿がないっていうのが気になる」
ユーノの言葉にうなずくはやて。
「スクリーパーに襲われたんなら、もっと荒れとるはずやし…死体もあるはずや」
う~ん、とうなずくユーノとはやて。
「取り合えず、この辺りを捜索してみましょう」
ユキノの意見に、
「そうやね」
と、うなずくはやて。
「この辺り一帯に探索してみます」
ユーノはそう言うと、探索魔法を起動した。
「あ、ならわたしもお手伝いします」
「すいません、クリサント捜査官」
「いいえ」
一方、ニナはセルゲイの姿がない事に気づいた。
「あの…お父様は?」
凪に聞いてみると、
「ああ、ちょっと仕事を頼んでね。大丈夫、すぐに帰って来る…よ?」
余裕しゃくしゃくの凪の表情が慌てたものに変化した。
探索魔法を使っていたユーノもそれに気づいた。
「ーー!ガジェット!?なんで今まで気づかなかったんだ!!」
ユーノの声を合図に、木々の間からガジェット・ドローンが姿を現した。

ユーノが調査をする予定の遺跡内に五人の人影があった。
マントとフードで身を包んだ彼らはなにかの扉の前にいた。
『ガル、まだか?』
長身の影がそう問い掛けると、
『ヘイ、ラド。YOUは短気ね』
小柄な影がそう答えた。
「時間はかかるか…。ルーメン、見張りを頼む」
『アイアイサー、リーダ』
声からすると女の影の言葉に細い影が答えた。
『………』
残った大柄な影は始終無言だった。

突然現れたガジェットドローンに皆善戦していた。
シズルやハルカはAMFをモノともせず、リミッター付きでも簡単に破壊していた六課隊長陣相手にガジェットなど相手にもならない。
が、苦戦している者達もいた。
スバル達、フォーワードメンバーである。
偶然調査隊員達の近くにいた彼女らは、非戦闘員である彼らを守って戦う事になってしまい、おかげで思うように戦えなかった。
何かを守りながら戦うのはただ戦うより難しい。
調査隊員達も訓練されているので守り易い方なのだが、それでも二十人近い人数をたった八人で守らなければならないのである。
隊長やシズルがいればまだなんとかなっただろうが、湯水の如く湧いてくるガジェット相手に、とてもそちら側の方に行く余裕はなのは達ですらなかった。
まあ、ガジェットの主力がなのは達に向いている分、スバル達の負担はかなり軽かったが。
グオオオオオン。
エリオを狙って、ベルトアームを振り回すガジェットⅢ型。
その一撃を運の悪いⅠ型が食らい、吹っ飛んだ。
だが、本当に運の悪いのはそのⅠ型ではなかった。
「ーー!?危ない!!」
ガジェットの飛んでいく先をチラリと見たエリオはそう叫んだ。
飛んでいくガジェットの行く先には、なんとスバルとアリカがいたのだ。
「「ーーへ?」」
咄嗟の事で二人にできた事は、間抜けな声を出す事ぐらいだった。
「危ない!」
ばしっ!
二人にガジェットがぶつかる。
と、思った瞬間エルスが二人とガジェットの間に入りシールドを張ってそれを阻止した。
ほっと安堵をつくのも束の間、Ⅲ型の一撃で致命的なダメージを受けていたこのⅠ型は、爆発した。
ガジェットのぶつかった衝撃で限界のきていたエルスのシールドはその爆発に耐え切れずに砕け、三人は爆風に吹っ飛ばされた。
幸いにもガジェットの破片は砕ける間際にシールドの防いだから衝撃以外のダメージは三人にはなかったが、彼女らが飛んだ先は崖だった。
「「「きゃあああああああああ!!!!」」」
固い地面に思いっきり叩きつけられる前にマッハキャリバーがクッションシールドをスバルの落下位置に生成。
これである程度は衝撃を和らげる事ができた。
一方、アリカとエルスは奇妙な場所に落ちた。
黒くて柔らかく、ヌメッとした場所に落ちたのだ。
しかし、人の手の加えられていないこんな場所にそんな場所あるはずがない。
「ーー?何これ??」
疑問に思うアリカはその黒い”何か”をぽんぽんと叩いた。
「ア…アアア…アリカ…」
アリカのいる所より低い場所にいるスバルは震えながら彼女の足元を指差した。
「そ…それ…すくすく…」
「え?なに?」
「スクリーパー!!」
スバルの叫びにアリカは固まった。
そう、アリカとエルスが落ちた場所は、ナイトスクリーパーの頭の上だったのだ。
よく見ると、周りには数体のポーンの姿もある。
曇り空の下、気持ちよく昼寝をしていたナイトスクリーパーは、突然頭に降ってきた妙な物二つを、ゴミでも振り払うかの様に頭を振って二人を森の方に降り飛ばした。
「「きゃあああああああああああ!!!!」」
「アリカ!エルス!」
悲鳴をあげて飛んでいく二人にスバルは手を伸ばすが、それで何かが変わる訳もなく、むしろ叫んだ事でスクリーパー達の注意を引いてしまった。
「ひっ!」
自分を見つめる(目があるのかは不明だが)スクリーパー達に怯えるスバル。
「WUUUUN」
ナイトスクリーパーがスバルに顔を近づける。
「あ…ああ…」
この距離ならナイトスクリーパーが口を開けて顔を前に少し出すだけで簡単にスバルは死ぬだろう。
だが、ナイトスクリーパーは興味を失くした様にクルリとスバルに背を向け、そのまま海に帰ってしまった。
「へ?」
ポーンスクリーパーも興味を失くした野次馬の様に思い思いに散っていく。
「…なん……で?」

それから数時間が経過した。
ガジェットを一掃したなのは達は、崖下で呆然としていたスバルから事情を聞き、ナイトスクリーパーに飛ばされたアリカとエルスの捜索を行った。
が、今だ発見できず、それどころか天候さえ悪くなりだした。
「救助…遅いね」
アリカとエルスはたまたま発見した小さな洞穴で救助を待っていた。
入口が小さい為、スクリーパーは入ってこれない。
「ごめんね」
謝るエルス。
彼女はナイトスクリーパーに投げ飛ばされた際に足を痛め、まともに歩けなくなったのだ。
「なんでエルスちゃんが謝るの?困ったあたし達、友達でしょ?」
幸いというか、身体の強度の差というか、全くの無傷のアリカはそう言った。
「本当はわたしなんか、陸士隊や機動六課の隊士になんか出来る訳なんだよね…」
「なに言ってるの。そんな事言ってると、ティアちゃんに怒られるよ」
それは言える。
「それに、それならなんで陸士になったの?」
「それは……」
急に口ごもるエルス。
「あう?」
アリカは首を傾げるが、すぐに別の事を話した。
「はぐれた時は、じっとして助けを待てって、ばっちゃも言ってたしきっとすぐなのはさんが…」
「いた!」
突然小さく悲鳴をあげるエルス。
「エルスちゃん!?」
慌ててアリカが近づくと、エルスの足元から細いロープの様なものが離れて行った。
「蛇!エルスちゃん!ちょっと見せて!!ーー牙の痕が二本…確か、これは毒蛇だってミユさんが…」
足の噛まれた後を見て、さっきの細いロープは毒蛇だと判断すると、アリカは急いで毒を吸い出しにかかった。
毒の吸い出しは行ったが、エルスの息が荒く顔も赤い。
「ひどい熱…」
エルスの状態にアリカはしばし悩み、決心した。
「待ってて、エルスちゃん!すぐ助けを呼んでくるから!!」
救助を待っている暇はないと考えたアリカはそう言うと、洞穴から飛び出した。
(あたし達は一度高い所から落ちた。なら、高い所を目指せばみんなの所に戻れる!)
そう判断すると、アリカは走った。
そして以外にも、高い所はすぐに見つかった。
目の前に現れた崖をアリカは迷う事なく登った。
登りきると、アリカはしばらく歩いた。
「……ひょっとして、ここ…さっきとは違う場所じゃあ…」
さらに歩くと、また崖が見えてきた。
横手には、海も見える。
「あ!」
崖には扉があり、その前に局員らしき人が立っていた。
「すいませ~ん!」
アリカはその人物に駆け寄った。
当初の目的地とは違うが、助けを呼ぶのが目的なのだから細かい事は気にしなかった。
「すいませ~ん。たす…っひいい!!?」
ある程度近づくと、アリカは自分の勘違いに気付いた。
その局員は立っていたのではない、腹部に刺さった槍で崖にとめられていたのだ。
『あれ?一体どこから来たの子猫ちゃん』
どこか機械じみた声のする方を見たアリカ。
そこには紫を基としたカラーリングの女性を思わせる人型の何かがいた。
何かはアリカにはわからない。
身体の感じはどことなくガジェットに似ている。
だが、そのまとう気配は明らかな、意思を持っている事を主張していた。
『変ね…、あっちしか人が来れる道はないし…飛んで来たのなら気づいてもよいわよね』
明らかな男の声でそう言う”何か”は、
『ひょっとして、あの崖を登ってきたの?』
と聞いた。
「え?あ、うん。友達が蛇に噛まれて、熱を出して…」
『あら。友達の為にがんばってるのね。おねえさん泣きたくなっちゃう。で~も、局員を生かして返す訳にはいかないのよ、ね』
「アルテミス!セ~ト・アップ!!」
言葉にアリカはアルテミスを起動する。
六課で必死に練習して、この間ようやく一瞬で起動できるようになったのだ。
それまでは予め起動していたので、前回のエリオ達が遺跡に閉じ込められた時の直前のスクリーパー襲撃は戦闘に参加するのに若干遅れた。
『あら?もしかしてそれ”蒼天の青玉”?でも色が違うわね。まあ、いいわ。あたしは黒き民、アスワドのルーメン。行くわよ!!』
ルーメンはそう言うと、頭から生えている二本の鞭の様なものでアリカに攻撃を仕掛けた。
”様な”ではなく、そのものの様だ。
避けるアリカだが、時間差でくる二本の鞭に徐々に押されだす。
からん。
ついには崖の間際まで追い詰められてしまう。
『終わりよ!!』
ブルースカイスピアで受け止め様とするが受け切れず、
「きゃああああああああああああああ!!!!」
崖から落ちてしまう。
『あ、しまった。あの子のなまえ聞くの忘れたてわ』
落ちていくアリカを見ながらルーメンは頭に手を添えてそう呟いた。

次回予告
アリカ「まえから聞きたかったんですけど、ルーメンさんって男なんですか?女なんですか?」
ルーメン『あら、野暮な事聞くのね。どっちでもあたしはあたしよ』
アリカ「ところで、その頭から生えてるそれって、フード被る時邪魔じゃないですか?」
ルーメン『ラドの角よりは邪魔じゃないでしょう。それにこれ、自在に動くし』
アリカ「あ、ほんとだ。すごーい!」
ルーメン『ほらほらほら』
アリカ「あはははははは!こんなの見た事なーい!あははははははは!」
スバル、ニナ、ティアナ「「「いや、似た様な髪の毛もってるだろう」」」
なのは、ミドリ「「次回、芽生える思い。ちなみにわたしは十七歳だ」」
ティアナ、舞衣「「嘘だ!!」」
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