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長編十一話

続きからどうぞ。

魔法少女リリカルなのは×舞‐乙HIME

 ~THE HARMONIUM SONG~

第十一話、レリックの眠る遺跡

どうも!エリオ・モンディアルです。
今回、僕達は内部にレリックがあるとある遺跡にいます。
遺跡から下手に出すとガジェットに狙われるので、六課が直接回収に来たんです。
いや~それにしても遺跡って、なんかいいですよね~。
ドリルと同じで男のロマンてやつですね~。
あ、でもドリルのどこがいいのか、僕にはわかいません。
この前スバルさんとアリカさんがヴィータ副隊長と熱く語り合っていましたけど。
て言うか三人共女性ですよね?
「…ちょっ気持はわかるけど現実逃避しない」
「ぅぅぅぅ、はい。マイクお返しします」
お返しされました。
さて、語り手が本来の人物に戻った所で現在のエリオ達の現状を説明しよう。
遺跡に閉じ込められた。
ーー以上。
「早っ!!」
「語り手に話し掛ける暇があるならここから出る方法でも考えなさい。シグナム副隊長が戻ってくるまで」
トモエの冷たい言葉にエリオは項垂れた。
「トモエちゃん…そんな言い方しなくても…」
エルスがそう言うが、トモエは聞く耳もたない。
「シグナム副隊長とファニルさん…他の出口を見つけれるでしょうか?」
「きゅ~」
キャロの言葉に彼女の頭の上のフリードが弱弱しく鳴く。
さて、ライトニング分隊-分隊長+αが何故この遺跡に閉じ込められるかを説明せねばなるまい。
話しは少し前にさかのぼる。

冒頭でエリオが説明した通り、今回の六課の任務は遺跡内で見つかったレリックの確保である。
その遺跡はミッドチルダ郊外の深い森の中で最近見つかり、管理局で内部調査をした際にレリックが見つかった。
が、外に持ち出すのはガジェットに襲ってくれと言っている様なものなので、調査隊はレリックを回収しなかった。
さらにレリックがあるという事はこの遺跡にガジェットが襲い掛かってくる危険性があるので調査隊は探索を打ち切り、レリック回収を専門としている機動六課にレリック回収を依頼した。
「遺跡は大きくはないが未調査の部分も多いため、中に入ったら注意が必要だ」
シグナムがそう言って新人達を見回した。
「特に誰とは言わんが、スバル、アリカ。お前達二人は特に注意しろよ」
「「言ってるじゃないですか」」
「それとこの遺跡の調査隊メンバーの一人だったファニル殿だ。この遺跡の案内をしてくれる」
シグナムが紹介したファルは気の弱そうな眼鏡を掛けた女性…いや、少女だった。
まあ、少女と言っても年齢は新人年長者のティアナとトモエと同じ位だが。
「よ…よろしくお願いします!」
ぺこりと頭を下げるファニル。
「いえ、こちらこそ」
頭を下げ返すアリカ。
「え!そんな…ご丁寧にどうも」
「いえいえ、こちらこそ」
「いえいえいえ」
「いえいえいえいえ。よろしくされたらよろしくし返すのが礼儀だって、ばっちゃも言ってましたし」
「だれか止めろ。このままだと永遠とよろしくし合うぞ」
ヴィータの言葉で取り合えず二人はアンリミテッドよろしくをやめた。
「さて、中に入る順番だが…」
「まずはライトニングから入って…」
シグナムとなのはが段取りを決めようとした時。
「「ーー?」」
「どうしたんですか?スバルさん、アリカさん」
突然辺りを見回した二人にエリオが聞くと、
「うん今、なにか聞こえなかった?」
「なにかの鳴き声みたいな…」
二人が説明しようとした時だった。
「WOOON」
「GOOON」
「WOOON」
「スクリーパーだ!!」
木々の間をぬって、スクリーパーが三体現れた。
しかも、一体は他のに比べて二倍近い体格で色も紫色をしていた。
「「「「ルークスクリーパー!!」」」」
その存在に驚く隊長陣。
「ルーク!?あれが…」
「でか!普通にでか!!」
スバルとアリカが驚くのも無理はない。
ポーンが普通乗用車程なのに対してルークはトラックかバス程はあるのだ。
「ルークスクリーパーはわたしとフェイト隊長で相手するから、ポーンは分隊ごとに一体を相手して。主に副隊長が相手をして他の皆は副隊長の援護を!!あ、キャロとエルスはファニルさんを守って!!」
「「「了解!」」」
「「「「「「はい!」」」」」」
「「わかりました!」」
なのはの指示にそれぞれが答える。
ーー数十分後。
「KRORORORO……」
かなりの苦戦を強いられたが、なんとかスクリーパーを撃破する事が出来た。
「みんな…お疲れさま」
『ホント、ごくろうさん』
なのはと通信画面越しのはやてが労いの言葉を皆に掛ける。
「でも、スクリーパーがこんなところにまで現れるなんて…」
『まったくや…』
フェイトの言葉に頷くはやて。
『最近増えている様な気がします…』
シャーリーの言葉になのはも頷く。
「うん。しかも単体で行動する事も減っている…」
『しかし…発動せえへんかったな…”超音波結界”』
スバルを見ながらはやてがそう言った。
”超音波結界”人間には聞こえない音を出してスクリーパーを弱体化させる。
アグスタでの戦闘を解析した結果判明した事実である。
何故スバルにその様な力があるのかは不明だが、この力を解析出来ればスクリーパーに対策につながると、なのは達は期待していた。
「あのなのはの偽物なら何か知っていたんだろうけどな…」
なのは達の会話を聞いていたヴィータがそう言った。
”超音波結界”という名前はあのなのはそっくりの少女がそう呼んでいた名前をそのまま六課でも使う事にしたのである。
『取り合えず、スクリーパーとの激戦で疲れた所悪いんやけど…早速中に入ってもらえへん?あんまり時間を掛けて、ガジェットに見つかるのも面倒やしな』
「そうだね。わたしとフェイト隊長で外を警戒するから他の皆で中の探索でどう?」
「あんまり大勢で中に入るのは逆に危険じゃないかな?」
なのはの意見にフェイトがそう言った。
「あ、大丈夫だと思います。この遺跡は未調査といっても、動いている警備システムは確認されていませんから」
フェイトにファニルがそう言った。
「確かなんですか?」
「はい。レリックのある場所まで、特に危険はありませんでしたから。あ、それにレリックを回収するにはどうしても大人数が必要になります」
「どういう事ですか?」
「レリックは特殊な結界で守られているのです。その結界を解除するには床の紋章を踏めば良いのですが…」
「ひょっとして、複数あるその紋章を同時に踏まないと結界が解除されないっていう仕組みですか?」
なのはの言葉をファニルは肯定した。
「はい、その通りです。でも、よくわかりましたね?」
「前に知り合いからそういうのがあると聞いた事があるんです」
無論、その知り合いとはユーノです。

ーー無限書庫ーー

「へっくしょん!!…風邪かな…?体調管理はちゃんと………してないな………」

ーーもう一度、遺跡前ーー

紋章は八つあり、さらに一人でも紋章の上からどくと結界が復活するので結界が解除されている間にレリックを回収する人物が必要になる。
というわけで、ファニルも含めて九人必要なので前線部隊から八人選ぶ事となった。
メンバーを簡単に説明すると、フェイト以外のライトニング分隊。
ヴィータとスバルとティアナである。
ちなみに説明が遅れたが、アリカ、ニナの二人はスターズ分隊。
トモエ、エルスはライトニング分隊となっている。
なのは、フェイト、アリカ、ニナは残って辺りの警戒にあたる事となった。
「あたしも入りたかったな…」
「遊びに来ているんじゃないのよ」
文句を言うアリカとそれにツッコムニナに見送られて、まずはシグナム、次にファニル、その後に残りのライトニング分隊と遺跡内に入って行った。
次にスバルが遺跡に入ろうとした時にそれは起こった。
ビーー、ビーー、ビーー。
「え!?なになに!?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴン!
うろたえるスバルの目の前で、遺跡の扉は音を立てて閉じた。
(施設内にスクリーパーの侵入を確認。これより撃破の為ガーディアンを起動します。なお、ガーディアンは関係者登録を済ませていない者まで攻撃を行います。関係者登録を行っていない方は早急に施設管理室、または施設関係者にご連絡をください。繰り返します…)
「「「な…なんですとーーーーーーー!!!!!!」」」
防御施設のアナウンスに思わず叫ぶスバル、アリカ、ヴィータ。
「ちょっとスバル!アンタ一体なにしたのよ!!?」
「え!なんであたし!!?」
「うるせえ!お前が入ろうとしたからこうなったんじゃねえか!!」
いきなりの展開にティアナとヴィータに何故か責められるスバル。
その時、魔法陣が展開され、西洋の騎士の姿を模した傀儡兵(くぐつへい)が出現した。
しかも、たくさん。
「あれ?これって、やばくない?」
スバルの呟きに反応した訳ではないのだろうが、傀儡兵は一番近くにいたスバルに斬り掛かった。

ーー時間は冒頭に戻る。
閉じ込められたライトニング分隊-フェイト+ファニルはここにもいた傀儡兵と戦闘になり、それを撃破した。
その後、シグナムは外と連絡を取ろうとしたがつながらない為、ファニルを連れて他に出口になりそうな場所はないか探しに行った。
待つ事しばし…。
とごーん。
「ん?」
「どうしたの?エリオ君」
「きゅ~?」
キャロの問い掛けにエリオは、
「今、遠くで何かが落ちる様な、崩れる様な音がした」
「本当?」
「うん。間違いない」
「シグナム副隊長…大丈夫かな…」
エルスの言葉を扉の横の壁にもたれ掛かっているトモエが、
「わたし達が心配する程の人じゃないでしょ」
と言った。
「でも、万が一って事もあるし…」
「………」
エリオは何かを考える素振りをすると、
「僕達もこの遺跡の事を調べましょう」
と言った。
「副隊長はここにいろと言ったわ」
「でも、手分けして探索した方が早く脱出の手掛かりを掴めると思うんです」
トモエに反論するエリオ。
その様子を、エリオの後ろから見守るキャロとエルス。
「勝手に行動してそれで全滅でもしたらどう…そうね。探索するかは別にしてもここを動いた方がいいのは事実ね」
「え?どうしたんですか、急に?」
急に意見を変えたトモエに疑問を投げかけるエリオ。
彼の後ろのキャロとエルスも同じ様に不思議がっている。
ただ、キャロの頭の上のフリードだけは、トモエが意見を変えた理由に気づいた為、硬直していた。
「どうしたんですかって?それは、何故かスクリーパーがこっちに向かっているからよ!!」
トモエは答えた。
顔を引きつらせながら。
「「「ええええええ!!!?」」」
慌てて振り向くと(その際、キャロの頭の上のフリードが落ちた)シグナムが向かった方向から一体のスクリーパーがエリオ達を目指して進んで来た。
しかも、ルーク級。
慌てて逃げる四人。
スクリーパーが向かって来る道の他にある道は一つしかないため、必然的にその道を通る事になる。
しばらく走っていると、エリオ達の眼にとんでもない物が映った。
「傀儡兵!!?」
何かの扉の前に立っていた傀儡兵二体が、向かって来た。
前方を傀儡兵、後方をスクリーパーと、絶体絶命のピンチかと思われたが、傀儡兵はエリオ達を無視してスクリーパーに斬り掛った。
「WOOOON!」
エリオ達はこれ幸いにと、傀儡兵が守っていた扉を開けて中に入った。
そして扉を閉めようとしたが、
「閉まらない!!」
「「「えええ!!!?」」」
そうこうしている間にも傀儡兵とスクリーパーの戦いは続く。
「WOOOOON!!」
スクリーパーの苦しそうな悲鳴(?)を聞いたキャロは、
「あの傀儡兵の攻撃、スクリーパーに効いています!」
という事に気付いた。
「本当だ…」
そうエリオが呟いた時、傀儡兵の一体が部屋の出入り口のすぐ横にぶつかって爆発した。
「うわ!」
「きゃあ!!」
爆発といっても、バラバラに弾ける程度なのでエリオ達にそれほどの被害はなかったが、もう一体の方も刃の様なスクリーパーの一撃で真っ二つになり、機能を停止した。
邪魔者のいなくなったスクリーパーはゆっくりとエリオ達を目指して進んだ。
エリオはすぐそばに落ちていた傀儡兵の槍を拾うと、キャロを抱えて部屋の奥に入った。
それから程なくして、スクリーパーが部屋の出入り口に差し掛かった。
そしてーー詰まった。
考えてみれば当然である。
この部屋の扉は人一人だけ通れるだけの広さは十分あるが、スクリーパーが通れるだけの広さなど、あるはずがないのだ。
スクリーパーは超音波波動で攻撃をするが、部屋は広い為避ける為のスペースは十分にあった。
そこにフリードのブラスト・フレアが直撃した。
これに怒ったスクリーパーは無理に通ろうとして、ますます詰まって動けなくなった。
エリオは先程の槍で攻撃を
攻撃をしてみると、魔法を使ったよりも効果があった。
(やっぱり、この槍の攻撃はスクリーパーに効くんだ!)
完全に動けなくなったスクリーパーは反撃すらできず、ただエリオ達にぼこぼこにやられ、やがて動かなくなった
「…死んだの?」
「…そうみたいです」
スクリーパーの死亡を確認すると(実際はしてないけど、生きてたとしてもどうせ動けないから一緒という判断)エリオは部屋の中を見回した。
「書庫のようですね」
エリオの言う通り、壁にという壁に本棚があった。
本棚がないのはスクリーパーが詰まっているエリオ達が入ってきた扉ともう一つの扉だけだった。
取り合えず、この部屋を出るのにスクリーパーを退かす必要はない様だ。
「じゃあ、なにか脱出につながる手掛かりがあるかもしれないね」
「そうね」
トモエはキャロの意見を肯定すると、手近な本に手を伸ばした。
「……………………」
エリオも本を見てみる。
「……………………」
「何かわかった?」
キャロの質問に二人の槍使いは同時に本を閉じ、
「「全く読めない!!」」
と言った。
「えええええええ!!!?」
「きゅううううう!!!?」
そりゃないぜ、と言わんばかりに声をあげるキャロとフリード。
「よく考えたら…ここにあるのは昔の本なんですから、読めないのは当たり前ですよね…」
「それもそうよね…」
エリオとトモエは疲れた声を出した。
と、
「……………………」
エルスも本を見ている事に三人と一匹は気づいた。
「この遺跡はベルカ王族の一つ、聖王家のものみたい」
「「「え……」」」
エルスの言葉に硬直する三人。
「エルスティンさん…読めるんですか!?」
キャロの質問にエルスは照れた様子で答えた。
「うん。簡単な文字ならなんとか…」
「マジ…」
エルスの言葉にトモエは天井を仰いだ。
「でもさすがに読めない文字もあるかな…」
「そうですか………フリード、なにしてるの?」
大きいサイズの本の間に顔をつっこんでいるフリードにキャロは声を掛けた。
主の言葉にフリードは顔を出し、その場でホバリングをした。
「その本棚になにかあるの?」
「きゅう」
「………ビン?」
フリードが気にしていたのは大き目のビンだった。
中には青色のさらりとした液体が入っているだけで、ラベルもなにもない。
いや、元は張ってあったのだろうが、はがれてしまった様だ。
「なに?それ」
「なにかの薬品でしょうか?でもなんでって書庫なんかに?」
疑問に思う槍使い。
その答えを探す為、エルスはビンのあった本棚を調べた。
「あ。これ、そのビンの中身の説明書みたい」
エルスは一枚のメモを見つけた。
「……なるほど。その中の青い液体と緑色の錠剤を混ぜると、強力な接着剤になるみたい」
「接着剤?」
「うん。一度くっつくと、専用の薬品を使わないと取れないって書いてある。すごい、一度くっつくとスクリーパーでも引きはがせないって」
「スクリーパーでも…ですか。そのビン、持って行った方がいいかもしれませんね。スクリーパーがアレ一匹とは限らないですし」
「確かにそうだけど…緑色の錠剤がないと使えないんでしょ?」
エリオの言葉にトモエが部屋の中を見回しながら言った。
少なくとも、この部屋に緑色の錠剤がはない事は確かだ。
「それは探すしかないですね。でも、もし見つかればかなり使えると思いません?」
「ーー何がかなり使えるんだ?」
「「「「!!?」」」」
突然聞こえてきた聞き覚えのある声の方を四人が向くと、もう一つの扉からシグナムが入ってきた。
後ろにはファニルの姿もある。
「わあ!凄いです!こんな場所があったんですね!!」
「ファニル殿、探索は後にしてください。それにしても…」
シグナムはエリオ達が入ってきた扉に詰まっているスクリーパーを見ながら、
「無事でなによりだ」
と言った。
「副隊長もご無事だったんですね」
「まあな。だが、非常に困った事態になったぞ」
エリオの言葉に答えると、シグナムは真剣な表情になった。
「と言うと?」
「この遺跡の出入り口はどうやら我々が入ったあそこしかないらしい。しかも、開け方はわからない」
「なら壊すしか…」
「随分過激だなトモエ。それもありだが、この遺跡の材質はかなり頑丈だ。我々が力を合わせても力尽きる前に破壊できるかはわからない」
「じゃあ、外の救援を待つしかないって事ですか?」
「実は…外に出られる場所を見つけた」
エルスの言葉にシグナムは非常に言い難そうにそう言った。
「じゃあ、そこからで出られるんですね?…でも、さっき出入り口は最初のあの場所しかないって…」
キャロはシグナムの言葉に前半は嬉しそうに、後半は不思議そうに言った。
「ああ。元々あった出口ではない」
「ひょっとして、さっきの何かが崩れた様な音…」
シグナムの言葉にエリオは先程聞こえた音を思い出した。
「ああ、そうだ。あの時天井が崩れたんだ…」
何故か四人から目を逸らしながら語るシグナム。
先程からの彼女の態度に四人は嫌な予感がした。
「あの…副隊長、なにか問題があるんですか?」
四人を代表してエリオが聞いてみた。
「ああ、そのなんだ…どうやら瓦礫と一緒に落ちてきた…というより”アレ”のせいで崩れたらしい…その、いるんだ。その穴の真下に」
「いるって…スクリーパーですか?」
「そうだ。あそこにいるのも一緒に落ちてきたんだろう。わたし達が通り過ぎた後、音を聞いて戻るまでの間にお前達の方に向かったんだろうな…」
扉で詰まっているスクリーパーを見つめながらシグナムはそう語った。
シグナムの言い方に、気づいたのはキャロだった。
「まさか…落ちてきたスクリーパーって…」
「そうだ。ナイト級だ」
「「「な!!?」」」
なんと、唯一の出口となる場所の下に今扉で詰まっているスクリーパーよりもさらに一段上のスクリーパーがいると言うのだ。
「ルークまでならなんとかなるが、魔力制限を掛けられたこの身でナイトスクリーパーに戦いを挑むのは無謀だ。いや、そもそも魔力をフルに使っても勝てるかどうかわからない相手だ」
シグナムの言葉が四人に更なる絶望を与える。
シグナムの強さを知っているだけに余計に。
「制限を解くにも、外との連絡は取れない…」
魔力出力リミッターを解除するには部隊長であるはやての認証がいる。
「幸いなのは、ナイトスクリーパーは尾を瓦礫に挟まれて動けない事です」
ファニルの言葉が唯一の救いか。
「でもそれも何時まで持つか…」
って、その救いをすぐに取り消してどうする。
「ああう…ごめんなさい。やっぱりわたし、ダメダメです」
いや…そういうつもりで言ったのでは…。
「ところで、先程から気になっていたのですが…そのビンは一体なんですか?」
ファニルがそんな事を聞いたのでエリオは、
「強力な接着剤の材料です。これの他に緑色の錠剤を混ぜるとスクリーパーも離れられなくなるそうです」
と答えた。
「強力な接着剤…それは使えるぞ」
その言葉にシグナムはある考えが浮かんだ。
「ナイトスクリーパーの武器は猛毒の牙と口から吐くブレスだ。なら、口にその接着剤を放り込めば、戦闘力は激減する」
「なるほど。それはいいかもしれませんね」
シグナムの言葉に賛同するファニル。
「でも…緑色の錠剤がないと…」
「その錠剤なら見つけました」
エルスの言葉にファニルはそう返した。
その言葉に希望が湧く四人。
「それはどこに!?」
エリオの言葉にファニルは答えた。
「はい。スクリーパーがいるそばの部屋の中です!」
四人の視界はフェードアウトした。

「いいか?エリオ、鍵はお前だ」
外に通じる穴があり、ナイトスクリーパーがいる部屋の扉の前で、シグナムはエリオにそう言った。
「六課でテスタロッサに次ぐ速さを持つお前ならナイトスクリーパーの攻撃を避け、緑色の錠剤がある部屋まで入れるはずだ」
「わかりました!」
「残りの者は、エリオの援護だ!行くぞ!」
「「「「はい!!」」」」
扉を開けると、そこにはエリオの想像を超える存在がいた。
蛇の様に鎌首を上げたエイ、そう表現するのが正しいスクリーパーがそこにいた。
身体の上の方は黒く、下の方は白く、エイの鰭に当たる部分には白い楕円形の模様があった。
真っ赤な口には牙が並んでおり、鰭の先にも大きな棘が生えていた。
だが、何よりエリオを驚かせたのはやはりその大きさだった。
体長は先程のルークの倍以上はあるのだ。
それが見下ろしてくる恐怖は相当なものだった。
無論、ナイト級を実際に見た事のないのはキャロやエルスやトモエも一緒だったが、彼の場合予備知識なくこの怪物と出くわしたため、その恐怖は特に強かった。
「GEFUEE」
威嚇するナイトスクリーパーに、ますます恐怖が込み上げてくるエリオ。
その様子を見たシグナムは、
(しまった…いくら才能あるとは言ってもまだ子供。こいつを見て恐怖を感じないはずはないのはわかっていたはずだ!)
自分の考えの甘さに腹が立った。
「しかたない!」
シグナムはナイトスクリーパーに斬り掛かった。
「たあああああ!!!紫電一閃!!」
ーードウン。
居合の要領で放たれた一撃は、ナイトスクリーパーに直撃した。
鋼鉄のガジェットをも斬り裂く一撃を受けたナイトスクリーパーは、
「GYARARARARA!!」
悲鳴をあげた。
ーーそれだけだった。
身体を反り返しただけで、すぐに元の体勢に戻ると、その大きな頭をシグナムに叩き付けた。
「ぐわ!!」
「GEEFUEE!!」
ナイトスクリーパーは再び天井を仰いだ。
だが、今度は痛みによるものではない。
攻撃の為の予備動作だった。
「っく…!」
シグナムは転がった。
そのすぐ後に、ナイトスクリーパーが吐かれたブレスがシグナムの倒れていた場所に命中した。
「副隊長!!行って!フリード!竜魂召喚!!」
「ぐおおおおおん!!」
本来の大きさに戻ったフリードは、ナイトスクリーパーにも匹敵した。
「これは…接着剤いらないんじゃない?」
トモエはそう言ったが…。
「無理です」
と、キャロはばっさりと言った。
「確かに身体の大きさなら互角かもしれません。でも、まだフリードは子供なんです。大人の飛竜でさえ、ナイトクラスを相手に戦うなんて無謀な事なんです…」
「といことは…」
キャロの言葉を聞いたトモエはエリオを蹴り飛ばした。
「げふ!!」
「トモエさん!何を!?」
「トモエちゃん!?」
トモエは蹴ったエリオには目もくれず、彼が先程拾った傀儡兵の槍を持ってスクリーパーの方に歩きだした。
「さっさと錠剤もって来ないと、殺すわよ」
最後にそう言うと、トモエはナイトスクリーパーに向かって行った。
「トモエ!何しに来た!?」
その行動に驚くシグナム。
「この槍はスクリーパーに対してそれなりに有効なんですよ!!」
そう言うと、真の姿に戻ったフリードの噛みつくナイトスクリーパーに斬り掛かった。
「GYARARARARARARAAAA!!!」
「確かに効いているな…」
一方のエリオは…。
「エリオ君、大丈夫?」
「大丈夫だよ、キャロ…」
エリオはそう言うと、立ち上がった。
「行ってくるよ。じゃないと、ナイトスクリーパーより怖い人に殺さられちゃうからね」
エリオはそう言うとストラーダを水平に構えた。
「行くぞ!ストラーダ!!」
『yes!mymaster!!』
「今回は英語なんだ…」
ほっとけ!!
エリオは得意の高速移動魔法を展開、ストラーダを前に一気に加速した。
(目指すは、あのドア!!ナイトスクリーパーは、副隊長達が相手をしてくれている!!だから大丈夫だ!!)
自分をそう奮い立たせるエリオの進路上に、トモエが吹っ飛ばされたのは次の瞬間だった。
「って?ええええ!!!?」
避ける間もなく、トモエに激突するエリオ。
ストラーダを上に向けて、トモエに刺さるのだけは回避したが、その代わり人口ジェムデバイスのローブであるアーマに顔面からぶつかってしまう。
しかもこのアーマ、結構ゴツゴツ(場所によっては尖っている)しているからたまったものではない。
「ぅぅぅ…鼻を打った…口の中切った…」
むしろその程度で済んだ方が幸運だろう。
「何してんのよ!このゴミ屑が!!」
「そっちが勝手に人の進路に落ちたんじゃないですか!!」
ゴミ屑呼ばわりされだ事で、普段は温厚で紳士(ヘタレとも言う)なエリオも怒った。
「うるさいんだよ!!さっさと錠剤取ってこい!!」
「あ~わかりました!取ってくればいいんでしょ!取ってくれば!!」
エリオは再び高速移動魔法を使った。
そして今度こそ緑色の錠剤があるという部屋に入った。
「ええと、ええと…あった!」
あの青色の液体の入ったビンと比べると小さなビンの中に入った緑色の錠剤を掴むと、エリオはキャロとエルスの元に急いで戻った。
途中、またナイトスクリーパーに吹っ飛ばされたトモエとぶつかり、また口論するが、今度はシグナムが止め(脅し)た為すぐに戻った。
幸いにも、ナイトスクリーパーの関心は自分に匹敵する大きさのフリードにある為、エリオもトモエもシグナムも、あまり狙われる事はなかった。
キャロが持っていた青色の液体の入ったビンにエリオは早速緑色の錠剤を混ぜてみる。
「色が変わった!」
紫色となった接着剤を片手に、エリオはシグナムに向かって走った。
「シグナム副隊長!接着剤です!!」
「よし!」
エリオから接着剤のビンを受け取ると、シグナムはナイトスクリーパーに向かって飛んだ。
「キャロ!エルスティン!ナイトスクリーパーの動きを止めろ!!」
「「はい!」」
二人は詠唱を開始し、
「アルケミック・チェーン!!」
「チェーン・バインド!!」
キャロの召喚された無機物自動操作魔法の付与された鎖と魔力の鎖がナイトスクリーパーの身体を縛りあげ拘束する。
「GYARARARARAAAAA!!!」
「喰らえ!!」
シグナムは叫びながら拘束を逃れようとするナイトスクリーパーの口目掛けてビンを投げた。
タイミングは完璧だった。
ビンが口の中に入ったと同時にナイトスクリーパーは口を閉じたのだ。
「ーー!!」
すぐに口を開けるナイトスクリーパーだが、次の瞬間、その口が動かなくなった。
「ーーよし!今のうちに攻撃をするんだ!!」
「「「「はい!!」」」」
返事をすると、四人は攻撃を開始した。
「メッサー・アングリフ!!」
「ヴァルハラ・ストラッシュ!!」
「フリード!ブラスト・フレア!!」
「ぐおおおお!!」
「ええと…あ、わたし…ナイトに効く程の魔法ない…」
「「ないんかい!!」」
「エリオ君!トモエちゃん!押さえて!!」
「何をやっているんだあいつらは…」
シグナムは呆れながらもボーゲンフォルムになったレヴァンティンを構えた。
「正直、リミッターつきでどれほど威力があるのかはわからないが、ナイトスクリーパーを倒すのに、これ以上の技は持っていないからな…」
弓の形となったレヴァンティンの弦を引き、シグナムは叫んだ。
「翔けよ!隼!!」
『シュツルムファルケン!!』
「てぇ!!」
放たれた魔力の矢は、見事ナイトスクリーパーの口の中に飛び込み、その体内で爆発、爆炎と衝撃波でその体内をズタズタに破壊した。
「ーーっく!まだ倒れないのか!!」
口から血と煙とを吐き出しながらも、ナイトスクリーパーは立っていた。
「いくら出力制限が掛けられているとはいえ…アレに耐えるとは…!!」
苦渋の表情のシグナムを、瞳のない顔を向けたナイトスクリーパーは、
「GURURURURURURU」
そう唸ると、動きを止めた。
「やった…倒した?」
呟くキャロ。
ナイトスクリーパーは完全に死んだ訳ではないが、それでもその命が消えるのも時間の問題だった。
「やった…勝った!!」
六課初のナイトスクリーパーとの戦闘は、大勝利で終わったのだった。

次回予告
ニナ「うふふ、麻衣ちゃん」
ティアナ「えへへへ、亜美っけかあいいよ」
ヴィータ「誰だ!あの二人に酒飲ませたの!!中の人同士が呼び合う呼び合い方でお互いの事呼んでるぞ!!」
スバル「呼び合う多いですね」
なのは「次回、黒き民」
アリカ「次回も遺跡なんですね」

あとがき
はい。グローランサー5からスクリーパーに続きファニル登場です。
ちなみに彼女の出番はもうない予定です。
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