「なんだ!?」
突然響いた声に驚く一同。
『あそこコン!』
と、九尾がある一点を指差した。
「どこだ?」
『言ってみただけコン』
「「おいいいいいいいいいいいいい!!」」
さやかとリョウが九尾にツッコム。
と、かちゃりという音と共に鏡を手に持った王族の格好をしたミイラが現れた。
『「「「ハムナプトラ!!」」」』
その姿に叫ぶライト組み。
「ハムナプトラ?」
「あ、ミイラが蘇る話だよね?」
「お詳しいんですね。なのはさん」
「テレビで見たから」
『む!あの鏡は!?』
ほのぼのと会話するなのはと仁美を背後に九尾はミイラが持つ鏡を見て叫んだ。
『王の神殿に土足で踏み込んだものには罰だ…』
ミイラはそう言うと、片腕をあげた。
すると周りに飾ってある石像が動き出した。
先程九尾を潰した石像も。
「なにいいいいいいいいいいいいいい!!」
「っ!レイジングハート!!」
なのははデバイスを構える。
(あの子達を守らないと!!)
そう思うなのはだったが、彼女が行動を起こす前に石像達が彼女達に襲い掛かる。
そのあまりの速さになのはとヴィータは自分達は自分を守るのに精一杯。
ユーノも自分とたまたま近くにいた仁美を守るので精一杯だった。
結果、さやかとリョウと九尾へのガードが間に合わなかった。
「『ぎゃああああああああああああああああ!!』」
石像群にボコボコにされ悲鳴をあげるリョウと九尾だが、さやかの悲鳴がない。
(まさか…)
最初の一撃で最悪の結果になったのかと思ったなのは達だったが、
ズバシ、バシュ、シュン。
さやか達に群がった石像達に閃光が走ったと思った瞬間、石像がバラバラになった。
『なに!?』
驚くミイラ王。
それはなのは達も同じだった。
バラバラになった石像達の中から出てきたのさやかの姿はマントを纏った姿に変わっていた。
両手には剣を持った彼女その剣で石像を斬ったらしい。
(この子…魔導師!?)
驚くなのは達。
さやかはふっと笑うと、
「いたあああああああああああああああああああ!!手が手があああああああああああああ!!しびれたあああああああああああああああああああ!!」
剣を落として暫く跳ね回る。
そりゃあ剣で硬い石像を叩き斬れば手も痺れるってもんですよ。
「……………」
その光景に呆れるなのはとユーノ。
「アイゼン!!」
ヴィータはデバイスの名を叫ぶと、彼女の愛器グラーフアイゼンを振り回し周辺の石像を粉砕する。
『なに!?』
驚くミイラ。
「なのは!」
ヴィータは叫ぶと、
「任せて!レイジングハート!!」
なのははミイラにレイジングハート向けて叫ぶ。
不屈の心の名を持つデバイスの先端に桜色の魔力光が灯る。
『コン!それは駄目コン!!』
瓦礫と化した石像の下から這い出てきた九尾は叫ぶ。
が、その言葉はなのはに届く事はなく、魔力砲が放たれる。
「ディバイイイン・バスターーーーーーーーーー!!」
全てを飲み込む桜色の奔流が、ミイラに向かって突き進む。
終わった。
そんな言葉が一同の頭に浮かんだ。
その威力を身を持って知っているヴィータやユーノは勿論、さやかや仁美も思った。
ちなみにリョウは瓦礫の下なので見ていない。
が、一同の予想を裏切る事態が起こる。
『愚かな…』
ミイラはそう言うと、手に持っていた鏡をディバインバスターに向ける。
するとなんとディバインバスターはまるで鏡に反射したかのようになのはに向かって跳ね返ってきたのだ。
「ーー!」
咄嗟に避けるなのは。
「ぐ!」
返って来た砲撃がかすり呻くなのは。
高町なのはの砲撃魔法は生半可な防御では防げないどころかその防御をも貫通する程の威力をも誇る。
その分かすっただけでも相当なダメージとなる。
「なのは!」
「大丈夫か!」
慌てて駆け寄るユーノとヴィータ。
「うん…。何とか………っ!それよりも…」
かすった肩を押さえるなのはだが、それよりも気になるのが、
「なにあの鏡?ディバインバスターをはね返すなんて…」
無論、なのはのとて無敵ではない。
このディバインバスターを防いだ者は少ないがいる(ユーノもその一人)
かわした者もいる(彼女の親友が正にそれ)
同じバスターで相殺した者さえいた(もう一人の親友がやってのけた)
が、はね返されたのは、流石に初めての経験だった。
「まさか…アレは…」
さやかが驚いた様子で鏡を凝視する。
「さやかさん、あの鏡を知っているんですか!?」
仁美の言葉にさやかはうなずきながら、
「間違いない!あれは伝説の防具、シャハルの鏡!!」
と叫んだ。
『んな訳ないコン。あれがシグマに見えるコン?』
九尾にツッコまれたさやか。
「うわああああああああああああん!!妖怪畜生にツッコまれたああああああああああああああ!!!!」
余程ショックだったのだろう、泣き叫ぶさやか。
『あれはリョウの刀と同じ神器の一つコンよ!!』
泣き叫ぶさやかを無視して九尾は珍しく、本当に珍しく真面目な様子でそう言った。
「なに!?俺のと同じだと!?」
九尾の言葉に瓦礫は跳ね上げ起き上がるリョウ。
『そうコン!あの鏡は相手の攻撃を弾き返す防具コン!』
「でも、何故日本の神様の持ち物が異世界にあるんですか?」
仁美のもっともな疑問に九尾は、
『それは持っていた神様の一人が異世界に旅行に行った際に一つ落としたと言っていたからきっとあれがそうコンよ』
と、サラッと答えた。
「異世界に旅行って…流石神様…」
「そんな迷惑なもん落とすなよ!!」
感心した様に言うさやかと怒りの声をあげるヴィータ。
「だったら話は早い!」
そう言うとさやかは駆け出した。
ミイラが残った石像に捕まえるよう指示を出すが、生憎とそう簡単に捕まるほどさやかは遅くない。
そして…、
ザス。
「直接攻撃するすればいいだけの事」
ミイラの後ろから剣を突き立てながらそう言うさやか。
なるほどと思う仁美とリョウ。
一方なのははいい着眼点をしているね。と教官としての発言をしてヴィータに呆れた顔をさせた。
『おのれ…無礼者が!!』
ミイラはそう言うとさやかに向かって魔力波を撃つ。
「あべし!」
その一撃に吹っ飛ぶさやか。
「いててて…ん?」
さやかの前にどっからか取り出した杖を向けるミイラ。
すでに杖の先端には魔力がこもっている。
「さやかさん!」
「やらせるか!」
悲鳴をあげる仁美の横をヴィータが駆け抜ける。
「潰れろ!!」
が、ミイラがヴィータに向かって鏡を向けた瞬間、ヴィータは跳ね飛ばされた。
「うわ!」
「物理攻撃も反射するのか!?」
驚くユーノ。
『流石神器コン』
「感心している場合か!?」
リョウは九尾に文句を言いながらその頭を掴む。
『コン?なにするコン?』
「くらえ…魂の妖怪狐アタアアアアアアアアアアアアアアアアアアック
『コーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!?』
なんとリョウはミイラに向かって九尾を放り投げた。
九尾がぶつかった衝撃でミイラはバランスを崩し倒れる、攻撃を中断してしまう。
その隙にさやかはミイラのわき腹を剣で薙ぎ、そのままみんなの元に戻った。
「サンキュー」
「いや…彼は大丈夫なのかい!?」
リョウのあんまりな行動に呆気に取られるなのは達。
ユーノの言葉にリョウは、
「ん?」
と言って九尾を見た。
ミイラの魔力のこもった杖で九尾が叩かれている所だった。
『ぎゅえええええええええええええ!!』
「う~ん。ぐえならともかくぎゅええって普通ないよな」
「いや!そう言う事じゃなくて…」
『王の裁きを見よ!!』
ミイラはそう言って杖を振り上げると、魔法陣が出現して先程の石像が出現した。
その数、とてもたくさん。
しかもさやかが破壊した石像までもとに戻っていく。
「なんて数だ!」
「うっそ!!いくら雑魚戦闘員は沢山でるからって出すぎじゃない!?」
「きゃああああ!!」
「これは!みんな一旦引くよ!!」
「了解!」
「しゃあねえな!!」
ユーノの言葉に従い、全員は後ろに向かってダッシュした。
『コ~ン。コンを忘れないで~』
と、そんな声が石像の群れーー正確にはミイラの足元から声が聞こえてきた。
「あ、九尾さんの事を忘れていました」
仁美の言葉にさやかとリョウは一秒程考え、
「「まいっか…」」
「そうですね…九尾さんならきっと大丈夫ですよね」
「お前らな…」
薄情な事を言う三人に思わず呻くヴィータだった。
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