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書いてて思った。長い!
後、次回のタイトル、怖い!!
後、ユーノが出てない!!!
まあ彼は元では出なかった分、この小説で活躍するからいいけど(いいんかい!)
そう言えば、世の中にはユーなの信者とフェイなの(なのフェイ)信者がいるが、どっちが多いんでしょうね?
ちなみにわたしはどちらかと言うとユーなの派。

魔法少女リリカルなのは×舞‐乙HIME

 ~THE HARMONIUM SONG~

第七話 スクリーパー来襲、ホテル・アグスタの攻防

凪からの情報を元に機動六課はホテル・アグスタでの貴重品オークション会場の警備を受け持つ事となった。
なお、会場にはレリックがあるとの事だったが…

ーー?????ーー

「え?ないの?レリック」
「ないはずだが」
「困ったな…煤渡りに怒られるよ」
白衣の男の言葉に凪は頭をかいた。
「一体どうしたのかね?」
「いや~。あそこに六課のみんなを招待したんだけど、さ。レリックがあるって言って…」
「ほう!それは面白い事になった。安心したまえ、あそこにはわたしの求めるものがある。どの道あそこには襲撃を掛ける予定だ。それにクライアントのリハビリも兼ねているからね」
白衣の男はそう言うとどこかに通信を入れ始めた。
「っむ?チャッ拒かね?つながらない」
ーーッピ。
白衣の男がそう呟くと、フードを被った一人の男が通信に出た。
『何がつながらないんだ?』
「む?つながったようだ」
『何の用だ?スカリエッティ』
男の質問に白衣の男ーージェイル・スカリエッティは芝居がかった仕草で、
「なに、少し頼み事をしたい。アグスタというホテルは知っているかね?」
「そこのオークション会場にスカりんの欲しい物があるから手伝ってくれないかな?」
『断る』
「「即答?」」
『その様な場所で行われるオークションでレリックの様な危険な代物が出る訳がない。我々が協力しあう時はレリック絡みの時だけだ』
男は明らかな敵意を持ってそう言い放った。
「嫌われた様だね」
スカリエッティは肩をすくめた。
「ほらほら。そんな事言わずにっさ、スカりんだってこんなに頭下げてるんだし」
『何時下げた?』
凪のひょうひょうとした言葉も軽く受け流す男。
「(ねえスカりん。僕、彼ちょっと苦手だよ)」
「(ふむ。まあ、無愛想な男だからな)」
『用件はそれだけか?なら切るぞ』
男がそう言った時、別の声が通信用映像から聞こえた。
『わたしは手伝ってもいいよ』
『ルーテシア?』
ルーテシアと呼ばれた少女にスカリエッティは嬉しそうに話掛けた。
「おお、ルーテシア。君は優しいね」
『ゼストやアギトはドクターや凪の事嫌うけど…』
「なんか続けて言われるとドクター柳って言われたみたい」
『わたしは二人の事そんなに嫌いじゃない』
「おお、ますますもって優しいな君は。後でお茶とお菓子をあげよう」
「いやスカりん。そんなにって言われてるよ。そんなにって」
『…………ルーテシアがこう言うのならばしかたない。俺も行こう』
男ーーゼストは諦めた様にそう言った。
「おお、君も行ってくれるか。何、ホテルの警備はこちらで引き付けるから君達が直接戦う必要はない。では早速地図を」
『いらん。あのホテルの場所なら知っている。オークションは何時始まる?』
「七日後だ。間に合うかね?」
『ああ』
「では当日に」
そう言って通信を切ろうとしたスカリエッティの手を凪が止めた。
「騎士ゼスト、わかってると思うけど…」
『裏切る様な真似はせん』
「ならいいんだ」
『ーーふん』
ーーッピ。
「君も疑り深いな」
「まあね。でも、ああいう自分の信念をちゃんと持っている人って扱いやすいからいいけどっさ」
スカリエッティをにこやかに見つめながら、
「君みたいな何を考えているかわからない人は、ね」
「その言葉、そのまま君に返そう」
凪の言わんとする事を察し、スカリエッティはニヤッと笑った。
「くす。僕を裏切っちゃあ駄目だよ」
そう言う凪だったが、彼はそしてスカリエッティもまた確信があった。
決してお互いを裏切る事はないと。
何故なら互いにとって初めてであり、唯一の”親友”と呼べる存在だからだ。

ーー機動六課・移動用ヘリ内ーー

「ガジェットを裏から操っていると思われるのがこの男。ジェイル・スカリエッティ。非合法の実験等で広域指名手配されている」
フェイトの説明に画面に映るスカリエッティの顔をよく見る一同。
「この前に貨物船の中のガジェットの残骸に残されたデータにスカリエッティの名前が発見されたんや。まあ、この件はフェイト隊長が捜査するけど、みんなも一応覚えといてや」
「「「「「「「「はい」」」」」」」」
ええ返事やなぁ、と思いながらはやては話を続けた。
「現場の警備態勢やけど、あたしと隊長二人が中の方を担当する。フォワードのみんなは外の方担当や。現場には昨日から副隊長二人が警備にあたっとる」
「あの…シャマル先生」
キャロはシャマルの足元に置かれた三つのスーツケースが気になってしかたなかった為、意を決して(そこまでの事ではないが)質問してみた。
「なあに?」
「そのカバンは一体?」
「ああこれ?」
質問を受けたシャマルは嬉しそうに、
「隊長達のお・し・ご・と・ぎ」
と言った。
「ーーあう?」
「…どうしたの?アリカ」
「ねえねえ、あので~っかい穴、なに?」
「え?」
言われて外を見るスバルの目に森の中にぽっかりとあいた巨大な穴が見えた。
「うわ、でか!レリックが爆発した後みたい…なのはさん、なにか知ってますか?」
「ふえ?えーと…フェイトちゃん。パス」
「ええええ!?シャマル先生…」
「お返しします」
「ええええええ!!!?は…はやて!!」
「いや、あたしも知らへんよ。いつも見るたんびに気にはなってたんやけど…何かの爆発後ってわけでもあらへんみたいやし…」
「リインも知りません」
アリカの一言から混乱する隊長+α
「むかしむかし、恐ろしい悪魔がおりました。悪魔たくさんの分身と共に人々を襲い、喰らっていきました。悪魔の力は恐ろしく、その力は海を割り、大地をえぐりました。しかし、聖なる王が祈りをささげると、天から悪魔を光が降りて悪魔を大地に封じ込めました」
悩む一同の中、トモエが歌う様に語った。
「ええ!?」
「あ。その悪魔の伝承、聞いた事があります」
トモエの語った内容と似たものを昔キャロは聞いた事があった。
「巨大な悪魔の話。真竜すらもしのぐ巨体で一撃で大地よ焼き尽くしたという。最後は天の光で倒されたって内容ですけど…わたしの一族に伝わる伝承です」
「似てるわね。巨大で、ものすごい力を持っていて、最後は天からの光で倒されたってとこまで」
キャロの語った伝承に興味を持つトモエ。
「あ、それだけじゃありません。悪魔が倒された場所は今もたくさんの手下が守っているって」
「あら、手下がいるのも一緒なのね」
キャロの補足にますます興味を持つトモエ。
「へー、そんなすごいのがいたんだ…」
二人の話に関心するアリカ。、
「まあ、昔の話やしな…ほんとかどうかはわからへんけど、ロストロギアにはもっと強力なものがあるんやから、ありえへんとは言えへんな…」
一人うんうん頷くはやて。
「トモエさんは伝承とか、詳しいんですか」
「まあ、なんとなく調べてしるだけよ。そういえば、天の魔書導に悪魔を封印したなんて話もあったわね」
「悪魔かぁ…」
スバルはもう一度穴(崖といった方が正しい)を見た。
「……………」
ーーおのれ…許さん、許さんぞ!!
「ーー!!?」
「どうしたのよ?スバル」
突然驚いた顔をした相棒にティアナは不思議そうな顔をいた。
「ティア…今、何か言った?許さぬとか何とか…」
「はぁ!?なに訳のわかんない事言ってんのよ?寝ぼけてんの?」
「あはは…そうみたい……」
「?」
(なに…今の声……?頭の中でした…念話とは違う…違う…頭の中とは少し違う。なんて言うか…全身の細胞から聞こえてきたって感じ………)
言い知れぬ不安を誤魔化す様にスバルはたまたま自分の足元に寝そべっていたザフィーラの頭を撫でた。
「あら、ザフィーラ。貴方いたの?」
シャマル先生、それはひどくない?

ーーホテル・アグスタ周辺の森ーー

「ーーむ!また地震か…ルーテシア、大丈夫か?」
ホテル・アグスタを目指していたゼストとルーテシアは突然の地震に足を止めた。
地震といっても、少し揺れたバランスを崩す程度しかない。
「それにしても最近多いな…っむ!?」
辺りを見回したゼストは何かを見つけ、そこに駆け寄った。
「……どうしたの?ゼスト」
「………この辺りは危険かもしれん…」
ゼストの見つめる先には何か大きなものが這った跡があった。
「それ………ドクターの機械のものじゃないね」
ガジェットドローンは浮遊して移動する。
その為この様な跡は決してつかない。
「ああ、これはスクリーパーのものだ。この跡からしてポーンクラスだろうが…しかし、こんな内陸にいるとは…」
「やっぱり…でも、ポーンならゼストがいれば大丈夫だよね?」
「これ一体なら退けるのは難しくない。だが、もし他にもいれば話は別だ」
(なによりこの跡…アグスタに向かっている…)
「急ごう。なるべく無駄な戦いはしたくない」

ーーホテル・アグスターー

「ねえスバルちゃん…」
「なあに?アリカ…」
「隊長達のドレス姿、奇麗だったね」
「うん。さっすが、隊長達だわ」
オークション会場を警護する為、目立たないようドレス姿で警護している隊長達三人を思い浮かべたスバルは思わず顔がにやける。
「……スバル、顔が変ですよ。もっとまじめに警備してください」
二人の上でふよふよ浮いていたリインフォースⅡ(ツヴァイ)から注意が飛ぶ。
「はい、すいません」
素直に謝るスバル。
そこにティアナから念話が届いた。
「(スバル、聞いてる?)」
「(ああ、ティア。どうしたの?)」
「(いや、今回の警備すごいわね。隊長陣全員にシャマル先生、ザフィーラも)」
「(あの~。ちょっといい?)」
スバティアの念話に割り込むアリカ。
「(あの…ザフィーラって、なんなの?)」
「(八神部隊長の個人戦力なんでって。シャマル先生と副隊長二人、それからリイン空曹長の計六人)」
「(ああ。それで三人の時は四神家)」
それは忘れろ。
「(スバル…あんたやけにくわしいわね…)」
「(えへへ。お父さんやギン姉に聞いたんだ。でも八神部隊長の出自なんかわ教えてもらえなかった。なんか、秘密なんだって)」
「(特秘事項ね。レアスキル持ちは大概そうよね)」
(でも、一体どんな裏技を使ったのか知らないけど、六課の人員は優秀を通り越して異常だわ。部隊長と隊長二人はオーバーS。副隊長二人もニアS、ロングアーチの面々も若いけど将来有望な者ばかり…)
スバルとの念話中、ティアナはふとそんな事を考えた。
(新人組だって、おちょこちょいだけど温かい家族に支えられ、しかもウィングロードなんて固有魔法まで持っているスバル。あの歳で陸戦ランクBで魔力変換スキルも持ったエリオ。竜召喚なんて裏技を持つキャロ。あの四人だって優秀、特にニナの才能は群を抜いているわ。魔法に触れて半年も経っていないのにあそこまでの実力を身に付けたアリカだって…)
「考えれば考える程、なんでってあたしはこの部隊にいるんだろう…」
最後は思わず声に出してしまうティアナ。
だが、彼女の心の内から出た言葉を聞いている者など…
「随分と後ろ向きなのね」
いた。
「うわぁ!?びっくりした!!」
ティアナは考えに夢中になりすぎて一緒に警備していたニナの存在を忘れていた。
「………念話」
「へ?………あ」
指摘され、スバルがずっと呼んでいる事に気付いた。
「(ああ、ごめん。何の話だったけ?)」
「(ティアナは犬派?猫派?)」
「(なんであの話からそこに行くのよ!!)」

ーーアグスタ・オークション会場ーー

「ホテル付けるの面倒になったみたい」
「あの…フェイトちゃん?一体なんの話?」
「あ…ごめん、なのは。こっちっていうか上の話」
「…?」
「それより…」
フェイトはオークション会場を見回した。
「会場内の警備は万全だね。大抵の問題はわたし達抜きで大丈夫だね」
「そうだね。外は副隊長や新人達が固めているし、よほどの事がない限りここまでガジェットが来る事もないし、案外わたし達今回の任務暇かもね」
「でもちゃんと気を引き締めないと」
「そうだね」

ーーオークション会場入口ーー

「以上なしっと…」
入口の警備をするはやて。
格好がドレス姿な為、変な男に言い寄られたりしないのかしら?

ーーアグスタ・屋上ーー

「エルスティンちゃんってお胸大きいわね」
「え…シャマル先生だってそうじゃ…」
もしもし…一体なにしているんですかシャマル先生?
「うふ。はやてちゃん流のス・キ・ン・ス・ッ・プ」
早い話がセクハラですか。
ビー、ビー、ビー。
その時、シャマルのクラールビントのセンサーにガジェットの反応が。
「は!?」
「!」

ーーアグスタ周辺ーー

「三方向から向かう回収機械に対して六課の反応は副隊長二人と守護獣がそれぞれ担当ですか…」
森の中を一人の少女がいた。
彼女はまるで六課の通信を聞いたかの様にその内容を理解していた。
「残念ですね。隊長クラスと戦ってみたかったのですが…まあ、いいでしょう。どの道今回は陽動ですし」
少女は一人そう言うとアグスタに向けて歩き出した。

ーーオークション会場入り口ーー

「(今主催者に連絡を入れた)」
「なんやって?」
「(オークションの開催時刻は遅らすけど、中止にはできないって)」
「しかたあらへんな。ま、ここまでガジェットが来る事まないやろ」
フェイトからの念話にはやてはため息混じりでそう返した。
「じゃあ、また何かあったら」
「(了解)」
「おや、こんなところでお一人ですか?間もなくオークションが始まってしまいますよ」
フェイトからの念話が終了すると、一人の男がはやてに声を掛けてきた。
「いえいえ、こちとらこれでも仕事中ですので。どこぞの仕事サボって女の子口説く査察官の様に暇じゃないんで」
はやてはそう自分に声を掛けた男、ヴェロッサ・アコース査察官の胸に握り拳を軽くぶつけながら言った。
「ひどいな」
ヴェロッサは苦笑した。
「まあ、事実だけど」
って、事実なんかい。

ーースカリエッティラボーー

「突然だが何故わたしの名前は名前ではなく性なのかね?」
「じゃあ今日から君の事ジェイルって呼ぶ事にするよ」
「いや、そういう問題ではないのだよ」
『それで、一体なんの様だ?』
ほとんど漫才に近いスカリエッティと凪のやりとりに通信画面に映ったゼストは特に反応もなくそう言ってきた。
「ほんと、面白くない人だね」
「真面目だからな。おっと、わたしの用とは一人、こちら側の魔導師が敵に攻撃をするから間違えて攻撃しないでくれ。わたしが怒られる」
「あ。ジェイル、ジェイル。物凄い勢いで破壊されてるよ。君の玩具」
「おや本当だ。このままでは全滅も考えねば…まあ最初からアレに期待はしていないが」
『ドクター…』
「なんだね?ルーテシア」
『ドクターの玩具、借りていい?』
「好きにしたまえどうせ消耗品だ。わたしの作品を輝かせるための」

ーーアグスタ・玄関前ーー

ズドーン。
ドドーン。
「うわぁ…副隊長達すごく暴れてるみたい!」
周辺から聞こえる爆発音と森の向こうから時折見える爆煙が戦いの激しさと、シグナム、ヴィータ、ザフィーラの四神家の凄さを物語っていた。
「「「まだ引っ張るのか!!?四神家!!!!」」」
そんな声が聞こえた気がした。
「いや、たしかに聞こえたから」
ニナが手をパタパタと振りながらそう言った。
「それにしても凄い!あれで能力制限が掛けられているなんて…」
ティアナが呆然とした様に呟いた。
「はっ!?」
「どうしたの?キャロ」
「召喚魔法が使われています!」
「ええ!?」

ーーアグスタから少し離れた森ーー

召喚式魔方陣のから半透明の触手の様なものが三つ現れた。
その中には小さな球体がいくつも入っている。
球体の正体は召喚虫の卵。
ルーテシアの召喚魔法によって呼び出された卵は弾け、無数の召喚虫インゼクトを生み出す。
「行っておいで、インゼクト。気をつけて」
ルーテシアの言葉に答える様にインゼクトは四方に飛んで行った。

ーー戦闘地点・シグナムーー

「はあああ!!!」
ギイイイン!
シグナムの一閃がガジェットのボディが二つに斬られ、爆発した。
次の相手にシグナムが向いた時、何か光の様なものがガジェットにぶつかった。
「なんだ?」
取り合えず、目の前にいたガジェットⅢに斬り掛かるが、
ギィィィィン。
「なに!?」
ガジェットⅢはベルトアームを自分の前で交差させ、シグナムの鋭い一撃を受け止めたのだ。
「有人操作に切り替わった!?」
『みてえだな。あたしの攻撃も避けられた。あれは自動兵器の動きじゃねえ』
インゼクトがガジェットに入り込み、操作しているのだ。
無論、今のシグナム達にはわからないが。
「ヴィータ。一度新人の所まで戻るぞ。召喚師の方が回り込まれたら危険だ」
『ああ』
「ザフィーラも聞こえたな」
『ああ』
ーーだが。
『しかしシグナム…どうやら、召喚師は我々を素直に戻す気はないらしい』
「らしいな」
引き上げる素振りを見せた瞬間、ガジェットはここぞとばかりに攻撃を仕掛けた。

ーー戦闘地点・ヴィーターー

「邪魔すんじゃ…ねえ!!!!」
レーザーを打ちまくるガジェットに悪態をつきながら鉄球を打ち出すヴィータ。
だが、ガジェットは一度攻撃をするとすぐ散り散りに逃げだしてしまい、中々思う様に攻撃が当たらない。
「くそ!」

ーーアグスタ・玄関前ーー

突然スバル達の前に魔方陣が現れ、そこからガジェットが現れた。
「嘘!召喚魔法って、あんなのもできるの!?」
「一流の召喚師は一流の転送魔法の使い手でもあるんです!」
スバルの悲鳴じみた驚きにキャロが鋭い口調で答えた。
コードやらベルトアームを伸ばしながらスバル達に襲い掛かろうとガジェットだったが。
ーードクン。
「ーー!!」

ーーアグスタから少し離れた森ーー

「……………!?」
「どうした、ルーテシア?」
ルーテシアの様子にゼストは心配そうに声を掛けた。
「インゼクターが…怯えてる……」
「なに?」
「ううん、インゼクターだけじゃない。この森の全ての生き物が怯えてる…」

ーーアグスタ・玄関前ーー

「………?ガジェットの動きが止まった?」
急に動きを止めたガジェットに不審そうな顔をするティアナ。
「………フリード?」
自分の召喚竜の様子に心配そうにするキャロ。
「きゅ~きゅ~!」
「どうしたの?」
「あ。アリカさん…フリードが急に怯えだして…こんなに怯えているのは初めてです」
「一体なんだって言うのよ…スバル?」
不気味に思いながら自分の相棒に声を掛けるティアナだが、スバルからの返事がない。
気になったが、目の前のガジェットから目を逸らす訳にもいかない為、スバルの方を見る訳にはいかなかった。
「スバルちゃん?」
気になったアリカがスバルの顔を覗いた。
「ーー!!」
スバルの顔を見たアリカは声にならないくらい驚いた。
スバルの翡翠色の瞳が金色に染まっていた。
「スバルちゃん…」
その時、アリカは思い出した。
地震が起こった時、スバルの顔にあった違和感、それは瞳の色だ。
あの時も、瞳の色が金色に染まっていた。
「少し…驚かしてしまいましたか…」
その声は、そんな時に聞こえてきた。
「「「「「「「「ーー!!??」」」」」」」」
驚いて後ろを振り向く一同はさらに驚いた。
そこにいたのは少女だった。
だが一同を驚かせたのはその少女の容姿だった。
その姿、その声、そのバリアジャケット、そのデバイスの全てが似ていたからだ。
自分達の教導官にして上司である高町なのはに。

ーーオークション会場ーー

「あれ?あんたらってたしか…」
なのはとフェイトに声が掛った。
「あ…貴女はアーミテージ捜査官補佐とクリサント捜査官」
なのはは声を掛けてきた気の強そうな女性とその後ろにいる大人しそうな女性を名を確認も兼ねて呼んだ。
「フェイト執務管と…え~と…アンタは確か…高町なんとか」
ハルカ・アーミテージの言葉になのはは危うく引っくり返るところだった。
「なのはだよ。ハルカちゃん」
ハルカの言い間違いにユキノ・クリサントは後ろからそっと囁いた。
「だからちゃん付けはやめってっていってるでしょ!”公私コント”よ!!」
「”公私混同”だよハルカちゃん…」
またしても言い間違うハルカにユキノは額に手を当てて言い直した。
「というか。あのぶぶづけが”特別捜査官補佐”であたしが”捜査官補佐”なのよ!あいつのどこが特別だって!!?」
「落ち着いて、ハルカ捜査官補佐」
エキサイトするハルカをなだめるユキノ。
その動きはまさに職人もの。
「ところで、お二人はどうしてここに?」
半ばハルカのパワーに押されながらも質問するフェイト。
「捜査よ、そーさ。こういうのは密輸の隠れにのになりやすいからよ」
「なるほど。ん?ちょっと失礼。なに?シャーリー」
『あ、フェイト隊長。高町隊長はそこにいますよね?』
「え?いるけど…どうしたの?」
シャーリーの口調にただならぬものをフェイトは感じた。
『それが…フォワード達が待機している正面玄関前で、高町隊長の魔力反応がしたものですから…もちろん、高町隊長が会場にいる事はわかっています。ですが…この魔力波長は高町隊長以外には…』
「ちょっと待って!それじゃあ、なのはが二人いるって事!?」
「ええ!?」
シャーリーの言葉になのはとフェイトは驚愕した。

ーーアグスタ・玄関前ーー

子供という点を除けば、その少女は高町なのはに瓜二つだった。
だがそれは顔立ちの話。
バリアジャケットはデザインは同じだが、白地の部分が黒くなり、青いラインや胸元のリボンは紫色となっている。
デバイスも形状はレイジングハートそっくりだが、色は赤紫色でコア部分も紫となっている。
何より一番眼につくなのはとの違いは髪型であろう。
なのはは普段はサイドポニー、バリアジャケット時はツインテールでがこの少女は髪はおろしたままで、長さも肩に少し届かない位しかない。
だが、なのはとの最大の違いはその眼だった。
やさしさと温もり、そして強い意思を感じさせるなのはの瞳に対し、少女の瞳にはただ冷たさと恐怖しか感じなかった。
「何者!?」
ティアナの誰何の声を無視し少女は、
「パイロ・シューター」
と呟いた。
それと同時に彼女の周りいくつもの魔力弾が現れた。
その数、ちょうど八発。
「「「「「「「「!?」」」」」」」」
魔力弾が出現したと同時に八人は動いていた。
少女の思考が反映される軌道をあっさり避け、再び少女の方を向く八人。
「………簡単に避けられましたね」
「伊達に高町教導官の指導は受けてないわよ」
少し意外そうに呟く少女に対し、ニナが答えた。
(この子何者?確かガジェットを動かしていると思われるスカリエッティは生体研究のスペシャリストって資料にあった…まさか!なのはさんのクローン!!)
なのはが魔導師になったのは10年前。
今眼の前にいる少女の年齢は大体9歳。
なのはの高い才能に目をつけたスカリエッティが彼女の細胞をどうやってか手に入れて眼の前の少女を創ったという可能性は高い。
ティアナがそう考えていると、
「ティア!」
スバルの叫び声が響いた。
その叫びの意味を理解するより早くティアナは前に跳び出した。
その一瞬後、ティアナのいた場所にガジェットⅢのベルトアームが叩きつけられた。
だが前に跳び出したのは失敗だったとティアナは気づいた時には遅かった。
自分の前方、跳び出した事により近づく結果になってしまった少女の一指し指と中指が眼の前にあった。
「ソニックレーザー」
少女が呟くと同時、青白い光が彼女の指先から放たれた。
ビーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン。
甲高い音と共に放たれた光線はティアナの身体をあっさりと飲み込んだ。
どっが。
「っく!」
光をまともに受けて吹っ飛ばされたティアナは木に叩きつけられたが、一応まだ動けるようだ。
「ティア!」
慌ててティアナに駆け寄るスバル。
他のメンバーはガジェットと少女の牽制に当たる。
少女はというと、自分の指先を見詰めていた。
「この程度の威力…やはり今は普通に魔法で戦った方が無難ですね」
そう呟く少女にエリオとトモエが突っ込んだ。
「やあああああああああああああ!」
「はあああああああああああああ!」
しかし二人の刃が貫く前に少女は飛び上がった。
「飛行魔法!」
「やっぱり高町教導官の姿をしているだけあって使えるのね!」
「ブラスト・ファイヤー」
見上げる二人に少女は砲撃魔法を撃ち込んだ。
咄嗟に避ける二人だが、
ズドーン。
「うわ!?」
「っく!」
砲撃が地面に着弾したと同時に起こった爆発で吹き飛ばされてしまう。
「エリオ君!」
「トモエちゃん!」
キャロとエルスが呼ぶと二人は起き上った。
「なんて威力だ!」
「ああ、鬱陶しい!!」
「思ったより大丈夫みたいね」
二人の様子にそう判断するニナ。
と、彼女の後ろからアリカの
「なにあれ!?」
という叫び声と共に何かがニナの頭上を通り過ぎて眼の前に落ちた。
ガジェットドローンだった。
振り返ったニナの視界に、蜘蛛の子を散らした様に逃げるガジェットの姿があった。
青紫色の人間程はある巨大なウミウシの様な生き物から。
「ス…スクリーパー!!なんでこんな内陸部に!!?」
「ええ!?」
「ウソ…でしょ?」
「そんな!」
「なんでこんな所に!」
「そんな…」
「最悪だわ…」
現れた生き物に恐怖と絶望の声を出す一同。
ただ一人、アリカだけはその生き物の事をよく知らない為あまり恐れたりはしていないが、周りの反応からこの生物がかなり危険である事はうかがい知れた。
「ほう…これはよい時に来ましたね。そんな鉄屑を相手になどせずお前の本能に従って人間を食い殺しなさい」
『GOOOON』
少女の言葉にスクリーパーはガジェットを相手にするのはやめ、スバルとティアナのいる方に向かって進みだした。
「嘘!?スクリーパーが人間の言う事を聞いた!!?」
「ありえません!スクリーパーは人間に対して敵意を持っているんです!!人の言う事を聞くはずが…」
驚くトモエの言葉をキャロが否定した。
だが、例え少女の言い事を聞いていようがいまいが、スクリーパーがスバルとティアナに向かっているのは事実である。
「行かせない!」
アリカは双身剣ーーブルースカイスピアを構え、スクリーパーに向かった。
「やあ!」
アリカの鋭い一閃は、スクリーパーの皮膚に弾かれてしまった。
「嘘!?」
驚くアリカにスクリーパーの一撃が入り、横に吹っ飛んだ。
「ーーアリカちゃん!?」
「あの馬鹿。スクリーパー相手にあたし達が敵う訳ないでしょ」
アリカを吹っ飛ばしたスクリーパーは何事もなかったかの様にスバルとティアナを目指して進みだした。
「うおおおおおおおおおお!!!!」
スバルは突然スクリーパーに向かって走り出した。
ただ突っ込むのではない、撃ち抜くのだ。
「一撃必倒!」
撃ち出される魔法は憧れる人のもの。
「ディバイィィィン!」
それゆえに絶対の自信を持って撃ち出す。
「バスタァァァァァァ!!」
スバルの撃ち出した砲撃魔法はスクリーパーに直撃した。
「GUOOOOON!」
その衝撃にスクリーパーは反り返り…それだけだった。
スクリーパーはすぐにスバルの方を向くと、
キィィィィィィン。
甲高い音をたてた。
と思った矢先、スバルは吹っ飛ばされてティアナが背を預ける木に激突した。
「ぐは!」
「スバル!…こんのお!ヴァリアブル・シュート!!」
ティアナの撃ったガジェットのAMFをも貫く魔力弾はスクリーパーに直撃はするものの、大して効いている様にはとても見えなかった。
だが、ティアナの攻撃に怒ったのか、スクリーパーは頭部をティアナに向かって横向きに振りった。
その瞬間、スクリーパーの頭部はまるで槍の様に細く鋭く変化した。
「ーー!」
猛烈に嫌な予感がしたティアナは咄嗟にしゃがんだ。
一瞬遅れてスクリーパーの頭部が彼女の頭上をかすめた。
はらりと、オレンジ色の糸くずの様なものーースクリーパーの一撃が当たってしまったティアナのツインテールの先端が彼女の眼の前を落ちて行った時、ずーんっと音をたてて彼女が背を預けていた木が倒れた。
その事にティアナはぞっとした。
そこそこ太い木が綺麗に切れたのである。
今の一撃が自分の身体に当たっていたらと思うと…。
「っく!」
ダンダンダンダン。
「こっちよ!化け物!!」
ティアナはスクリーパーにさらに魔力弾を撃つと走り出した。
それを追うスクリーパー。
結果的にスクリーパーはスバルから離れる事になった。
つまりはおとりである。
(隊長達の出陣は最後の手段。これだけ予想外の存在がいる以上、ホテルから隊長達が出た瞬間別部隊が、なんてのも考えられる…となると、せめて副隊長が戻ってくるまで…)
そう考え、とにかく直接戦闘だけは避け、ただひたすらスクリーパーを引き付ける事にしたティアナの背中に衝撃がはしった。
「ぐあ!?」
(しまった!さっきスバルを吹っ飛ばした攻撃!)
どっさ、と地面に倒れるティアナ。
そこにゆっくりと近づくスクリーパー。
ティアナの受けたダメージはそれほどひどくはないが、だからと言ってすぐに動ける様になるほど軽くもない。
少女のシューターとガジェットに阻まれ、他のフォワードメンバーは誰もティアナの援護に向かえない。
「ティアぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
背中の痛みを無視して、スバルはスクリーパーに向かって突っ込んだ。
「うおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!!」
「………ばか…さっきやられたばっかでしょうが…」
呻くティアナ、だがスバルには届かない。
何故なら自分の相棒を守る為にだけに突っ込むのだ。
キィィィィィン。
と、その時甲高い音がまた辺りに響いた。
だが、先程のは不快感をもたらすものだったが、今度の音はとても綺麗で心地よい音だった。
「ーー!これは!?」
驚く少女。
そしてスクリーパーにスバルの拳が突き刺さった。
『GOOOON!』
そしてスクリーパーは悲鳴の様な声を出して吹っ飛んだ。
「ーーえ?」
先程とは全く違う結果に殴ったスバルの方が驚いてしまった。
「ええと…あたしの力が上がった?」
『いえ、むしろスクリーパーの方が弱くなった様です』
戸惑いながら呟くスバルにマッハキャリバーが答えた。
「スバル…あんた一体何したの?」
「……え?いや、あたしは何も…」
呆然としているティアナの言葉に答えるスバル。
何が起きたのかこの場にいる誰もわからなかった。
ただ一人を除いて。
「超音波結界!何故セカンドがあれを!?」
少女は無表情ながらも驚いていた。
(…セカンド?)
少女の言葉に疑問を持つニナ。
だが、周りにいるガジェットがそれを考えさせてはくれなかった。
「っく!」
飛んでくるレーザーを避けている間にニナは先程の疑問を頭から一旦消した。
「たあああ!」
一方のスバルはスクリーパー徐々に押し始めた。
「やあああ!」
さらにそこにアリカが加わり、完全にスクリーパーと互角の勝負に持ち込んだ。
「凄い…」
その様子ティアナはそう呟いた。
「…………あたしだって…スクリーパーは無理でも、ガジェットくらい…」
そう呟くと、魔力カートリッジを四発もロードした。
『ちょっとティアナ!?無茶だよ!カートリッジを四発もロードなんて!』
戦いをモニタリングしていたシャーリーはストップを掛けるが、
「行けます!ここでガジェットを一掃すればスクリーパーを確実に倒せます!!」
と、強行の姿勢を取った。
『だからって…別にスバル達はまだ持ちそうだから、一体ずつ確実に破壊すれば…人数だっているんだし…』
「皆!一旦下がって!一気にガジェットを破壊する!!スバルとアリカはそのままそいつの相手を抑えてて!ガジェットを破壊できたら皆で一斉にスクリーパーを攻撃するわよ!!」
「「了解!!」」
「「はい!」」
「わかった!」
「しかたないわね!」
ティアナの言葉に返事をする一同だが、一人だけその支指示に意を反する者がいた。
「ちょっと待ちなさいよ!確かにこのメンバー全員で相手すればポーンスクリーパーなら倒せるけど…一気に破壊って貴女!」
ニナだけは反論するが、ティアナは無視した。
「クロス・ファイヤ・シュート!!」
撃ち出された無数のオレンジ色の魔力弾はティアナの制御の下、次々にガジェットに向かって飛んで行き、破壊していった。
だが一掃とはいかず、何機かに避けられる。
それどころか何発かはガジェットとは全く関係ない所に着弾する。
(やはり制御が行き届くいない!やはり彼女にあの数はまだ早い!)
その様子にニナはそう思った。
その時、彼女はぎょっとするものを見た。
ティアナの魔力弾の一発が、あろう事かスクリーパーをかく乱する為にウィングロードで天を駆けるスバルに向かっていた。
(まずい!あれは非殺傷設定なんかじゃない!いえ、例え非殺傷でも受ければ落ちるわ!…そしてあの位置からならスクリーパーの目の前に落ちる!)
一瞬でそう考えるニナ。
スクリーパーの目の前でダメージを受けたまま落ちればどうなるか、考えるまでもない。
しかも運の悪い事にアリカはスクリーパーの攻撃を避ける為ウィングロードに乗っておりスバルから離れている為、魔力弾を撃墜する事も落ちたスバルの救出に向かう事もできない。
ニナと同じ事を考えに達し顔を青くするティアナ。
「……え?」
自分のすぐそばまで魔力弾が来てようやくその存在に気づくスバル。
刹那の時間が永遠にも感じられた。
ーーギィン。
そして魔力弾はスバルに当たる直前、その間に割って入ったヴィータによって本来の目標であるガジェットに向かって打ち返された。
「ティアナ!このタコ!!無茶した挙句味方に撃ってどうすんだ!!」
「え…と、ヴィータ副隊長…今のはその…新しいコンビネーションでして…」
「ふざけろタコ!もろ直撃コースだったぞ!!もういい!お前ら下がってろ!後はあたしらだけで十分だ!!」
そう言うとヴィータは少女に向かった。
「え…あの…今のはあたしが悪いんです、副隊長!」
なんとかティアナをフォローしようとするスバルの肩にポンっと手が置かれた。
シグナムだった。
「もういいから、お前は下がれ。ユメミヤ、お前もだ」
「え…あ、はい…」
二人が離れたのを確認するとシグナムはスクリーパーを相手にする為降りて行った。
既にザフィーラがスクリーパーの相手をしていた。
「どうだ?」
「………このスクリーパー、妙だ。さっきまで妙に弱かったのに急に本来の強さに戻った」
「そうか、だが所詮はポーン。出力制限を掛けられたわたしならともかく、お前なら大丈夫だろう?」
「ああ。だが、手を貸してくれると助かる。こいつらは見ていると妙にイライラする」
「ああ」
ザフィーラの言葉に答えるとシグナムはレヴァンティンを抜いた。
「てめぇ…なにもんだ?なんでその姿してやがる?」
少女に向かってヴィータは敵意剥き出しで聞いた。
答えなければ叩き潰す。そう彼女のまとう雰囲気が言っていた。
「…………よかったですね」
「ああ?」
少女の言葉の意味がわからず、聞き返すヴィータ。
「今度は守れて」
「ーー!!?」
少女の言葉がヴィータにある光景を思い出させた。
雪の降る世界。
周りには何かの機械の残骸。
呆然と立ち尽くす舞衣。
泣き叫ぶ自分。
そして、自分の手の中にいる血塗れのーーなのは。
「てめぇ…!なにを知ってやがる!」
「別に…ただそう言うのは早計の様でしたね」
「ああ!?」
「「「「うわああ!!?」」」」
後ろから聞こえた悲鳴に思わず後ろを向くヴィータ。
その視界にアグスタの正面玄関に向かう二体のスクリーパーの姿があった。
「な!?」
先程のスクリーパーのいた所を見ると、シグナムとザフィーラのコンビネーションに完全に押されているスクリーパーの姿があった。
「新手!しかも二体も!!」
驚くヴィータの目にさらに絶望的な光景が映った。
新たに現れた二体の内の一体が新人に向かったて進みもう一体はホテルに向かって進みだしたのだ。
「なんだと!?」
「超音波結界の使える様になったセカンドにポーンをぶつけても、あの人数ですので下の一体が倒されるまで持ち堪える事は可能でしょう。ならば一体を足止めにしてその間にもう一体でホテル内の人間を皆殺しにすれば良いだけの事」
少女の淡々とした物言いにキッと睨むヴィータだが、その幼い身体を桜色の光が包んだ。
「愚かですね。敵への注意を疎かにするなど。まあ、ご安心を。中にはこの身体のオリジナルもいる事ですし、それほど被害は…」
少女がそう言った瞬間、玄関に向かったスクリーパーが吹っ飛んだ。
「………なに?」
驚く少女だが、それは六課メンバーも同じだった。
「えええ!!」
「嘘!」
「今日は一体何回驚けばいいのかしら?」
そう呟くスバル達の後ろに、ひゅるるると音がしそうな感じで落ちてきたスクリーパーが地面に激突した。
「ふ。たかがナメクジ風情が、このあたしの相手しようなんて百年早いわ!」
ずん。と音がたつ程の勢いで地面を踏んでそう言い放ったのはハルカ・アーミテージだった。
「ハルカ・アーミテージ!?彼女も来ていたのですか!!これは予想外ですね。ポーンスレイヤーが一匹に内一人は魔力リミッター付きですがルークスレイヤーが二人…これはかなり厳しいですね」
(まあ、目当ての物はあのレリックウェポンの召喚虫が手に入れてくれましたし、この身体のテストは多少はできましたから…まあ、別にここで敗れても問題はありませんが…)
「しかし、やはりやるからには勝利で飾りたいものですね」
少女がそう言うと、
「それは無理だな。後、スレイヤーはここにもいるぜ!」
そ、彼女の下から声がした。
「ーー!?」
慌てて下を向いた少女の身体に下から飛んできた鉄球がめり込んだ。
「………っは…」
激痛のあまり飛行魔法の制御を失い落ちる少女に、
「ラケーテン・ハンマー!!」
ヴィータの一撃が決まった。
「ぐはああああああああああああああああ!!」
ドーン!!
土煙を上げて墜落する少女を冷めた目で見つめるヴィータ。
「敵への注意を疎かにするな、か…ならあたしからも一つ言っといてやる。ちゃんと倒せたかどうかを良く確かめもしないと不意打ちを食らうてな」
小さなクレーターの中で横たわる少女に向かってそう言い放つヴィータ。
その後、残りのガジェットとスクリーパーを撃破するのにそう時間は掛からなかった。
「紫電一閃!」
「縛れ!鋼の楔!」
「ダイナマイト・クラッシャー!」
『Krororororo…』
「今ので最後ね」
「ああ。その様だな」
「アーミテージ捜査官、ご協力感謝します。しかし何故ここに?」
全てが片付いた後、シグナムはハルカに聞いた。
「ああ、捜査よそーさ。こういうオークションを隠れ蓑にして密輸する輩が多いから」
「なるほど」
「そしたら外でスクリーパーが暴れてるて言うじゃない。だから援護の為に出てきたのよ。あんたらの隊長はリミッターが掛かってるからあたしが行った方がいいってユキノが」
「そうでしたか。しかし、良いのですか?捜査官がこれほど目立って?密輸者に警戒されるのでは?」
「ああ大丈夫よ、たぶん」
「たぶん…」
「それにスクリーパーなんぞ、放っておくなんてあたしの正義が許さないわ」
「…………そうですか」
「相変わらず熱血な人だ」
「ああ」
シグナムとザフィーラはそう言うとヴィータの所に向かった。
「さて、話して貰うぞ。てめぇの目的となんでそんな姿をしているのかをな」
ヴィータはバインドで拘束した少女に尋問をしていた。
「………」
「なんとか言え!!」
「落ち着けヴィータ。尋問はその者を連行してからだ」
「………」
ザフィーラの言葉に黙るヴィータ。
「まさか…ここまでの敗北とは…」
黙るヴィータの代わりという訳ではないだろうが、今度は少女が口を開いた。
「しかたありませんね。少々、もったいない気もしますが…」
訳のわからない事を言う少女の言葉に眉をひそめるシグナム。
「お前をホテル・アグスタ襲撃の容疑で現行犯逮捕する。捜査に協力すればお前にまだ弁護の機会は…」
「ーー!?シグナム!ヴィータ!逃げろ!」
ザフィーラの鋭い言葉と同時に言った当人(?)を含む三人は少女から跳び離れた。
ーーずどむ。
三人が離れたと同時、少女の身体は爆発、四散した。
「ーーっ!?」
違うとはわかっていても、見知った顔が粉々になる光景にヴィータは顔を歪めた。
「今のは…!?」
「自爆した様だ」
シグナムの疑問の言葉に淡々と答えるザフィーラ。
表面上は冷静な二人だが、内心はヴィータと同じだろう。
「自爆だと?…一体何を考えている!?」
自らの命を粗末にする行為にシグナムは怒りを覚えた。
「失態だな。犯人を死なしちまったんだから」
「ああ」
俯くヴィータの言葉に暗い表情で返すシグナム。
「………」
「どうした?ザフィーラ」
「あの少女のデバイスがない」
「なに?」
言われてシグナムは辺りを見回すが、あのレイジングハートに似たデバイスはどこにもなかった。
「………なにか嫌な予感がする」
シグナムはポツリと呟いた。

次回予告

エルス「はぁ…」
トモエ「どうしたのよ?」
エルス「ひょっとして、わたし達…いらな」
トモエ「それを言うな!!」
エルス「う…でも……」
グリフィス「信じるんだ!出番がある日を!!」
エルス・トモエ「「だれ?」」
グリフィス「………」
アイナ「次回少し、頭冷やそうか。わたしの出番はまだでしょうか?」
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