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凪登場。

予告でも言いましたが、最後やっつけです。

魔法少女リリカルなのは×舞‐乙HIME

 ~THE HARMONIUM SONG~

第六話 ホテル・アグスタ

ーー機動六課隊舎・スバルとティアナの部屋ーー

アリカ達が機動六課に特別教導を受けに来て早二週間が経過した。
「はぁ…」
「…………」
「はぁぁぁ…」
「そんなに別れたくないの?」
ため息を連発する相棒に若干苛立つティアナ。
「だって明日までなんだよ~アリカが機動六課にいるの~」
「おい、他三名はどうした?」
「そう思うと…はぁぁぁぁ」
(…………………マジでうざい)
誰かこいつなんとかしてくれとが思いながら、ティアナは机に頭を抱えた。
「はああああああぁぁぁぁぁ」
スバルのため息を一晩中続いたそうな。
ちなみに、
アリカとニナの部屋の前。
かりかりかりかり。
「ニナちゃあああん。入れてよおおお」
アリカもスバルと同じようにため息をつきまくっていたため、ニナに部屋から追い出された。。
「開けてよおおお」
かりかりかりかりかりかりかりかりかりかり。
部屋の中のニナは耳栓をして、アリカの扉を引っ掻く音や泣きつく声を完全にシャットアウトして眠りについていた。

ーー機動六課・なのはとフェイトの部屋ーー

「どう?新人達の方は」
「みんないいよ。特にスバルとアリカの成長は本当にすごいよ」
なのはは本当に嬉しそうにそう言った。
そんななのはの笑顔にフェイトも嬉しくなった。
「そういえばどう?前にはやてが言っていた消滅魔法」
あの時、アリカとスバルが互いに星が奏でるものがたりをの違う歌詞を知っていると知った時のと同時刻、なのは達ははやてからアリカが消滅魔法を使用した事、その魔法の発動にはスバルが関係しているのではという話を聞いた。
「う~ん、それらしい事はまだ一度も…一応、二人を組ませたりとかしているんだけど…」
「でも本当に消滅魔法なんてあるのかな…」
魔法とは魔力とプログラムから成り立つ現象を指す超科学である。
何かを消す、という魔法があってもそれは”なくなった”ではなく”どこかにいった”が正しい。
現在の魔法では何かを完全に消す事はできない。
”破壊”とは、何かをバラバラにした事を指す。
”転移”とは、何かをどこかにやった事を指す。
”破壊”したでもない”転移”させた訳でもない文字通り”消した”そんなありえない現象を起こす、それが消滅魔法。
記録映像をこの目で見たフェイトがそれでも信じられないのは無理もない事だった。
だが、その”ありえない”をアリカはやってのけたのだ。
「さあ…でも記録にもちゃんと残っていたし…」
なのはも信じられない様だったが、フェイト程ではない様だ。
魔法技術のない地球出身のなのはは、ミッドチルダ出身のフェイトとは感覚が少し違うのだろう。
「でも残念だな。アリカとスバル、かなりコンビネーションがよいのに」
なのははそう言いながらベッドにぼすんと背中から倒れこんだ。
「なのは…それじゃあティアナが可哀想だよ」
苦笑しながらベッドに入るフェイト。
「そうなんだけど…まあ、アリカはスバルと同じ接近戦タイプの魔導師だからやっぱりティアナの方がいいんだろうけど」
そこまで言うとなのはは、あっと声をあげた。
「でもティアナと言えば、スバルと同じくらいコンビネーションがいい子がいるんだよね」
「そうなの?訓練記録を見る限り、そんな子はいないみたいだけど?」
「ちゃんとコンビネーションをやった事ないからね。でも、きっといいコンビになれると思う。ただ、こっちもタイプが似ているんだよね…」
そう言うとなのはは自分の隣りで横になっているフェイトの顔を見てポツリと呟いた。
「前から思っていたんだけど…なんでわたし達のベッド、ダブルベッドなの?」
「…さあ?でも……」
(わたしは幸せです!!!!)
心の中でガッツポーズをするフェイト。
汚れてやがる。
十年、人を変えるには十分な…いや、フェイトは昔からこうだったか…。
その時、耳触りの良い音が部屋の中に響いた。
「レ…レイジングハート!?」
なのはの驚きの声に、ぎぎぎぎぃっと油の切れた機械の様に首を動かすフェイト。
赤いビー玉の様な姿、待機状態のなのはの相棒、レイジングハートがフェイトの上にあった。
「あれ?レイジングハートさん?もしかして怒ってる?」
『standby ready』
綺麗な女性の声と共に出た言葉と共に通常状態になるレイジングハート。
「ちょっと!っは!もしかして、心の中を読まれた!!?」
墓穴を掘るフェイトの顔面に、レイジングハートの本体のついた方が直撃した。
「フェイトちゃあああああああああああああん!!!!!?」
フェイト・T・ハラオウン、頭部破損により死亡。
「「死んでなああああああああああああああい!!!!」」

ーー起動六課・スバルとティアナの部屋ーー

「すー、すー」
「やっと寝たか…」
静かに寝息をたてる自分の相棒を見ながらティアナはため息をついた。
「……………」
ティアナはここ一週間程の訓練の内容を思い返してみた。
「……やっぱり、あたしなんかじゃ、パートナーとして釣り合わないわよね」
ここ一週間、スバルはアリカと組んで訓練をする事が多かった。
彼女がここにいるのは一週間のみ、別に新しく六課に配属された訳でもない彼女がスバルと組まされる理由としてティアナが考え付くのは…、
「あたしより、あの子の方がスバルにあっているからよね…こんな凡人なんかより」
スバルには先天魔法ウイングロード、エリオには魔力変換資質、キャロには竜召喚というレアスキル持ち揃いの中、自分だけは何の特色もないただのどこにでもいる”凡人”とティアナは自分の事を評価していた。
「…………あの子と、交代させられるのかな…」
ポツリと呟くティアナ。
「ううん、例えどんな状態だろうと証明するんだ。特別な魔力やスキルがなくたって一流の魔導師になれる事を」

ーー?????ーー

「貴女が自らが?」
白衣を着た男はさも意外そうに驚いていた。
ーーああ、これきっと夢だ。
「ええ、リハビリも兼ねて、そろそろ表舞台に出てもよろしいかと」
白衣の男の言葉に誰かが答えた。
声の主は死角になっていて見えないが、声からして女である事は確かだった。
ーーでも変だな。いつもなら海の夢なのに、なんだってこんな変なものを見るんだろう?
「なるほど…」
白衣の男は肩をすくめた。
ーー………あれ?この女の人の声、どこかで…どこだっけ?よく聞く声なのは確かだけど…。
「ーー星光様、そろそろ御準備を」
バイザーで顔を隠した少女が白衣の男の後ろからやってきた。
全身を装甲鎧で身を包んだ兵士を二人引き連れて。
「もう時間ですか。では、また」
「はい。君もまた来てくれたまえセロ。彼女達、特にウェンディとノーヴェが喜ぶ」
「用事があればまた来ますスカルエッティ」
白衣の男の言葉に対するバイザーの少女の返事は冷たかった。
「おやおや、嫌われたものだ」

ーー機動六課・食堂ーー

「どうしたテスタロッサ?その痣。熊と殴り合いしたのか?」
「熊と殴り合ったらこんな軽傷じゃすみませんよシグナム。というか、なんで熊?」
「いや、昨日ザフィーラと熊が戦った話を主にしていたもので」
「戦ったんですか!?」
「ザフィーラがあのまま野生に帰るのではと心配になったが…」
「魔法なしですか!?」
「いや~手に汗握る死闘だった。最後には友情が芽生えなかったのは残念だった」
「………………………」
うんうんと頷くシグナムを、フェイトはついてけねぇという顔をした。
「熊か…あれ美味いんだよな……」
会話に入ってきたのは黒髪の少女だった。
「食べたの!!?」
「うむ。ザフィーラの仕留めた熊の肉は絶品だった」
「こっちもか!!?それじゃあ友情芽生えない訳だ!!」
フェイトがなんか壊れる一歩手前まで来た時、食堂からなのはとヴィータと…以下省略。
「「「「だああああ!!!!」」」」
いきなりこけるスバル、アリカ、ティアナ、エリオ。
一体どうしたというのだ?
「そりゃあ以下省略されちゃあこけるわ」
こら亜美っけ、語り手に話掛けるんじゃない。
「誰が亜美っけよ」
「中の人のあだ名だよね」
ニナの突っ込みに反応するみなみちゃん。
「あの…エルスです」
「ああもう。いい加減にしなさいよこの駄作者」
痛い、痛いよ理恵ちゃん。
「トモエ・マルグリット!!」
「お…落ち着いてくださいよトモエさん」
黒いオーラを放つトモエを押さえるキャロ。
「なんでわたしは普通なんですか!!?」
「きゅるく~」
キャロの言葉に鳴く美佳子。
「そっちですか!?」
「中の人で呼ばないの」
厨房にいた舞衣がそう言って顔を覗かせた。
そういえば、舞衣は中の人とで呼んでもマイだったな、字は違うけど。
「どうも、中原麻衣です。って、なに言わすのよ!命!!」
「にゃお!!」
ぎゃあああああああああああ!!!!!!!
「舞衣~、やっつけたぞ。ラーメン」
「はいいいいいい!?さっきあれだけ食べたじゃない!」
「体を動かしたらお腹が減ったぞ~」
「へ~、舞衣さんって、ティアと中の人一緒だったんだ。どおりで声が似てると思ったんだよね~」
納得した表情でそう言うスバル。
「あ、生き返った。って、あんまり中の人言うな。というか、この子誰よ?」
スバルに突っ込みを入れたティアナは、短髪黒髪の少女を指差した。
当の少女はティアナには目もくれず、猫が座るような座り方で舞衣にラーメンを催促していた。
「ああ、こいつは命だ。こっちの姿はお前ら初めてだったな」
「「「「「「「「…………………ええええええ!!!!!!?」」」」」」」」
ヴィータの言葉に驚く新人組。
「ミコトって、あのデブ猫の?」
「ああ」
「人間になれるんですか?」
「いや、むしろあっちが本来の姿らしい」
「誰かの使い魔なんですか?」
「いや違う」
「ヴィータ副隊長って、猫派ですか?犬派ですか?」
「どっちも好きだな」
「なんで猫の時は太っているのに、人になったらほっそりするんですか?」
「知るかよ?」
「胸もほっそりですね。副隊長とどっちがほっそりですか?」
「潰すぞ」
「ヴィータ副隊長のバリアジャケットの帽子のウサギ、正直不気味です」
「潰す…ぜってー潰す。つーか、なんであたしが答えてんだよ!!飼い主は舞衣だろうが!!」
新人組の質問(?)に答えていたヴィータだったが、急に舞衣を指差しながら叫んだ。
「はいいい!?っと、言えない所が悲しい…」
「舞衣~、ラーメン~」
「いい加減にしなさい」
一歩離れた所から様子を見ていたティアナは、ふっと、彼女程の魔導師が何故コックをしているのかという以前の疑問を思い出した。
今まで、いろいろあって聞けなかったので、今聞いてみる事に…
「お~、なんや楽しそうやな~」
しようとした矢先、はやてがシズルとナツキの二人と一緒に食堂に入ってきた。
「って、何故わたしがシズルより後なんだ!!?」
「八神部隊長?それにクルーガー特別捜査官も、どうしたんですか?ニナ達の引き取りは夕方のはずですが?」
入ってきたメンバーを見て、なのはは首を傾げた。
「実はその事で伝えるべき事ができた」
ナツキの言葉を聞いたスバルは、ある事を思い立った。
「まさか!引き取りの時間が早まったとか!?」
「ええ!?そんな、もうお別れなの!スバルちゃあああん!!」
「アリカああああああ!!」
泣きながら抱き合う二人に、トモエが蹴りを入れた。
「うぜんだよ!!ぐちぐちぐちぐち!!!!」
「ひええええ!!」
「トモエちゃんが黒トモエに!!」
「ジャンクにすんぞごらあああああ!!!」
「「ひええええ!!すいません!!」」
どす黒いオーラを出すトモエに二人は土下座して謝った。
「あー、もういいか?」
「はい」
若干怯えながらそう言ったナツキの言葉に、トモエはいつも通りの調子で答えた。
その変わり身の早さに、思わずこける一同。
倒れなかったのはシズルとシグナムと命ぐらい。
「まあ、話を戻そう」
ナツキは立ち上がると続きを話た。
「テロ組織シュバルツの捜査、及び壊滅任務は機動六課も受け持つ事になった。これは結晶型エネルギー体ロストロギア、レリックを狙うガジェットドローンがシュバルツと関係している可能性が高いと本局が判断したからだ」
「これにより、陸士隊シュバルツ特別対策班はあたしら機動六課と合同捜査を行う事になった」
「そしてニナ・ウォン、アリカ・ユメミヤ、エルスティン・ホー、トモエ・マルグリット」
「「「「はい!」」」」
「お前達は今後とも機動六課にて特別訓練を受けつつ待機、以上だ。なにか質問はあるか?」
ナツキの言葉に幾つか質問が頭に浮かんだティアナとニナは手を挙げようとしたが、それより早く手を挙げた者がいた。
「質問はなんだ?アリカ・ユメミヤ」
「はい。つまり、どういう事ですか!?」
ちゅどーーーーーーん。
アリカの一言にシズルと命以外は吹っ飛んだ。
「………………あれ?」
ひっくり返った皆の姿にアリカは間抜けな声をあげながら首を傾げた。
「つまり、もうしばらくここにいてもええって事どす」
流石のシズルも苦笑していた。
「え?本当ですか!?」
「ああ…」
何故かはやてが負ぶさった状態のナツキはそう言うと立ち上がった。
他の隊士達もナツキに倣い立ち上がる。
「ここに来て天然に磨きが掛っていないか?お前…」
アリカの磨き抜かれた天然のボケに完全に呆れるナツキ。
「まあ、天然キャラだらけだからな、ここ」
「なのはさん、シャマルさん、はやてさん、後、あのスバルって子も天然ぽいしなぁ、それにキャロって子も」
ヴィータの言葉にシズルが指を折りながら確認する。
「天然って、なんですか?」
「ヴィータちゃん!あたし天然じゃないよ!!」
「あたしも違うもん!」
「わたしも違います!」
「天然は皆そう言うんだ」
反論する六課の天然組(シャマルはこの場にはいない)に向かって呟くナツキ。

ーー数日後:機動六課・訓練室ーー

「今日はちょっと変わった組み合わせで訓練してみようか」
なのはは笑顔でそう言うと、誰が誰のペアなのか発表した。
「スバルとアリカ。ティアナとニナ。エリオとトモエ。キャロとエルス。この組み合わせで今日は訓練ね」
「ええ!?」
女子陣が素直にはい、と返事する中フォワード陣ただ一人の男、エリオ・モンディアルだけが声をあげて驚いた。
「どうしたの?」
「あ、いえ…」
なのはに問われ慌てて答えるエリオ。
全国の男が君を羨ましがっているぞ。
「ええ!!?」
「組み合わせの理由を質問してもよいでしょうか?」
挙手するティアナ。
「あ。僕もそれが聞きたくて…」
ティアナに便乗するエリオ。
「単純にスタイルが近い者同士だからだよ。それそれのスタイルを強化するのがこのペアの狙いだから」
「なるほど」
納得するティアナだったが、そこで新たな疑問が生まれた。
「あの…前衛組はともかく、バックス組はそれほど似たスタイルではないと思いますけど…」
ティアナは射撃と幻術系を駆使する中距離型、ニナは格闘戦や釵型エレメント(ジェムデバイスが生成する武器)による接近戦から砲撃まで何でもこなす万能型。
キャロは補助魔法と召喚魔法で仲間をサポートする後方型、エルスはチャクラム型デバイスでの戦闘と補助魔法による仲間の援護。
チーム上の役割は一緒だが、戦闘スタイルはまるで違う。
「確かにスタイルは違うけど、ポジションは一緒なんだからお互いに学ぶ所はあると思うよ」
「はぁ…」
たしかに、同じポジションで自分と違うスタイルの人の戦い方の方が学ぶべきところは多そうだ。
「わかりました」
「うん。じゃあ、まずは各自ペアだけで訓練してみようか」

エリオ・モンディアルは悩んでいた。
何故なら彼はペアを組まされたトモエ・マルグリットに対して苦手意識を持っていたからだ。
彼女は普段は礼儀正しいのだが、怒るとそれはもう恐ろしくなるのだ。
ちなみに、エリオは知る由もないがその怒った姿、通称黒トモエこそが彼女の素だったりする。
(うわ~、なに話したらいいんだろう?と…取り合えず、当たり障りのない事を…う~ん。スバルさんとかなら向こうから話し掛けて来るから、ある意味話し易いんだけど…そうだ。まずはファッションについて)
「あ…あの」
「なにかしら?」
「か…髪型、ずれてますよ」
「これはこういう髪型なの」
「そ…そうですか」
(まずい!トモエさんの雰囲気がやばい。何がやばいと聞かれると答えられないけどやばい!)
エリオ・モンディアル、彼は女性と話すのは苦手だった。

他のメンバーから離れたところにティアナとニナはいた。
すぐ近くに何故かスバルが固有魔法、ウィングロードでジェットコースターのレーンの様な道を作ってそこをアリカを背負ってもうスピード走っていた。
「……………前から聞きたかったんだけど、ニナってどこであんな体術覚えたわけ?」
ティアナは二人で訓練するついでに、ここ一週間程一緒に訓練してきた中で胸に抱き続けてきた疑問をぶつけてみる事にした。
「答える必要はないわ」
「っむか!」
ニナのつっけんどんな言葉にティアナはむっとしが、釵を両手に持って構えるニナを見て、ふと思った。
(やっぱり接近戦もできるようなった方がいいわよね…やっぱり完成させよう、ダガーモード)
自分の愛機、クロスミラージュを見つめながらティアナは決心した。
「わああああああああ!!!!!!ティアああああああ!!!!!どいてどいてどいて!!!!!!」
「わああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」
そこにコースアウトしたスバルが激突した。

ーー機動六課・食堂ーー

「なんだか、訓練の後は食堂が恒例化してきた様な…」
「いいじゃねえか、別に」
ポツリと呟くなのはに食後のお茶を啜りながらヴィータが答えた。
「んな事よりあれ、ほっといていいのか?」
ヴィータはそう言うと食堂の一角に目を向けた。
「いいんじゃない?」
今度はなのはがお茶を啜りながら答える番だった。
ヴィータが視線を向けた先には、椅子に座らず正座するスバルとアリカの姿があった。
二人の前には包帯ぐるぐる巻きな上、キャロとエルスに治療魔法を掛けてもらっているティアナの姿があった。
「んで?なんでこんな事になったのか、説明してくれるかしら?」
「はい!新しいコンビネーションを編み出そうと!!あたしが機動力になって…」
「あたしが火力になるというコンビネーションです!!」
静かに問い掛けるティアナに二人は敬礼しながら答えた。
そうとう怯えている。
「ふ~ん、なるほど。っで、なんでそれであたしがこんな怪我しているのかしらねぇ…」
「あたしが、マッハキャリバーのコントロールをミスった上…」
「あたしがシュータのコントロールをミスってウィングロードに当てたからです」
再度問い掛けるティアナに二人は視線を逸らせながら答えた。
「あの…ティアナさん……」
そんな中、キャロがおずおずとティアナに声を掛けた。
「ん、なに?」
「治療、終わりました」
「そ、ありがと」
「いえ…でも、こんな時にシャマル先生がいないなんて不運ですね」
「まあ、しかたないわよ。シャマルさんがいない時に事故起こしたこいつらが悪いんだから」
「「すいません」」
「でも、ぶつかった衝撃は同じなはずなのに、どうしてアリカちゃん達は擦り剥いた位の怪我ですんだんだろう?」
ティアナの様子と二人の様子を見比べながらエルスは首を傾げた。
「車と人間が正面衝突したって車は大破しないでしょ、それと同じよ」
エルスの疑問にニナがアリスバの方に視線を向ける事なくそう言った。
「それって、あたし達が車並みに頑丈って事?」
「いや~照れるな~」
「褒めてないから」
照れる二人にニナは冷たく言い放った。
「おーい。ニナの嬢ちゃんはいるか?」
「あれ?あの人は…」
ニナを呼びながら食堂に入ってきた人物を見たアリカは、
「えーと、えーと……む~」
悩んだ。
そして出した結論は、
「初めまして」
「「「記憶力ないのはアンタ(お前)は!!!」」」
会った事のない人と判断したアリカにティアナ、ニナ、そして入ってきた男ーー以前貨物船までフォワード陣を運んだヘリパイロット、ヴァイス・グランセニック、通称ヴァイス陸曹が叫んだ。
「(アホは放っておいて)ところでヴァイス陸曹、なにか御用ですか?」
「ああ、お前に面会人だ」
「面会人?」
「ああ、ロビーで待ってるそうだ。っていうかなんで俺がこんな連絡係みたいな真似…」
よろしければ他の二次みたいな扱いにしますが?
「いや…いい」
「誰かしら?」
ニナは食堂を出て行った。
そして…、
「待てい!どこ行くお前ら」
「ニナちゃんに一体誰が会いに来たか確かめに行きます」
「アリカに同じく」
「気になるんです」
ティアナの鋭い突っ込みに、答えるアリカ、スバル、エルス。
「………………」
「どうしたの?」
呆れて声の出ないティアナに新たに食堂に入ってきた人物が声を掛けた。
「あんたは確か…」
「アリカちゃん達の同僚でデバイスマスター見習いのイリーナ・ウッズです」
あいさつするイリーナを見て、
「ふと思ったんだが、ヴィオーラの奴うち(六課)を新人研修の場かなんかだと思ってねえか?」
ヴィータがポツリと呟いた。
「「……………」」
否定する要素がないので、黙っているなのはとシグナム。
「って居たのかよシグナム!!?」
「さっきからずっと居たが?なのはの後ろで茶を飲んでいただろう」
「わかるか!!活字でどう判断しろってんだ!!?」
「しかし、わたしは茶ばかり飲んでいる気がするのは気のせいか?」
「ニートにはお似合いだな」
「誰がニートだ!!」
「そうだぞヴィータ。シグナムはニートから御隠居に昇格したのだ」
「うわ!これは失礼しました。つかお前もいたのかザフィーラ…」
「ふ、空気狼と呼んでくれ」
「ちょっと待て駄犬!誰が何時隠居した!!!?」
騒ぐ四神家を置いといて、
「「「四神家!!!!?」」」
六人(正確には五人と一匹)の八神家の半分の三人(二人と一匹)だから四神家。
その四神家を放っておいて、イリーナはアリカ達に問い掛けた。
「一体何に騒いでたの?」
「実は…とういう訳」
「なるほど」
「小説は便利だ」
「なら、レッツゴーだよね★」
「「おー!」」
「……おー」
「…やれやれ」
イリーナの言葉に元気よく答えるアリスバ。
そして控え目に言うエルス。
そんな一同を見てなのはと舞衣は微笑んだ。
「やーい、御隠居、御隠居」
「じ~んせい、らくありゃ♪」
「そこになおれ。レヴァンテインの錆にしてくれる」
「なあ舞衣、後なのは。あれ止めなくていいのか?」
「「関わりたくないです」」

ーー機動六課・待合室ーー

「お父様!」
「やあ、ニナ。元気そうだな」
「……っげ、あいつは!」
ニナの来客人を物陰から見たアリカは、そう呻いた。
というか、先に行ったはずのニナとほぼ同時に到着するとは…。
「誰?あの人」
「セルゲイ・ウォン少佐、ニナちゃんのお父さんだよ」
アリカと同じく物陰から覗くスバルの疑問に答えるエルス。
ちなみに彼女も物陰から覗いている。
「ていうか、なんであんた達までいんのよ?」
同じく物陰から覗くティアナは、やっぱり物陰から覗くエリオとキャロとトモエに問い掛けた。
「いや…なんとなく」
「同じくです」
「暇つぶし」
「あ、そう」
とりあえずティアナはそれ以上聞くのはやめる事にした。
「ほほ~う。ニナちゃん顔を赤らめちゃうとは、いいもの見ちゃったかも」
物陰(以下略)イリーナが言う。
そんな一同の後ろから、
「…………なにしてるの?」
と声が掛った。
「「どわああ!!!??」」
「「うわぁ!!?」」
「「きゃああ!?」」
いきなりの事で驚くアリスバとエリオとキャロとエルスとイリーナ。
「…………あ、ごめん」
声を掛けたのはフェイトだった。
後ろにはやてもいる。
「「八神部隊長、フェイト隊長、こんにちは」」
「「どわあ!」」
「「あれ?」」
完全に声をシンクロさせて挨拶するアリスバにこけるフェイトとはやて。
「いや、驚いて瞬時に挨拶してきたから反応しきれんかったんや…」
立ち上がりながら答えるはやて。
ちなみにフェイトはまだ復活していない。
「っで?貴女達は一体ここで何しているの?」
「いや~、ニナちゃんを覗いてたんですよ」
「そうそう…あれ?」
質問してきたのは目の前の隊長二人でない事に気づき、首を傾げるスバル。
「ほ~ほ~う?」
ギッギッギッと、油の切れたロボットの様な動きで後ろを振り向く二人が見たものは、仁王立ちで自分達を見ているニナ・ウォンだった。
何やら、後ろに黒いオーラの様なものが…。
「アリカ達だけならともかく、貴女達まで…」
怒っている様な呆れている様なそんな表情でティアナとエルスを見るニナ。
「ごめんね、ニナちゃん」
「いや、あたしはこいつらが変な事しない様に見に来たんだけどね」
「っで、隊長二人は何しているんですか?」
「あたしらは別に覗いとったわけやないで、ただ少佐殿が何用で来たのか気になりまして」
「後、出迎え。もうすぐクロノ提督が来るから」
「ほほう、それではわたくしめも挨拶をせねばなりませんな」
はやてとフェイトの説明をニナの後ろから聞いていたセルゲイが興味深そうにそう言った。
「いえいえ、少佐殿は大変お忙しいでしょうからそうお構いなくとも」
笑顔でそう言うはやて。
その顔と声にティアナはおやっと思った。
そのどちらも早く帰れというニュアンスが含まれていたからだ。
「いえいえ、やはりご挨拶はきちんとしませんと」
セルゲイもそれがわかっているらしい。
「そないな事言われましても、セルゲイ・ウォン少佐と言えばレジアス・ゲイズ中将の右腕とも言われるお人、大変お忙しいでしょうし」
はやての言葉にティアナはなるほど、と一人納得した。
レジアス・ゲイズは時空管理局地上本部の実質最高権力者である。
そして彼がこの機動六課の事をよく思っていない事はティアナも知っていた。
そんな人の側近なら、はやてがよく思わないのも無理はない。
(というか、よく中将の側近の娘を六課に置いたな…)
「いえ、急ぎの仕事はもう済ませました。それに自分は中将の部下とではなく、一人の父親としてここに来ているんですよ」
セルゲイの言葉にはやては折れた。
こう言われたら家族を何よりも大切にするはやてには何も言えない。
「それに中将派が全員六課を敵視している訳ではありませんよ。何より貴女の様な美しい人のいるこの六課を離れるのは、わたしには心苦しい」
「あ~それはうれしいですね」
セルゲイの言葉をはやてはきれいに受け流した。
「あ痛た!」
突然悲鳴をあげるセルゲイ。
「ニ…ニナ?」
「ふん」
プイっとそっぽを向くニナ。
どうやら彼女がセルゲイの足を踏んづけたらしい。
その様子を見たティアナは再びおやっと思った。
ニナの態度が、父親を諌める娘とは違う気がしたからだ。
「やれやれ…おや?」
ニナの態度に困った娘だといった表情をするセルゲイはある人物に目を留めた。
アリカだった。
アリカはセルゲイと目が合った瞬間「げっ」と声を出した。
「君もここにいたのか?アリンコ君」
「アリンコ?」
セルゲイの言葉に、その場にいた全員がアリカの顔が顎と触覚をカシカシと動かす蟻の顔に見えた。
あ、トモエが爆笑した。
「………………っ!!!!?アリンコ言うな~~~~~~~~~~~~!!!!!!!」
セルゲイの言葉に怒りの声をあげるアリカ。
「しかし、ここは将来有望な人間しかいないと思っていたが…という事は君も有望視されているという事かな?アリンコ君」
「アリンコ言うなあああああああ!!!アリンコ嫌いだああああああああ!!!!!アリンコ言う奴も嫌いだああああああああああああああ!!!!!!!!!」
「なにを騒いでいるんだ?」
アリカが大爆発していると、そこにフェイトの義理の兄にして時空航行艦クラウディア艦長、クロノ・ハラオウンがやってきた。
「これはクロノ提督。ご無沙汰しております」
真っ先に挨拶したのはセルゲイだった。
「ウォン少佐!?なぜここに!!?」
「娘がここにいましてね。様子を見に来たんですよ」
セルゲイの言葉にクロノははやてになにを考えているんだという視線を送った。
そない言われてもという視線を返すはやて。
「まあいいじゃん、そんな事。それより、僕の持ってきた情報を彼女達に教えなくていいの?」
クロノの後ろから声がした。
そこにはいつの間にいたのか、一人の青年が立っていた。
「クロノ提督、そちらの方は?」
全く聞いていなかったクロノの連れに驚くはやて。
「ああ、こいつは…」
「貴方は…!なぜここに!?」
疲れた様子でクロノが青年の説明をしようとした時、セルゲイ驚きの声を出した。
「やあセルゲイ。煤渡りと僕は昔からの友達さ」
「煤渡り?」
青年の出した名前に首を傾げるセルゲイ。
クロノの事とはなんとなくわかるみたいだが、なぜそんな名前なのかはわからなかった。
セルゲイ以外だけでなくその場にいたはやて以外の全員がわからなかった。
「まっくろくろすけ、出ておいで~♪」
「?」
突然歌いだす青年にますます首を傾げる一同。
ただフェイトだけは手を叩いて、納得していた。
「僕は凪。炎凪。君達に耳よりの情報をお届けに来たんだ」
「耳より?」
「まあまあその前に、僕の事はナギーかタツロットと…」
ごん。
「ナギーはともかくそれはやめんか」
「痛いじゃないですか、キバットさん」
突然青年を殴るクロノに文句を言う凪。
「誰がキバットだ。いいからさっさと話せ」
「はいはいりょーかい。話っていうのはねぇ、アグスタっていうホテルで行われる貴重品オークションの事なんだ」
クロノに促され、凪はひょうひょうとした態度で話し始めた。
「そこに出品されるんだよね、レリックが」
「「「「な!!?」」」」
凪の話の内容に驚く一同。
「僕が持ってきた情報はこれだけ、さ。きっとガジェットもたくさん来るだろうね」
「………情報提供には感謝するんやけど、一体その情報をどこから」
「それは………………秘密だよ」
凪はそう言うと出口に向かって歩きだした。
「じゃあね~クロノ~、また今度~」
「あ、待って!!」
慌てて追い掛けるフェイトだったが、
「………………いない!?」
凪が六課の玄関を潜ってから一瞬遅れて外に出たはずだというのに、凪の姿はどこにもなかった。
「本当に情報を持ってきただけだったな」
凪が出て行った玄関を見つめながらクロノは呟いた。
「あの、ハラオウン提督…」
「何か?ウォン少佐」
「彼とは、どの様な関係で?」
「あいつの言う通り昔からの知人です。友人はあいつが勝手に言っているだけですが…」
「一体何者なん?」
今度ははやてがクロノに質問をする。
「さあな。僕の方が聞きたいよ。父さんが死んで葬儀が終わった時にあいつが話し掛けてきた、それが出会いだ」
「ちょい待ちぃ!クロノ君のお父さんが死んだのって…だいぶ前やで!!さっきの人、スバルらとそう歳変わらんように見えたで!!?」
「ああ。事実出会った時からあの姿は変わっていない。聞いてもはぐらかされるだけだし、どんなにあいつの経歴を調べても全く手掛かりがないから何時の間にか諦めた」
「………………」
新たな謎、炎凪。
彼の存在が事件に大きく関わってくる事になるとは、この時六課メンバーは知る由もなかった。

ーー機動六課・食堂ーー

「こらヴィータちゃん!御隠居様をあまりいじめちゃだめでしょう!」
「帰ってきて早々御隠居弄りに加わるとは、流石だなシャマル」
「すいません御隠居様(笑)」
「お・ま・え・ら!!!!」
「まだやってる…」
「何時までやる気なんだろう…」
「舞衣、御代りだ!!」
「アンタはどんだけ食うのよ!!?」

次回予告
ティアナ「なんでタイトルが『ホテル・アグスタ』なのに、アグスタじゃ、ないのよ!!?」
ニナ「正論だと思うけど、ある意味よかったんじゃない?なのはさんの”あれ”が先になって」
ティアナ「恐怖が先延ばされただけでしょうが!!余計恐怖が増すわ!!後、なんか最後やっつけ的だし」
ニナ「作者の限界ね」
エルス「あの…ティアナちゃん」
ティアナ「何よ?」
エルス「生き残れるだけ、幸せと思わなきゃ」
ニナティア「「………………」」
エルス「あれ?どうしたの?」
ニナ「ごめんエルス。アンタが言うとシャレにならない」
エルス「わたし……生き残れるかな…?」
ニナティア「「………………………」」

あとがき
ティアナ「あ!ニナ!次回のサブタイトル言ってない!!」
ニナ「ええ!フェイト隊長がいったんじゃないの!!?」
フェイト「やっぱりわたしが言うんだね。次回:スクリーパー来襲、ホテル・アグスタの攻防」
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