まど☆マギライト5-4

翌日の朝。
「まあ、そんな事があったんですか…」
杏子との一件を聞いた仁美はそう言った。
「それでさやかさんのご機嫌がよくないんですね」
「あいつ…今度会ったらぶちのめす」
「さやかちゃん…」
まどかは不安そうにさやかに話し掛けた。
「なに?」
「あの子と仲良く出来ないの?」
「………」
まどかの言葉にさやかは無言。
「さやかちゃんは魔女からみんなを守るために魔法少女をやっているんだよね?あの子は魔女じゃないよ」
「確かに、それにあの子結構強いから味方でいれば結構心強いよね」
まどかの言葉にうなずくユウ。
「そうだよね…」
ユウに肯定されて表情を明るくするまどかだが、さやかの冷たい表情を見てまた意気消沈する。
「あいつの言っている事は、間違っているんだよそんな奴をほっとけいうの?仲良くしろって言うの!?」
「でも、お願いだから。せめて喧嘩はもうしないで」
まどかの切なる願いに、
「まどか、アンタにはアレがただの喧嘩に見えたんだ」
とさやかは冷たく言った。
「え?」
「手を抜いていたのは最初だけ、あとのは確かに殺し合いだった」
「そんな…」
さやかの言葉にショックを受けた様子のまどか。
仁美も同様だった。
「ああ、確かにそうだった」
同意するリョウ。
「次は倒す。絶対に」
さやかはそう言う。
だが、
「殺し合いって、一方的にボコられてただけじゃ…」
「………」
ポツリと呟いたユウの言葉が、場の空気を凍いた。
「マイブラザー…俺が言いたくてしかたないが、それでも黙っていた事を……」
『全くコンよ。本当の事ほど傷つける事はないコンよ』
そう言うリョウと九尾を、さやかは無言で睨んだ。
微妙に、泣いている様だった。

「あ、この間の」
「よお」
繁華街をぶらついていたユウとリョウはたいやきを食べながら歩く杏子を偶然見かけ声を掛けた。
「アンタらか…なんか用かい?」
「いや、知り合いを偶然見かけたから声を掛けただけだ」
「そうかい」
そう言ってたいやきをほおばる杏子。
しばらく無言で杏子と歩く二人。
「そういやさ。あんたらはあたしの事どう思ってんの?」
「別に人それぞれだと思う。自分らに被害さえなければ」
「いろんな人間がいるから世界は混沌なんじゃないか!」
『意味わからんコンよ』
いつの間にか出現した九尾がリョウにツッコンだ。
「なんなんだよ…あんたらって」
杏子は呆れた様な風にそう言うと九尾に注目した。
「つうかこれなんだ?」
『コン!これとは失礼な!コンは九尾の妖弧コン!間違ってもQBなんて言っちゃ駄目コンよ!』
「それ毎回言うな…」
「相当言って欲しくないと見た」
「ふーん。喋る狐なんて変なもん飼ってるんだな」
『コンはペットじゃないコンよ!』
杏子の言葉に心外とばかりに言う九尾。
「その通りだ!こいつが勝手に住んでいるだけだ!!」
「言いたかないけど、お前もな」
九尾の言葉に言い放つリョウと、その背後でユウが冷たく言い放つ。
「ま、いいけど。あむ」
「そういえば、いつもなんか食べてるね。ゲーセンの時も、さやかをボコってた時も」
『さやかんの名誉のためにもそこは戦ってたって言った方がいいコンよ。いくら本当にボコられてたからって』
「お前も結構酷いぞ」
『そうコン?』
ユウに言われて小首を傾げる九尾。
「食べちゃ悪いか?」
「別に悪くはないけど」
「ていうかさあ、あんたらあたしとよく平然と付き合えるね。アンタらの友達とやりあったんだよ?あたし」
「いや…その前にゲーセンで馴染んじゃったし」
「それに味方と友は違うのさ。例え敵対していても友情は芽生えるものだ」
「……なんだそりゃ」
二人の答えに杏子は笑う。
彼女はたいやきを食べ終えると抱えていた袋から新しいたいやきを取り出し、
「食うかい?」
と二人に差し出した。
「ありがとう」
「喜んでいただこうじゃないか!」
『って、コンの分はないコンか!?』
九尾は抗議するのでしかたなしにもう一つ袋から取り出す杏子。
『貰ったどーー!』
たいやきを掲げてそう言う九尾に三人は思わず笑った。
と、その時だった。
「ちょっと!!」
声を荒げたさやかが現れたのは。
「さやか…」
これ不味い状況じゃと思うユウだが、
「おー、マイシスター。奇遇だな」
『どうしたコン?そんな裏切られたシーザーみたいな声を出して』
と普段通りお気楽な様子のリョウ九尾。
「なんでそいつなんかと楽し気に談笑してんのさ!!」
『楽しくなさそうな談笑なんてあるコン?』
揚げ足を取る発言をする九尾を無視してさやかはユウとリョウに詰め寄った。
「わかってんの?そいつはグリーフシードのために平気で人を見殺しにする様なやつなんだよ?どうして一緒にいられるのさ!!」
杏子を指差してそう捲くし立てるさやかにたじろぐユウだがリョウは、
「さやか…まさかお前、やきもちかい?」
とサムズアップしながら言った。
この神経のず太さに呆れるユウと杏子。
「違うわ!理由を答えなさいよ!!」
流石にこのタイミングでボケられて怒り声をあげるさやか。
「まあ、深い理由はないな。うん」
「答えになってない!」
リョウの答えに怒鳴るさやかだが、
「そんな事を言われても、俺のやる事に一々理由なんてあるわけないじゃないか!!」
と自信満々にリョウそう言われ、
「………………これ以上説得力のある言葉はないわ」
ガックリとうなだれた。
「まあ、確かにリョウのやる事に一々理由はないな」
うんうんとうなずくユウ。
「………本当になんなんだあんたら」
杏子も呆れた様だ。
「帰る」
そう言いと三人に背を向けるさやか。
『コンは!?』
地の文にツッコムな。
「この前の続きやんないのかい?」
「なんか…気分が根こそぎそがれた」
杏子の言葉にさやかは疲れきった顔でそう返した。
その言葉に、杏子は確かにと元凶たるリョウに視線を向けたのだった。
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