説明会
マミ「ロールパン頭ってなによ!ロールパン頭って!!」
杏子「………」
マミ「無言で笑わないで!!」

ーー走り抜く銀のマシン、バイカー・ドーラ
ギーゼラの愛車。
実は使い魔ドーラを改造したもの。
そのせいでエンジン音は滅茶苦茶うるさい。
ちなみに改造は彼女の部下の戦闘員やマギカが行う。
何故なら彼女に機械改造は出来ないからである。
なお一度挑戦して要塞の居住区を半壊させた事がある。

ーーやっちまった感全開、ギーゼラ・合体形態
ギーゼラがバイカー・ドーラと合体した姿。
合体しているので一々操作せずとも彼女の思うがままに動く。
そのため、ただ乗っているだけの時より1.5倍敵の攻撃に対しての行動が早くなった。
欠点は見てくれがそんなによくない事。
当人もこれが一番の問題だと思っている。

ーー走る暴走、ジェットコンスター
番外編2でマミ、ユウ、リョウの三人に多大なトラウマを植え付けたあれと同名の別物。
キャストオフ機能により防御重視の携帯から速度重視の形態に移行する。
ちなみに防御重視でも番外編のと同じだけの速度が出せるので、ある意味前回よりも危険な存在と化している。
従来通り笛で呼ぶのだが、今回は九尾がそれを忘れて呼んでしまった所を見ると前のも笛がなくても呼べたのかもしれない。

次回予告
ほむら「あ、あの暁美ほむら………です…あ、あの…よろしく…お願いします」
ほむら「……………………どういう事?」
スポンサーサイト

その頃マミ達は遥か彼方に行ってしまったまどか達の方を見ていた。
「見える?」
ほむらが持っていた双眼鏡を魔法で強化したもので地平線の彼方を見る杏子にマミは聞いた。
「いや、全然。ていうかどんだけ広いんだよこの結界…」
ほむらは仁美の膝枕で寝ており、さやかは一人空を見て黄昏ていた。
と、そんな時。
ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン。
という物凄い爆音と地響きと魔力波が地平線の彼方で起こった。
「なに!?」
ガバッと起き上がったほむらは杏子に問い掛ける。
「なんか、凄い爆発が起こったみたいだけど…」
「まどか…」
「鹿目さん…」
不安そうに地平線を見つめるほむらとマミ。
「あの~、一応リョウさんとユウさんもいるんですけど…」
そんな二人に仁美はおずおずと言ってみる。
その言葉にうんうんとうなずく杏子。
「まああの二人ならどっこい生きてる気がするしね…」
さやかは苦笑した。
と、
『コンもいるコンよ~』
遠くの方でそんな言葉が聞こえた。
「「ん?」」
「「あら?」」
「あ?」
なんだと思って空を見上げた一同の目に地平線の彼方から何かがそれがなにかなんとかわかる距離までの地点に落ちた。
一体どんなだけ吹っ飛ばされたのだろうか?
どうやらまどかと融合したユウと装甲姿のリョウとジェットコンスターの様だ。
「なんだあれ!あんなのありか!?」
「いや~参った。参ったと言わずしてなに言えといんじゃあああああああああああああああああ!!」
しかも無事。
よくもまああれだけの距離を吹っ飛ばされて叫ぶだけの元気があるもんである。
つくづく彼らのポンテンシャルの高さに驚くほむら達。
と、彼らが飛んできた地平線の彼方から何か光るものが走ってきた。
再度エネルギーを溜めているギーゼラ達だった。
「ふはははははははははは!どうだ見たか!!鹿目まどかとその他ども!!これが俺達の力、魔導砲だ!!俺とエルザの魔力をバイカー・ドーラの中で増幅してセバスティンズで発射する合体技だ!!」
「ご丁寧な説明どうもありがとうと言うしかないじゃないか!!」
「どうすんだよ、あんな攻撃…」
「いや、あれだけの大技だ。そう何発も撃てるものじゃないと相場が決まっている!!」
根拠のない意見を言うリョウにこいつはと思うユウだったが、
『でもその予想当たっているかもしれないコンよ?チャージがさっきよりだいぶ遅いコン。ただの射程の問題の可能性もあるコンけど』
「向こうが合体技でくるならこっちも合体技で戦おうじゃないかマイブラザー!という訳でレッツライド!!」
いつの間にかジェットコンスターに乗っているリョウはそう言って自分の後ろを指差す。
「どうするんだよ?」
言われた通り乗るユウ。
「いいか、相手が合体技ならこっちも合体技だ。ってさっき言ったじゃないか!!」
「だからどうするんだよ!具体的に説明しろ!!」
「簡単だ!」
リョウはそう言うとギーゼラに向かって発進した。
「俺が奴に最大速度で奴にぶつかる!お前とまどっちはそれを最大の魔力矢で粉砕だ!!」
「はあ!?」
『えええ!!』
作戦も何もあったものでない力技、というか意味不明の作戦に思わず声が出るまどかとユウの二人。
「いくぜえええええええええええええええ!!ジェットコンスターキャストオフ!!」
『CAST OFF』
リョウの言葉にジェットコンスターの装甲が弾け、更に速そうなバイクになる。
「『やめて~!!』」
まどかとユウは懇願の声で叫ぶ。
「いいか!お前ら!俺はお前らが奴を倒すのを信じる!だから俺を信じろ!!」
「いや、無理」
「九尾の作ったマシンと」
『コーン!それを操作するリョウを信じるコンよ。だからコン達は合体した二人の力を信じるコン!!』
「いくぜええええええええええええええ!!」
「って、こっちの意見全面無視かよ!!」
アクセル全開でギーゼラに向かうリョウに涙流しながら叫ぶユウ。
「面白い!この俺と真正面からぶつかろうというのか!!」
「『勝負だ!ギーゼラ!!』」
「あああああ…もう駄目だ!!」
『ユウ君…やろう』
「え?」
まどかの言葉に驚くユウ。
『リョウ君と九尾はわたし達に全てを託して全力でぶつかるんだよ?ならわたし達はその期待に応えるしかないと思うんだ…』
「まどか…」
『それに…もうそれしか道ないしね』
「ですよね~」
まどかの反論の仕様のない言葉にユウはそう言って覚悟を決めた。
かなり無理矢理の覚悟だったが。
「いくぞ!クリアマインド!!」
「遊星かお前は!!」
相方にツッコムとユウはまどかの弓を構える。
するとジェットコンスターをピンク色の光が包む。
「なんか卑猥な表現に聞こえるのは俺だけかい!?」
『言わないでよ!!』
『仕方ないコン。まどっちの魔力光はピンクコンから…桜色じゃあなのはさんになっちゃうし』
「もうそれでよくない?なんか無敵っぽいし」
見よ、決死の攻撃をしようとしているのにこのいつも通り感。
これが彼らの強さの証…なわけないか。
『リョウ!タイミングをミスったら一巻の終わりコンよ!』
「大丈夫だ!何故ならそのセリフは勝利フラグだからだ!!受けてみろ!ギーゼラ!!」
『コンの作ったこのジェットコンスター』
「その全速力で操作する俺!!」
『そしてまどっちの力を放つユウ、正に四身一体攻撃コン!!』
「お前らの四身一体が勝つか、俺達の四身一体が勝つか、全力全開の大勝負だ!!」
「いいだろ!勝負だ!!」
リョウの言葉に答えるギーゼラ。
その後ろでエルザマリアは一体この会話は何秒で行われているのかとバトル系のアニメや漫画や小説を見た人なら何人もが思う事を考えていた。
もっとも、もっと早くから思うべき事の様な気がするのだが。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
「どりゃああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
『行くコンやるコンやったるコン!!』
そして二台のハイスピードマシンは激突した。
ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン。
大爆発が凄まじい閃光を放った。
ほむら達がその場所に駆けつけると、双方が背中合わせに止まっていた。
「ばか…な……!!」
ギーゼラがそう言うとバランスを崩し、後ろに乗っていたエルザマリアが崩れ落ちる。
「や」
歓声を上げ様としたさやかだが、その時、
「「『『や~ら~れ~た~』』」」
そう言って変身、融合が解除されて地面に倒れるまどか、ユウ、リョウ、九尾。
「「「「逆だろ!!」」」」
ほむら以外思わずそうツッコム。
「まさかすれ違い様の決着王道パターンが敵と主人公側で逆に行われたとは…」
腕組みしながらそう言うさやか。
「ぐ…ぐああああああああああ!!」
ズドオオオオオオオオオオン。
その時、ギーゼラが悲鳴をあげて爆発した。
「え?こっちも!?」
「相打ち!?」
ほむらとマミが驚きの声をあげると、まどか達が立ち上がった。
「勝ちました」
「死ぬかと思った…」
「もう二度とやらねえぞ…これ…」
『コンドルウェイ』
「みなさん!」
「心配したかい?嬉しいね☆」
仁美の言葉にサムズアップで応えるリョウ。
「ともかく全員無事だったわね」
「そうね。まだ終わってわいないけど」
マミの言葉にほむらはホムスピナーから銃を取り出しながらそう言う。
「え?」
「まだ結界が解けていないわ。特に変化も見られない。この結界はあの二人が張ったものだからどちらか片方が倒れたらなにかしらの影響を受けるはずよ。つまり…」
「まだ生きているって事ね」
マミはほむらの言いたい事を紡ぐとマスケット銃を取り出す。
「待って!」
気絶しているらしいギーゼラとエルザマリアに向かって歩き出す二人をまどかは慌てて止めた。
「だって気を失っているみたいだし…」
「鹿目まどか…あなたは優しすぎる。その優しさが大きな不幸を呼ぶ事だってあるのよ」
厳しい目でそう言うほむら。
『同感だな。だがこやつらをやらせる訳にはいかんな』
突如出現した大柄な黒いマントに黒いフード、黒い覆面で全身をくまなく隠した人物がほむらに殴り掛かった。
「!?」
咄嗟に防御を展開した盾で受け止めるほむらだが、防御ごと飛ばされる。
「ほむらちゃん!?」
「貰った!」
何時の間にか黒い人物の頭上に移動していた杏子がその人物に向けて槍を伸ばすが、
「失礼」
眼鏡を掛けた少女に蹴り飛ばされる。
「誰!?」
誰何の声をあげたマミは突然悪寒がしてその場を跳び退くと、ピエロの様な顔をした恵方巻きの様な怪物の歯が空を切る。
「ちっ、もう少しで頭を食い千切ってやったのにさ」
そう言うのは、
「お菓子の魔女シャルロッテ?」
腕に傷付き、意識のないゲルトルートを抱えていたあの時の魔女だった。
だがあの時のどこか人を馬鹿にした態度はなく、ただ純粋な敵意を全身から放っていた。
「くっ!」
新たな敵の出現に臨戦態勢を取る魔法少女+α達。
良く見るとエリーの姿もある。
『まあ待て。今は戦う気はこちらにはない』
「え?」
『我は暗黒の魔女ズライカ。今回は勝手な行動をした馬鹿どもを連れ戻しにきただけだ』
「わたしは委員長の魔女パトリシア。以後お見知りおきを」
パトリシアは眼鏡をくいっと直す仕草をしながら自己紹介をする。
「「「委員長…」」」
さやか、ユウ、リョウはセーラー服に眼鏡といった格好のパトリシアをじっと見る。
「なにか?」
「「「いや、似合ってます」」」
「どうも」
『ではさらばだ。見滝原の魔法少女よ』
ズライカはそう言うと彼女の足元から黒い霧の様なものが出現して魔女達の姿が包まれる。
「おい、ロールパン頭」
「え?あたし?」
闇の中に消える中、シャルロッテはマミに向かって殺意のこもった瞳でそう言う。
「お前は殺す」
そう言うとズライカが生み出した闇の中に消えた。
闇が消えるとそこに魔女の姿はどこにもなかった。
それと同時に結界も消滅してゆく。
「ろ…ロールパン頭ってなによ」
マミは怒りで震えながら独りごちた。

「喰らえ!!」
一気に斬り掛かるリョウ。
「ふん!」
迎え撃つギーゼラ。
そんな二人は、何故か目にも留まらぬ早業で斬撃の応酬を開始する。
目の前で繰り広げられる物凄い戦いに思わず見入るマミ達。
「凄いは…」
「ええ…。普段はあんなに不真面目なのにね」
「すげえ…」
マミ、ほむら、杏子の順にそう言う。
ちなみにさやかは無言で見ている。
しかし、目の前に激戦に意識を集中してしまったがために(普段不真面目なリョウだからなったとも言える)防御壁の表面に張り付く黒い蔦に気づかなかった。
「--?」
「ん?」
「あれ?」
防御壁の維持に関わっている三人はなにか違和感を感じて、防御壁を良く見てみる。
下の方に黒い蔦で張り付いている事に気づくがその時防御壁にひびが入り始める。
「うわあ!マミさん!!」
「なんとかしなさい!巴マミ!!」
「無理だわ!もう修復出来ない!!」
慌てる魔法少女達の目の前で砕ける防御壁。
「ふはははははは!動けるぞ!!」
ギーゼラはそう叫ぶと高速で動き回りながらリョウに攻撃をしまくる。
「いでででででででで!!」
『痛いたいたいコン!!』
敵の動きが速すぎて対処できないリョウは一方的にやられる。
「リョウ君!!」
「「「「リョウ!!」」」」
「リョウさん!!」
倒れるに仲間が声を掛ける。
『誰もコンの心配はしてくれないコンか!!?』
「く!」
九尾の文句を無視してマミは防御壁を砕いた張本人であるエルザマリアを睨む。
彼女から伸びた黒い蔦が防御壁を構成する魔力を乱して破壊したのだ。
(どうする!?鹿目さんとユウ君以外にまともに戦える人はリョウ君だけ!一応志筑さんも無傷だけど彼女を戦わせるのは無理があるわ!でもでも、鹿目さんは戦うのが下手だし…、ユウ君単体だと弱いし…)
と、そこまで考えたマミある事に気づく。
くるりとまどかとユウの方を向く。
「「………?」」
彼女は不思議そうにする二人につかつかと近くと、
「鹿目さん、ユウ君と融合しなさい」
と言った。
「え?」
「あの…その言い方もしかして自分の意見無視…」
「いい?あなたはまだ戦いに慣れていない。でもユウ君と融合するればいけるかなーなんてマミさん思ったりして」
「「「「なにそのいい加減な予想!?」」」」
マミの言葉にツッコムほむら、さやか、杏子、ユウの四人。
「でも…出来るでしょうか?」
「まどっち!考えるな!感じろ!!」
不安そうに言うまどかにギーゼラに轢かれまくるリョウが叫ぶ。
状況はかなりやばめなのに何故か余裕がありそうな彼だった。
「む!なにかする気か?させんぞ!!」
まどか達の動きに気づいたギーゼラが彼女達の元に向かおうとするが、
「させるかあああああああああああ!!」
リョウの体当たりで横転する。
「ぐあ!?おのれ!!」
「今我がマイブラザーがめでたくまどっちと一つとなろうとしているのだ!!邪魔はさせんぞ!!」
「お前の発言が何か違う気がするのは俺の気のせいか?」
「知らん!何故なら俺だから!!」
起き上がったギーゼラの言葉に訳のわからん事を言うリョウ。
「ふっ、面白い奴だ。違う出会い方をしていれば、案外気の合う者同士になれたかもな」
「今からでも遅くないと思うぞ」
「敵同士、しかも俺は魔女だぞ?」
「はっはっはっ。相手が美人なら魔女だろうが敵だろうがモウマンタイさ!!」
「本当に面白い奴だな!!」
「よく言われるぜ!!」
二人の剣が再び激突した。
一方、再びまどかの方。
「わかりました」
「いや、マジで自分の意思無視すか?」
「グダグダ言わないの。ティロフィナルわよ」
マミはにっこりとそう言うとまどかとユウを向き合わせた。
「………なんだか、恥ずかしいね」
「そうかもね…」
ユウはため息混じりにそう言うとまどかのソウルジェムに手を伸ばす。
「あら?マミ先輩達と融合方法が違うんですね?」
「だって、鹿目さんのソウルジェム胸にくっついてるでしょ?だったらこうするしかないじゃない」
仁美の疑問にマミが説明する。
なんでだ?
とその時、地面を突き破ってセバスティンズがまどか達に襲い掛かる。
「「「しまった!?」」」
またしてもエルザマリアの存在を忘れていたマミ達。
ていうか忘れるなよ…いくら目立った行動してないからって。
セバスティンズがまどかとユウに届く前に、まどかの身体は光の粒子となってユウのソウルジェムに九州された。
「「え?」」
あ、間違えた。吸収された、だ。
そしてユウの身体が光を放つ。
「ああ!決めのシーンなのに地の文のせいで台無しじゃんか!!」
さやかが文句を言うが、無視しましょう。はい。
光を浴びたセバスティンズは、光に照らされた影の如く消滅した。
「ーーそんな!?」
「なんだ!この光は!!」
「くそ!眩しいじゃないか!!」
『コーン。ムスカネタはもう使っちゃったコン』
ユウの背中に光の翼が生え、髪にピンク色のメッシュが入る。
「あれは…天使?」
その姿にそう呟く杏子。
『いくよ、ユウ君』
「ああ!」
まどかの言葉に力強く答えるユウ。
「って、言っても自分で行かなきゃいけないんだよね~」
が、すぐにいつもの情けない声を出す。
『もう~ユウ君、がんばってよ』
「りょーかい」
ユウは一気にギーゼラに迫る。
「む!」
慌てて逃げるギーゼラ。
「って、あれ?」
『わあああ!リョウ君どいてええええええええええええええ!!』
「え?まさかこのパターンは!!?」
『スピードが出すぎて止まれないパターンコンね!!』
九尾の言葉が終わるか終わらないかという所でユウとリョウは衝突した。
「「あべし!!」」
「おい、大丈夫か?」
呆れた様子でそう言うギーゼラ。
「「『『たいひょうふたいひょうふ』』」」
敵にまで心配された四人は全然大丈夫そうに見えなかった。
「そうか…。ならばいくぞ、鹿目まどかとその他達!!」
「「『その他って言うなあああああああああああああああああ!!!!』」」
ギーゼラの言葉にマジで叫ぶ三人。
『それにしてもなにやってるコン!フライングコントロールも出来ないコンか!!?』
「いや、これ結構難しいんだぞ!!」
『うん。わたしが浮遊を、ユウ君が移動を担当なんだけど…』
「スピードの微調整が出来ないんだ…」
『こっちもバランスを取るのに精一杯…』
「そんな事言われても困るじゃないか!向こうは合体したせいでバイクの反応が早くなってんだぞ!!」
『コーン。仕方ないコンね…。カモン、ジェットコンスター』
九尾の呼びかけにどこからともなく走ってくるマミ、ユウ、リョウの脳裏に深いトラウマを残したあのマシンと同じ名前のバイク。
「あれ大破したんじゃなかったのか?あと車だったし」
『修理したらこうなったコン』
さらりと言う九尾。
その言葉にそうですかという気分になる一同。
「ていうか、笛なくても呼べるのか?」
ふと前回と呼び方が違う事に疑問に思うユウの言葉に九尾は、
『あ、やべ。間違えたコン。もう一回やりなお』
「「すな!!!!」」
アホな事を言う九尾にユウと一緒にツッコムとリョウはジェットコンスターに乗り込んだ。
「乗れ!マイブラザー!」
「え?でも…」
「今の二人じゃ奴の速度には勝てても小回りで勝てない!かといって足で走ってたら奴のスピードについていけない。ならこうするしかないじゃないか!!」
そう語るリョウ。
それを聞いていたマミは、普通に空から矢で攻撃すればよいのではと思ったが、その矢が自分達に当たるシーンが浮かんだので黙っておいた。
「俺がこの化け物マシーンを運転する。攻撃は全部任せた!!」
「……………わかった」
ユウはそう答えるとリョウの後ろに乗った。
「お前の言葉を信じるぞ。期待を見事に裏切る可能性が高いが」
「信じていいぜ!俺も、お前のその予想も!!」
「いや、両立出来る内容じゃないだろ」
サムズアップするリョウにユウはため息混じりにツッコム。
「ほう、俺とスピード対決をしいようというのか…。エルザ!」
ギーゼラの言葉にギーゼラの後ろに乗るエルザマリア。
「俺のスピード、そしてエルザとのコンビネーションを見せてやる!」
「面白い!ならば俺とマイブラザーとの友情パワーを見せてやろう!!」
リョウとギーゼラの間に火花が散る。
その光景にユウは、この二人絶対似たもの同時だと思ったそうな。
「「いくぞ!!」」
そして二人は猛発進した。
ただしリョウは後ろにだが。
「またかーーーーーーーーーーーーーーい!!」
『きゃあああああああああああああ!!』
「おっと、間違えたぜ」
『それコパーフォームじゃ動き難いコンよ』
「そうか。キャストオフ」
九尾の言葉にリョウはうなずくと、全身の装甲が身体から外れだす。
「いや、ちょっと待て!!」
『CAST OFF』
九尾の言葉と同時に弾けとんだ装甲のパーツ。
無論、それは後ろに座るユウにこれでもかと命中した。
「いだだだだだだだ!!」
『きゃあああああ!!』
「なにやってんだ…あいつら…」
その光景に呆れる杏子。
「あれでいつも通りなのよ。彼らは」
どこから取り出した紅茶のカップを片手にそう語るマミ。
「それより、ずっと気になっていたんだけどリョウは刀を落としたはずなのに何故今持っているの?」
「気にしてはいけませんよ」
「そうだよ。そんな事言ってたらキリがないじゃんか」
仁美とさやかの言葉にそれもそうかと納得出来ないほむらだった。
「あなたもまだまだねえ、いい加減慣れなさい」
「慣れたくない…」
マミの言葉に戦闘とは別の理由で疲れたほむらはため息混じりにそう言った。
一方、ちゃんと前方に猛発進したギーゼラは、
「ふはははははははは!!俺の走るについてこれるものなどいやしない!!」
「というか、何かもめていますよ?」
「なに?」
エルザマリアの言葉に後ろを見たギーゼラは、
「お前!キャストオフしたら後ろにいる自分に当たるってわかてるだろ!!ていうかわかれ!!」
「はっはっはっはっ。その場の勢いは大事じゃないかマイブラザー!!」
『痛かったよ…』
『コーン』
「あれだけでサナギワームを倒せるんだぞ!!」
「よかったじゃないか、戦闘員レベルと言われたお前が戦闘員と同じ立ち位置のサリスより頑丈だと証明されて」
『うう…まだひりひりする…』
『コーン』
「わざとか?わざとなのか!?」
「なにを言っているんだマイブラザー!一々降ろすのが面倒だったからそのままキャストオフしただけじゃないか!!」
『それって…当てる気だったんじゃ?』
『コーン』
「「お前は他にいう事ないのか!?」」
『とうもろこし』
「「あほかあああああああああああ!!!!」」
『あ、とうもろこしは英語でコーンだから』
と口論(と呼べるのかは疑問だが)をしている二人(+α)を見た。
「この俺を無視とはいい度胸だ!」
そう言うとギーゼラはスピードを落とさずクルリと回転して(二輪でどうやっているのかは不明だが)まどか達に迫った。
「む!マイブラザー!来たぞ!!という訳で発進!!」
「え?ひょわあああああああああああああああああああああああ!!!!!」
『きゃあああああああああああああああああああああああ!!!!』
もう言葉に出来ねえ猛発進をする
「ぎいいいいいいいいいいいいいいぜらあああああああああああああああああ!!!!」
「いくぞ小僧!!」
リョウとギーゼラは互いの獲物を構える。
「って、お前ハンドルハンドル!!?」
『大丈夫コン。コンが操作してるから』
「余計駄目だろうがあああああああああああああああああああああ!!!!」
番外編のトラウマが蘇るユウ。
リョウも同じトラウマを持ってはいるが、ノリと勢いだけで生きているこの男には今目の前の敵しか見えていなかった。
ギイイイイイイイイイン。
「なに!?」
すれ違い様に互いの最高速度の中でリョウの神剣にぶつかったギーゼラの銀剣は粉々に砕け散った。
「俺の魔力を込めたこの剣が砕けただと!!?」
愕然とするギーゼラだが、すぐに我を取り戻すとジェットコンスターを追う。
というか、完全に別物なのに2とかつけなくて良いのだろうかと今思ったがまあいいか。
「逃がさん!」
後ろから迫るギーゼラに後ろに乗る(?)エルザマリアの背中から伸びるセバスティンズが襲い掛かる。
ユウはそれを魔力矢で撃ち落す。
『ユウ君!これならいけるよ!』
「よし!」
さらに矢を放つユウ。
矢は途中で分裂するとまるで意思を持っているかのようにギーゼラに襲い掛かる。
「ぐあああ!!」
「きゃあ!」
「おのれ!エルザ、魔導砲だ!奴らに俺達の力を見せ付けてやる!!」
「了解しました!」
エルザマリアは答えると例の蔦をギーゼラに巻きけ、ギーゼラは腕を水平に伸ばす。
と、ギーゼラの腕が分離し、そこから銀色の竜の顔をしたセバスティンズが三本ずつ、計六本生える。
『なにあれ!?』
「「『なんじゃありゃあ!!??』」」
六本の竜のセバスティンズは口をカパッと開け、エネルギー波を放つ。
放たれたエネルギー波は一箇所に集中し、更に増加して前を爆走するジェットコンスターに向かって放たれた。
「「『『ええええええええええ!!!!!』』」」
三人と一匹の悲鳴を、光が飲み込んだ。


マミ達が急いで二人の所に走ると、二人が倒れていた。
「ほう。また雑魚がぞろぞろと」
今二人にとどめを刺そうとしていたギーゼラはやってきた三人を見て攻撃をやめた。
「あれ?リョウは?」
「こっちだ!!マイブラザああああああああああああああ!!!!」
ユウの疑問の言葉に猛烈な速度でエルザマリアの攻撃から逃げながら叫ぶリョウ。
「俺は見ての通り美人と追いかけっこをしている!ここが白い砂浜でないのが非常に残念だ!!」
よくもまあ命掛かっている時にくだらない事が言えるものだと思う一同だった。
と、そこにギーゼラが突撃した。
「うわ!」
「きゃあ!」
「ああ!」
あっという間に戦闘不能に陥るほむらとマミ。
「ちょっ、早くない!?」
ほむらは元々ダメージがあった所に戦闘をした為、マミはゲルトルートとの戦闘のダメージを負っていた為にこの一撃でも限界が来たのだ。
変身が解ける二人。
ユウだけはそれほど激しい戦闘をしていないので無事らしい。
逆に言えば、ギーゼラの相手は自分がしなければいけないという事なので全然得した気分にはなれなかった。
「これで終わりか?魔法少女ども」
ギーゼラはバイカー・ドーラの上からそう言うと剣を向ける。
「ではさっさと殺すとしよう。それともお前がなんとかするのか?」
挑発的にそう言うギーゼラ。
ユウはこの状況で勝算があるかと考える。
(ない。無理に決まってんじゃん)
即答だった。
(ていうかやばいやばいやばいやばいって!ああもう、こんな時あのコン畜生はどこいったんだよ!!)
そうユウが思った時だった。
『呼んだコン?』
ひょいと何事もなかったかのように、普通に出てきやがった。
「このやろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
怒りに任せて九尾を殴るユウだ、残念ながらそれは重さ五トンの身代わりだった。
グギ。
「ぎゃああああああああああ!!腕が!腕がああああああああああ!!??」
手を押さえて叫ぶユウの姿を、前にも見たような?と思うまどか。
『なにやってるコン』
「「それはこっちのセリフだ!!」」
痛がるユウに向かってなんとも酷い発言をする九尾の後頭部に剣とマスケット銃が押し付けられる。
「いままでどこにいたのさ?」
「そうよ、こっちは大変だったんだから」
九尾に対する怒りで立ち上がったさやかとマミだが、その身体はボロボロな上にプルプルと震えていた。
「まったくだ!おかげでゲーセンで知り合った女子と追いかけっこの真っ最中だ!!」
「「「「お前は黙ってろ!!」」」」
エルザマリアの攻撃を避けながら走りながら叫ぶリョウに向かってさやかとマミと杏子とユウにまで叫ばれ、取り合えずリョウは黙った。
しかし、そんな状況にも関わらずくだらない事を言うリョウの姿に実は余裕あるのでは?と思う疑問を感じずにはいられない一同だった。
『コーン。大変だったコンよ。薬草探しに迷いの森に入ったり、サッカーのスケットやったり、間違ってまともなまど☆マギの世界に入ったりとか』
お茶をすすりながらしみじみ語る九尾。
ていうか魔王軍との戦いはどうした?
「それでどうするんですか?まともに戦える方はもうユウさんとリョウさんだけですよ?」
仁美の言葉に九尾は、
『もう一人いるコンよ』
と胸を叩く。
「「「「「「「「え?」」」」」」」」
「ほう?」
「?」
九尾の言葉に仲間達は怪訝そうに、ギーゼラは興味深そうに、エルザマリアは不思議そうにする。
『それはまどっち!あんたコンよ!!』
「え?…………………えええええええ!!」
九尾の言葉を理解するのに若干時間を必要としたまどかは、大声で驚いた。
いや、他のメンバーも驚いたが。
『さあ!受け取るといいコン!それがあんたの運命コン!』
そう言ってまどか用に作ったソウルジェムをまどかに向かって投げた。
「………」
それを受け取ったまどかはしばしそれを見つめ、
「いくよ!変身!!」
と、ポーズを取った。
というか展開が早い。
それを見たほむらとユウは、
((ああ、だいぶさやか、マミ、リョウ、九尾に毒されてる))
と思った。
まどかの身体は凄まじい光に包まれ、変身が完了した。
「これが…新しいわたし…」
少し自分の姿を見たまどかはビシッとギーゼラを指差し、
「魔女ギンゼラ」
「ギーゼラだ」
「…………」
訂正され赤面するがすぐに気を取り直すと、
「わたしの友達を傷つけたその行い、絶対に許さない!!」
「もしかして、セリフ練習した?」
「ていうかそれプリキュア?」
後ろでさやかとユウにツッコまれ、再び赤面するまどか。
ちなみにユウの後ろでは九尾が目が~目が~と言いながら転げまわっていた。
何回やる気だそのネタ。
「ふん。ならばやってみるがいい!!」
『やめろ、ギーゼラ』
戦う気満々のギーゼラだが、そこにズライカから通信が入る。
「ん?」
『忘れたか、鹿目まどかの潜在能力は計り知れん。そんな奴を相手に戦って無事で済むと…』
「俺があんな小娘に負けると言うのか!!」
画面に映るズライカに怒りの表情で怒鳴るギーゼラ。
『ともかく鹿目まどかと戦うな。今すぐ戻ってくるのだ。エルザ、お前からも…』
ビーン。
いつの間にかギーゼラの隣りに移動したエルザマリアにギーゼラの説得をさせようとするが、ギーゼラに通信を切られてしまう。
「ズライカめ、ふざけやがって…」
そう呟くとまどかをギロッと睨むギーゼラ。
その迫力に先程の威勢はどこへやら、脅えるまどか。
「鹿目まどか、貴様にどんな才能があろうと関係ない。俺の前に立ち塞がるものは全てなぎ払うまで!!」
そう叫ぶとギーゼラはヘルメットを捨ててバイカー・ドーラをまどか達から離す様に走らせた。
「………どこに行くんだ?」
まどか達に合流したリョウが首を傾げる。
まどか達の同様だった。
彼女達の疑問の視線の中、ある程度離れたギーゼラはドリフトの要領でターンして戻ってきた。
「はあ!」
掛け声を上げるとギーゼラは跳び上がる。
するとバイカー・ドーラの座席部分がL字型に開く。
ギーゼラは足が変形して一本になり、更に三つに分かれる。
そしてそのままバイカー・ドーラの開いた座席にドッキング。
更にバイクのライトの様なバイザーが現れて彼女の眼を覆った。
「「『ぷ…プラシド~!!??』」」
まさかのバイクとの合体に驚く有料九尾。
『コーン!なんかコンがお金取るみたいコンよ!!』
「見たか鹿目まどか!これがマギカ様よりいただいた力だ!!」
「「「「「「「「『………………………』」」」」」」」」
得意げなギーゼラの言葉に、なんと言っていいのかわからないまどか達。
しかも自分の能力じゃないし。
「行くぞ!!」
そう言うと、ギーゼラは猛スピードでまどかに突撃する。
「きゃあ!」
慌てて避けるまどかは、咄嗟に武器ーー弓を構える。
「これがわたしの武器…やあ!」
意識を集中して生み出した魔力の矢を放つ。
「ふ!」
だがギーゼラはバイクではありえない回避行動を取る。
いや、取ろうとした。
だが途中で動きを停止する。
何故ならまどかの矢はありえない方向に飛んでゆき、
「へぶそ!!??」
さやかの顔面に直撃、その頭を粉砕したからだ。
「さやかさあああああああああああああん!!」
「さやかああああああああああああああ!!!」
「美樹さあああああああああああああん!!!??」
「マイシスターーーーーーー!!」
仁美、杏子、マミ、リョウの順に叫ぶ。
『なにやってるコン!!?』
「「ええええええええええええええええええ!!??」」
まさかの事態に驚くほむらとユウ。
「うわ!さやかの頭が!!?」
いつの間にか名前で呼んでいる杏子。
さやかは、なんというかー、マミられたマミさんと同じ状態というか…顔を取り替える瞬間のアンパンのヒーローと言うか…ともかくどんな生き物でも確実に死んでいる状態であった。
だがそんな状態だというのにさやかはバッと立ち上がり、ズボッという音と共に頭が生えた。
「「ええええええええええええ!!??」」
その光景に驚くマミと仁美。
「お前はセルか!!!!」
見ようによってはグロい再生プロセスに腰を抜かした杏子がそう叫ぶ。
「まどかああああああああああああああ!!あんたあたしを殺す気かあああああああああ!!!!」
「ひゃう!ごめんなさい!ごめんなさい!!ごめんなさい!!!」
呆然としていたまどかはさやかの怒りの声にはっとして彼女に謝り倒した。
「………」
その様子にギーゼラは呆れた様子で見ていた。
「今度こそちゃんと当てなさいよ!」
「ひゃい!」
が、腕を組んでそう言うさやかの言葉に弓を構えるまどかの姿を見ると再び走り出した。
「やあ!」
再び放たれたまどかの矢は、ギーゼラどころか真後ろにいるはずのさやかの頭上を通り過ぎてユウ達に向かう。
「「「「「「『ぎゃああああああああ!!!!』」」」」」」
念の為逃げる体制をしていた為すぐに逃げたメンバー、そのいた場所に突き刺さった矢は爆発を起こした。
『「「殺す気か!!」」コン!!』
「ごめんなさーい!!」
怒鳴る杏子、リョウ、九尾に謝るまどか。
『まどっち…。一言いいコン?』
「な…なに?」
『あんた魔力はあるけどそれを操るだけの技能がまるでない!!』
「ガーン!!」
「大丈夫だ。まどっち!強いキャラに制限があるのは常識じゃないか!!」
九尾の言葉にショックを受けるまどかにサムズアップして慰める(慰める態度ではないが)リョウ。
「ふん!いかに凄まじい力があろうと、それを使いこなせなければないに等しい!」
好機とばかりに攻めるギーゼラ。
「「まどかに」」
「鹿目さんに」
「「「手出しはさせない!!」」」
ほむら、さやか、マミの三人がギーゼラとまどかの間に防御壁を張る。
「ぬ!?こんな壁…なに!?動けないだと!?」
タイヤが結界にぶつっかたショックでめり込み、抜けずに慌てるギーゼラ。
「く…くそおお!!」
必死で普通のバイクでは出来ないバックを試みるギーゼラだが、抜ける様子はない。
「無駄よ。一度はまったら抜け難い防御壁だもの」
と語るマミ。
ちなみにこの防御壁の性質はマミが担当し、それを二人がサポートしている。
「よし!三人が時間を稼いでいる間に俺達も行くぞ!!」
『コン!?』
負けてられないとばかりに九尾の頭を掴むリョウに驚く九尾。
「いや、なにを驚いているんだよ?」
『いやコン!こっちはいろいろ大変な目に合って疲れているんコンよ!帰って寝かせて欲しいコン!!』
なんと九尾の野郎、自分で勝手にいなくなっといて戦うのを拒否しやがった。
「そんな事知ったこっちゃないさ!!装甲になれ!俺の出番の為に!!」
リョウの発言もどうかと思うがここはまどか達はリョウに参戦しいて欲しかったのでなにも言わなかった。
一応役にたつし。
たたない事もあるが。
『いやコンよ!断固拒否コンよ!』
「おまえな~」
嫌々と首を振る九尾に若干苛立ちを見せるリョウ。
今にも九尾の首を絞めそうな様子だが、周りの心情は彼の味方なので誰も止めなかった。
と、九尾の肩に仁美の手がポンと乗る。
『コン?』
「ん?」
その事に疑問に思うリョウと九尾。
仁美はそんな彼らに(正確には九尾に)にっこりと微笑むと、
「おいき」
と言った。
本当に素晴らしい笑顔で。
『「サー、イエッサー!!」』
本当の恐怖ってなんだと思う?
それを知った二人は思わず敬礼をしてそう答えた。
『不肖九尾!皆様の為に戦ってくるであります、サー!!』
「行ってくるであります、サー!!」
『HENSHIN!!』
「変身!!」
そんな感じで装甲に包まれたリョウは、防御壁を回り込んでギーゼラに迫るのだった。

『『グルルルルル』』
二体の怪人は以外とコンビネーションがよく、交互に襲い掛かってユウを苦戦させていたのだ。
まあ、ユウの戦闘能力に問題があるという説もあるが。
「……どうすれば」
『ユウ、わたし能力は使える?』
「ほむらの能力?そういえば知らなかったな。一体どんな能力?」
『時空間操作。その盾に色々な物を出し入れできるのも空間操作によるもの。そして時間操作で一時的に時間を止める事が出来るわ』
「それは凄いな、やってみよう。クロックアップ!」
そう言って盾を叩くユウ。
ーーCLOCK UP
すると盾から声が出ると、ユウの周囲の時間が遅くなる。
『………なに今の…?』
「すまん、リョウの影響を受けた…。とにかく」
呆れるほむらにそう言うとレディバグフリーフに向かって走るユウ。
「ふっ、はぁ!」
殴り飛ばし、崩れた所に蹴りを入れる。
ゆっくりと吹っ飛ぶレディバググリーフに向かって盾から魔力弾を発射する。
発射された魔力弾はユウから離れた影響で、時間が遅くなる。
ーーCLOCK OVER
ほむらの盾、ホムスピナー(命名九尾&リョウ)からそう音声が流れると周囲の時間が元に戻り、本来の速度に戻った魔力弾がレディバググリーフを爆破した。
前回から散々な目にあったグリーフモンスターであった。
『グオオオオオ!!』
一体倒した一息を吐く暇もなく、メタルグリーフがユウに襲い掛かった。
「この!」
殴り掛かるが、
がああああん。
「い…痛い…」
その硬さに逆に痛い思いをするユウだった。
『グア!』
「げふ!」
さらに殴り倒される。
『グルルルル』
そんなユウ(+ほむら)メタルグリーフはゆっくりと近づく。
『がぎ!』
の途中で仁美の投げた神鏡が後頭部に命中してつんめのる。
「……仁美ちゃん」
「まさか当たるとは…」
戻ってきた神鏡を眺める仁美。
「しかも痕ついてるよ…」
「この鏡…もしかして結構攻撃力があるのでは?」
『グオオオオ!!』
そう話し合うまどかと仁美に怒りの声をあげてメタルグリーフが襲い掛かる。
「させん!」
『させないわ!!』
ユウ(+ほむら)はそう言うとジャンプしてメタルグリーフの前に着地、
「ライダーキック!!」
そして回し蹴りをメタルグリーフに食らわした。
メタルグリーフはマミとゲルトルートの戦っている場まで飛んでゆき、ゲルトルートの鞭の一閃で真っ二つにされて爆発した。
『どうしてライダーキック?』
ほむらの問いにユウは、
「いや、クロックアップでつい…」
と答えた。
「全く…。無粋ですわ………というか、アレわたくしが倒してはいけなかったのでは?」
ゲルトルートはそうメタルグリーフの爆発した所見ながら言うと、マミに視線を戻した。
「まあ、いいですわ。さて、そろそろ決めさせてもらいましょうか」
にやりと笑うとゲルトルートは鞭を構える。
「あなたの命を注げばさぞよい薔薇が咲くでしょうねぇ」
「そうね…。そろそろ終わらせないとね」
マミは邪悪ともいえる笑みを浮かべるゲルトルートに静かにそう言った。
「あなたの最後でね!」
マミの言葉を合図にマミがこれまで撃ち込んだ魔力弾がリボンとなってゲルトルートに襲い掛かった。
「なに!?」
突然の事に反応も出来ず縛り上げられるゲルトルート。
「本当は人間にしか見えないあなたを倒すのは心苦しいのだけど…」
マミは本当に辛そうにそう言うと胸元のリボンを解く。
「後輩と”友達”が危なそうだからいかないといけないのよ」
チラリとさやかと杏子の方を見ながらそう言うとマミはリボンをくるくると回して大型の大砲に変える。
「ティロ・フィナーレ!!」
撃ち放った必殺の一撃はゲルトルートの身体に命中、体内で爆発してその身体を四散させた。
「ごめんなさいね…」
マミは飛び去る蝶の群れに謝罪の言葉を述べてさやか達のとこに行こうと歩き出し、
「きゃあ!」
こけた。
それはもう見事にこけた。
え?実はドジっ子?ドジっ子マミさん萌え~。
と誰かが言いそうなくらい(わたしは言わんぞ)見事なこけっぷりである。
「何回ドジっ子って言うのよ。全く…」
地の文にツッコミながら起き上がると膝を払うマミ。
「それにしてもなんなのよ、もう…え?」
見ると、木の根が地面から顔を出している。
これにマミは足を取られてこけたのだ。
「ここは魔女の結界よ?それなのに木の根があるはず…」
思った時マミに、ゲルトルートの鞭で出来た亀裂から飛び出した木の根が襲い掛かる。
「きゃあ!」
その一本が足に巻きついてマミは宙吊りにされてしまう。
「ほほほほほっ」
「その声はゲルトルート!?」
「その通りよ」
そう答えると、先程マミのティロ・フィナーレで彼女を吹っ飛ばした所にあいている穴から這い出すゲルトルート。
「どうして生きているの!?」
「ふふっ」
マミの疑問にゲルトルートは不敵に笑う。
すると先程ゲルトルートが爆発と同時に飛び去った蝶が彼女の手に集まる。
「ダミーパピオン。これを使ってわたくしの分身を作り出せるのよ。まあ、それを操っている間は本体は無防備だし、分身が受けた痛みも感じますけど…」
そう言うとつるされたマミを見て。
「でも本体で出来る事は全て出来ますわ。あなたを倒すために用意した魔法を仕込む事もね」
その言葉にはっとするマミ。
「まさか…これって!?」
「ええ。あなたの魔法を参考させていただきました。どんな気持ちですか?自分が普段切り札に使っているのとそっくりな魔法をくらうのは?」
「くっ…」
楽しげに語るゲルトルートを悔しそうな目で睨むマミ。
「ふふふっ。あなたに敗れたあの日から、あなたのその顔、見てみたかったんですよ」
そう言うとゲルトルートは鞭を伸ばす。
すると茨の鞭(何故彼女の手に刺さらないのか不思議だが)は一本の鋭い槍となる。
「ご安心してください。わたくし、サディストではありませんから、一瞬で楽にしてあげますよ」
そう言うとゲルトルートは槍を投げる体制を取る。
「さあ、死になさい!」
そう言ってマミに向かって槍を投げるゲルトルート。
「ひっ!」
死を覚悟したマミの顔は恐怖に染まる。
が、ゲルトルートの投げた槍は見当違いの所に飛んでいく。
「…………」
「…………」
非常に気まずい空気が流れる。
「ーー!!」
もう一度投げるが、やはりマミとは違う方向に飛んでいく。
「…………ええい!投げにくい!!」
そう言って地団駄を踏むゲルトルート。
「なれない武器は使うものじゃないわよ」
ため息混じりにそう言うマミ。
「それもそうですわね」
その言葉にうなずくと、ゲルトルートは本来の武器である茨の鞭を構える。
「え…一息で殺すって…」
「ええ、別にこのままでも串刺しには出来るますもの」
なら何故投げ槍に挑戦した?
そんな疑問が頭に浮かぶマミだが、そんな事を言っている場合ではない。
「あの…やっぱり諦めるのはよくないわ。うん。何事も挑戦よ!」
「わかっています。あなたを殺したら練習しますから」
そう言ってニッコリと微笑むゲルトルート。
「……できれば今練習して欲しい」
涙を浮かべてそう言うマミ。
「さあ!死にげふ!!?」
鞭を突き出そうとしたゲルトルートの顔に魔力弾が炸裂する。
さらに宙吊りにしていた根が神鏡が切断する。
「って、ええ!?」
落下しながら慌てるマミをユウ(INほむら)が受け止める。
「大丈夫ですか?」
「ええ…ありがとう」
ちょっと顔を赤くしてお礼を言うマミ。
「おのれ!よくも邪魔してくれたわね!!」
その時ゲルトルートが怒りの咆哮をあげた。
「殺す!殺してやる!!皆殺しですわ!!」
ゲルトルートの雰囲気が別人レベルまで変化した事にかなりビビリまくるユウ。
と、その身体からほむらが出る。
「え?」
「暁美さん?」
「選手交代よ。あなたが倒しなさい。あなたの獲物でしょう?」
「………そうね」
そう言うとマミはソウルジェムがついている髪飾りを取るとユウのソウルジェムに押し付けた。
マミの身体は光の粒子となりユウのソウルジェムに吸収される。
マミと融合したユウは、
(交代って自分と融合しろって意味なのね…)
と、考えていた。
「舐めるんじゃありませんわ!」
ゲルトルートはそう言うと、巨大なハサミを取り出して分離させると二本の剣にする。
そして猛スピードでユウに迫る。
ユウはそれを優雅な動作でひらりとかわすと、マスケット銃を自分の頭上に向かって撃った。
放たれた魔力弾は空中で四つに分離し、マスケット銃に変化する。
「そんな攻撃、全て斬り落としてさしあげますわ!!」
チャキ。
再び猛スピードで迫るゲルトルートに狙いを定めるユウ。
『ティロ・フィナーレ!!』
「ブラスト!!」
五つのマスケット銃から強力な魔力砲が放たれる。
ゲルトルートは剣を交差させて防ごうとしたが、
「ぎやあああああああああああああああああ!!!!」
ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン。
防ぎ切れず、今度こそ爆発の中に消えた。
「やったんでしょうか?」
『ユウ君、それ敗北フラグだから』
ユウの言葉に苦笑気味にそう言うマミ。
煙が晴れるとゲルトルートの姿はなかった。
「彼女…死んだんでしょうか?」
『さあ、わからないけわ。でもかなりの手傷は負わせたはずよ…また偽者でなければ…』
マミはそう言うとユウとの融合を解除した。
「さ、美樹さんと佐倉さんを助けてに行きましょ」
「あの…もう休んでいいですか?」
「駄目よ。あ、志筑さん。さっきはありがとうね」
「いえ、無事でなによりです」
「そんな事よりもさやかちゃん達が!」
「急ぎましょう!」
マミの言葉にみなさやか達のところに向かって駆け出した。

まど☆ギカライト6

ギイイイイン。
「かてえ…」
予想以上に硬いギーゼラの身体に呻く杏子。
「さっきから何回も急所に当ててんのにまったく通じた様子がねえ、普通の魔女より硬いってどんな生き物だよ…」
「古来より、銀は退魔の力があると信じられてきた。何故だかわかるか?」
突然そう問い掛けるギーゼラ。
「あ?」
「一般には毒物である砒素に反応するからと言われているが、実際は人間の意志の力、魔力を効率よく通す物質だからだ。それにより魔力の扱いが出来ない者でも他者の魔力を弾く事が出来る。ま、物理攻撃な貴様には関係ない話だがな」
「……………で?なにが言いたいんだ?あんた」
言葉通り何が言いたいのかわからない杏子はジト目で問うとギーゼラは、
「言いたかっただけだ」
きっぱりと言い返した。
「あ、そ…。ん?」
「へぶるしあ!!」
と、杏子の隣にさやかが盛大に地面に激突した。
「お、おい。大丈夫か?」
「う~ん、う~ん。加賀美…、お前にハイパーゼクターはまだ早い…、わたしが手本を見せてやる…矢車さん?何故…オンドルラギッタンディスカ!!??」
「てい」
「はう!」
訳のわからん事を呻くので、杏子はその頭にチョップを食らわす。
「あ、あんた…。無事だったんだ」
意識が回復したらしい。
だが彼女の額から血がどばーと流れている。
ついでに言うと目が白い。
「いや…お前の方が無事かよ…ていうかマジ怖い…」
「なんだよ?さっきの威勢はどうしたのさ?あれ?あんた何揺れてんの?」
ドン引きな杏子にそう言うさやかだが、揺れているのは彼女の方である。
「いや、揺れてんのお前だから!ていうかマジで大丈夫か!?」
「大丈夫だって。なにさあ、この間は本気で殺そうとしたのにさあ」
ぽんぽん頭を叩いて自分が大丈夫な事をアピールするさやかだが、頭から血が噴出したのは次の瞬間だった。
「大丈夫じゃねええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!っは!」
杏子は慌ててさやかを抱えて跳び上がってギーゼラの攻撃を避ける。
ギーゼラの剣は地面を容易く砕いた。
「あいつ、攻撃力と防御力は半端ないなが、その分スピードがないな」
「なんであたしお姫様抱っこ!?ホワイ!?」
突然意識が回復したさやかは自分の置かれた状況に混乱する。
「おー、もう回復したのか。本当に早いな。と!」
さらに襲い掛かるセバスティンズの攻撃をかわす杏子。
「落とすぞ」
止まったと同時にそう言う杏子。
「へ?」
さやかがその言葉を理解するより早く、杏子は実行に移した。
どさ!
「あいた!」
さやかを落とすと杏子は向かってくるセバスティンズを槍でなぎ払う。
が、
ガシ。
「なに!?」
セバスティンズの群れ(?)に隠れていたギーゼラが杏子の槍を掴んだ。
「うおおおおおおおおお!!」
ギーゼラはあろう事か杏子の槍を彼女ごと持ち上げ、そのまま彼女を地面に叩きつけた。
「ぐあ!」
激痛に呻く杏子にエルザマリアの影から伸びた腕が迫る。
ザシュザシュザシュ。
それをなぎ払ったのはさやかだった。
「あんた…」
「なんで降ろすんじゃなくて落とした?」
「その方が早いからだよ。文句あっか?」
さやかの問いに杏子はそう言い返した。
その間に、エルザマリアは新しい影の腕と身体から生やした木の枝で二人に襲い掛かろうとするが、
「エルザ!避けろ!!」
ギーゼラの言葉にその場から跳び退くと、彼女のいた場所に振ってきた数本の剣が突き刺さる。
ギーゼラにも振ってくるが、
「く!」
彼女はその持ち前の強度で耐える。
「ギーゼラ!大丈夫ですか!?」
「ふん。こんな攻撃でダメージを受ける俺ではない」
「なんだと!?」
「やめなって」
ギーゼラの言葉に怒るさやかだが、それを杏子に制される。
「聞きな。あの銀色の方はスピードはないがその分身体が硬いからあんたじゃたいしたダメージは与えられないから、あんたはエルザの方を相手しな」
「でもあいつ四方八方から攻撃してきたどうしようもないのよ!!」
「俺に速度がないか…それはどうかな」
「なに?」
「なんだと!?」
ギーゼラの言葉に眉をひそめる杏子と驚くさやか。
「来い!バイカー・ドーラ!!」
「「バイカー・ドーラ?」」
ギーゼラの言葉に疑問を浮かべるさやかと杏子。
すると先程まで止まっていたギーゼラのバイクが一人で動き出し、ギーゼラに迫る。
ギーゼラは後方に一回転ジャンプし、バイクに飛び乗る。
「このバイクは俺の使い魔ドーラを改造したもの。つまり、俺の意のままに動くバイクという訳だ」
「「なんだって!?」」
ギーゼラの言葉に同じ言葉で驚くさやかと杏子だが、驚きのニュアンスは違った。
杏子は、使い魔を改造という事に驚いた事だが、さやかの驚きはというと…、
「前回から引っ張っといてバイクかよ!しかも改造してあるし!!これじゃあ説明会でやった内容と微妙に違うじゃんか!!」
前回の説明会の内容に対する驚きだった。
「何の話だ!!!??」
思わずツッコム杏子。
「なにを言っているんだマイシスターさやか!どうせ誰も気にしていないからいいじゃないか!!」
と戦闘員を全て倒したリョウが叫んだ。
「って、もう倒したの!!?」
「ああ、しかし俺の活躍が全く描写されていないとは一体どういう事だと問いたい問い詰めたいいと問うしかないじゃないか!!」
そう叫ぶリョウだが、そこに走ってきたギーゼラのバイクが彼を跳ね飛ばした。
「ああ!リョウ!?」
ダミー人形もびっくりな跳ね飛ばされ方に驚く杏子。
「くっ!リョウ…」
その光景にさやかも呻く。
いつものリョウなら九尾の装甲があるから大丈夫だが、今の彼は生身である。
まさかの考えがさやかの頭を過ぎる。
「呼んだか~い?」
が、何事もなかった様に起き上がる。
「「無事なんかい!!」」
叫ぶさやかと杏子、二人はリョウを駆け寄って殴り倒したかったが、そんな隙を与えるギーゼラではなかった。
「死ね!」
バイクで高速で迫って斬り掛かって、高速で離れるというヒット&ウェイに苦しめられるさやかと杏子。
バイカー・ドーラはスピードがある上に小回りもきく優れものもの、離れたと思えばすぐに襲い掛かる攻撃に二人の顔に疲れが見え始めた。
「む!きょうさやコンビがピンチだ!」
「「変な括りするな!!」」
「しかしあの妖怪狐がいない今の俺は非戦闘員。しかも剣落とした。ゆえにここでエールを送ろうじゃないか!!」
勝手な事をほざくリョウにさやかと杏子が殺意を持った頃、ユウはというと、
「うわ!」
やっぱり苦戦していた。

目玉焼きにはソースがいいか醤油がいいかって話

ここはオトメ養成学園ガルデローベ。
今日もオトメを目指す少女達が清く正しく…
どどどどどどどど。
清く正しく……
どどどどどどどど。
清く………
どどどどどどどどきき~!
がらああ!!
「アリカ~遊びに来てやったぞ~」
やってきたるはガルデローベがあるヴィントブルーム王国女王マシロ・ブラン・ヴィントブルーム。
CVは確かキュアホワイトと同じだったはず。
「本日は終了いたしました。閉店がらがら」
「閉めるでない!!」
「ぐぬぬぬぬぬ!」
「くぬうううううう!!!!」
「なに扉の前で力んでんのよ…」
教室に入ろうとするマシロを入れんとすまいとするアリカ。
そんな彼女に声を掛けるのは新プリキュアとCVが一緒なニナ・ウォン。
「なんでプリキュア?」
深い意味はないのだよエルスティン・ホーくん。
「なんでフルネームで呼ぶんですか?」
「エルス、地の文にツッコンじゃ駄目だから…あとアリカ、出られないんだけど」
「マシロちゃんを入れる訳には~!!」
「あっそ。じゃあエルス、あっちから出ましょ」
一般的な教室のドアは二つある。
ここガルデローベの教室も例外ではなかった。
つまりアリカがマシロの進入を阻止するには、もう一つのドアから入るのも防がねばならない訳で…。
「………ん?」
突然ドアの向こうからの力がなくなった事にアリカが不審がると、
がらーーーー!
反対側のドアが開き、マシロが入ってきた。
「入ってきたあああああああああああああああ!!!!!」
「馬鹿か」
叫ぶアリカにニナの言葉は冷たかった。
「それでマシロ様、一体どの様な御用で?」
エルスの質問にマシロは大して…全くない胸を反らせて答えた。
「うむ、退屈だったのでアリカで遊びに来たって、どういう意味じゃ!!!!!」
「アリカちゃん”と”じゃなくて”で”ですか?」
「エルス…マシロ様が字の文にツッコンだ事にはツッコまないのね…」
エルスのツッコミレベルはそんなに高くないのだった。
ていうか仕事してくださいマシロ様。
「今は放課後であろう!と言う訳でわらわに付き合えアリカ!」
「ごめんなさい。わたし他に好きな人がいるので」
「そういう意味での”付き合え”ではないわ!!」
「楽しそうね」
そう呟くのは左右非対称女トモエ・マルグリット。
「そうね…」
疲れた様子で答えるニナ。
会話を聞いているだけでこんなに疲れるのだから、会話に巻き込まれたら明日に響く程疲れかねないのでさっさと帰る事にした。
とその時、二人の耳に別の言い争う声が聞こえてきた。
そちらに視線を向けると、仲良し三人組のヤヨイ、ミーヤ、リリエが言い争いをしている。
いや、正確にはヤヨイとミーヤが言い争って、それをリリエが何とか止め様としているが正しい。
顔を見合わせるニナとエルスとトモエ。
一体何を言い争っているのかと聞き耳を立てると…。
「目玉焼きには醤油だよ!」byヤヨイ
「ソースだよ!」byミーヤ
ニナとトモエはコントばりにずっこけた。
まさかそんなアホらしい理由で喧嘩しているとは、と予想外過ぎてずっこけたのだ。
そんな二人を他所に両者の言い争いはヒートアップ。
とうとう言い争うアリカとマシロの耳にも届いた。
(目玉焼き?)
王室育ちのマシロ様は庶民的な料理である目玉焼きを食べた事はおろか、見た事すらなかった。
ので聞いた通りの料理を思い浮かべた。
「そ…そなたらはその様な不気味なものを食しておるのか!!」
カーテンの裏から涙目でカタカタ震えながら顔を出すマシロにアリカはちょっと可愛いと思いつつも頭に?マークを浮かべた。
「あははははははははははははは!!!!!!!」
エルスに誤解を解かれたマシロは、アリカにこれでもかと言うほど爆笑された。
「目玉焼きを、本当に目玉を焼いただけだと思ったなんてマシロちゃんうけるーー!!ヒーお腹痛い!!」
「…………そんなに面白いか?」
「いえ、誰でも勘違いしますよね~」
護身用の短剣を頬に当てられ、態度を改めるアリカ。
「マシロ様、目玉焼き食べた事ないんすか?」
そう問い掛けるはイリーナ・ウッズ。
というかいたのか。
「ない。というかいたのか、そなた」
「じゃあ、わたしが作って差し上げますよ。醤油かけるとおいしいですよ」
話を聞いていたヤヨイがマシロに話し掛ける。
「なに言ってんのよ!目玉焼きにはソースでしょ!!」
と、そこへミーヤが割って入った。
「そんな事言ってるから背が小さいのよ!!」
ミーヤのこの一言にカチンとくるヤヨイ。
「なによ!ソースソースって、そんな事言ってるから途中退場するのよ!!」
と言い返すが、ソースと何の関係もない。
「何よ!生きてるだけましじゃない!光になって消えてちゃうよりよっぽど!!」
ヤヨイの言葉に妙に具体的に言うミーヤ。
なお、この言葉にダメージを受けたのが、
「ぐは!?」
エルスだった。
理由は舞ー乙HIMEを観た人ならわかるだろう。
「なによ!身長が低い低いって、身長はあがっても胸が全然変わらないよりマシじゃない!!」
こちらもやけにピンポイント発言をするヤヨイ。
「「ぐはあ!!!」」
この発言にダメージを受けたのは、舞ー乙HIME・Zwieで背は伸びたが胸は全然成長しなかったニナとマシロの二人だった。
ちなみにヤヨイはZwieには出ていないので、彼女の胸がちゃんと成長したかどうかは不明である。
「思わぬ流れ弾だったね」
「ええ…」
死屍累々と化した星組みの床を眺めながらポツリと呟くアリカとトモエ。
「蟻化ちゃん」
「カシャカシャ」
「間違えた、アリカちゃん」
「疲れた…、なに?ヤヨイちゃん」
「アリカちゃんは、醤油派?ソース派」
「あたしは醤油もソースも好きだよ」
問われたアリカは嫌な顔をせず答えた。
「いるんだよね、ああいう何でいい人」
「いやだよね、ああいう人が主役だなんて」
先程の言い争いは何だったのか、急に仲良くそう語り合うヤヨイとミーヤ。
その一言にアリカはずーんとショックを受けて落ち込んだ。
「トモエちゃん!トモエちゃんはどっち派!?」
ミーヤは落ち込んだアリカを密かに笑っていたトモエに問い掛けた。
「そうね…、わたしはオーソドックスに塩とコショウね」
と表顔スマイルで答える。
「奇抜なのは髪型だったね~」
「本当だね~」
またまた意気投合する二人。
その言葉に怒るトモエ。
何故かワルキューレローブをまとっている。
というか、何故使える?
「うわぁ、スッゴイ被害…」
あまりの光景にイリーナは呟く。
何故に目玉焼きに何をかけるかでこれだけの被害が?
「なんの騒ぎだ?」
と、そこへ現れたのはガルデローベのヘタレ学園長ナツキ・クルーガだった。
「誰がヘタレだ!ロードシルバーカートリッジ!!」
ぎゃああああああああああああああああああ!!!!
「好きで三回も変身を解除された訳ではない!!」
地団駄を踏むナツキ。
「タフだな…」
どーも。
でもナツキさんの場合、ヘタレと呼ばれる理由は他にもあると思いますが…。
「やかましい!!それより一体何を騒いでいるんだ!!?」
「「学園長!!」」
「どわ!なんだ!?」
急に来た二人に驚くナツキ。
「目玉焼きに何をかけるかだと?」
事情を聞いたナツキは、なるほどとうなずいた。
「学園長はどう思います?」
「醤油ですよね?」
ミーヤとヤヨイの問い掛けにナツキはふっと笑うと、
「醤油?ソース?ふっ甘いな。目玉焼きには、マヨネーズだろ!!」
どこからともなくマヨネーズを取り出し高らかと叫ぶナツキ。
自信満々に言うナツキだが、生徒達の反応はよくなかった。
「なに言っているんですか!?マヨネーズには卵を使っているんですよ!」
「卵に卵かけてどうするんですか!?」
いや、結構いろんな人がかけると思うが、醤油派とソース派は納得しなかった。
「何だと!マヨネーズを馬鹿にするな!!」
生徒と喧嘩するナツキ。
その騒ぎにニナが起き上がる。
「う~ん…」
「ニナ・ウォン!ちょうどよい所に!!」
がしっとニナの肩を掴むナツキ。
「わたしから汚れ役を受け継いだお前なら理解してくれるよな?」
「そんなもの受け継いでません!!」
「お前は目玉焼きにかけるのはマヨネーズだよな!!」
「いいや、醤油だよね!?」
「ソースだよね!?」
「わたしは…タバスコですが…」
「「「…………」」」
「なんで沈黙するんですか!地の文も!!」
いや…タバスコはないな。
「ああ、ないな」
「ないね」
「ないよね~」
「悪かったわね!!」
「もういい…帰る」
ナツキはそう言って学園長室に帰っていた。
と、その時マシロが蘇った。
「う~ん…………」
「あ、マシロ様が起きた」
と呟くリリエ。
ちなみに今回初めて喋る。
と、そのリリエの呟きにヤヨイとミーヤが反応した。
「「マシロ様ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」」
「どわ!!」
「マシロ様は目玉焼き食べた事がないんですよね!!?」
「だったら判定してください!どっちの目玉焼きがおいしいか!!」
「なんか、微妙に趣旨変わってない?」
イリーナはポツリと呟く。
「「さあさあさあさあさあさあ!!!!」」
「へ?へ?」
二人の気迫に恐怖するマシロ。
「あ、あ、アリカーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
マシロが叫んだ瞬間。
ごっと風が起こった。
一同がそちらを見ると、認証もしていないのに蒼天のローブをまとうアリカの姿が…って、それはまだ使えませんよアリカさん!?
「穏やかな心を持ちながら怒りによって目覚めた主人公…主人公!!」
覚醒…したらしい。
「「あわわわわわわわ………」」
恐怖に震えるミーヤとヤヨイだった。
そして数分後。
「つまり先入観をもっておらんわらわに目玉焼きは醤油が合うかソースが合うか判定してほしいという訳だな?」
「「はい…」」
ズタボロの二人が答える。
「まあ、食べてやらん事もない。なんだか、わらわのせいでそんな怪我したみたいだしな」
「「では早速」」
ーーしばしの後
「ほほ~う。これが目玉焼きか…」
目玉焼きを目の前にしてとっても嬉しそうに言うマシロ。
「ただ一つ不満があるとすれば…食べ比べのはずなのにひとつしかないという事だ」
「「すいません。卵が一つしかなくて…」」
「二つに分ければいいじゃん」
アリカの提案に、
「いやじゃ!まるっと一個で別の味を楽しみたい!!」
と言い返すマシロ。
「えーマシロちゃんわがまま~」
「なんじゃと!!」
結局話しが進まない。
「じゃ、どうすんのさ…」
悩む二人に提案する者が、
「わたしにいい案があるわ」
トモエだった。
「う…すっごく聞きたくないけど、どうぞ」
恐る恐る聞くミーヤ。
もしかしたら、以外といい案かもしれないと思ったからだ。
がしかし、あの邪悪の塊のトモエがまともな意見を出すはずもなかった。
「簡単よ。殺しあいなさい」
「「は?」」
ほらね。
「だから、お互いに戦って、勝った方の好みが正しいって事にすればいいのよ」
トモエちゃん、無茶苦茶いいます。
「あ、なるほど」
ポンと手を打つアリカ。
「「なるほどじゃない!!」」
「さ~今すぐ戦いなさい。それとも今ここであたしが二人まとめて殺してあげようかしら!!」
「「ひ~!!」」
どす黒いオーラを放ちながら二人に近づくトモエ。
その姿に哀れな子羊は怯えるしかなかった。
「やめなさい」
べし。
「はう!」
ニナの手刀トモエは昏倒する。
どさっと倒れトモエを見て、やれやれとため息を吐くニナ。
「全く…って、あなたは何かないの?」
と、ここに来てリリエに話を振るニナ。
「え?あたし?」
「そうよ」
「あたしは…醤油でもソースでも、結局目玉焼きは目玉焼きだと思う」
「「「「「「「「………………………」」」」」」」」
これにて一件落着。
「「「「「「「「してない!!」」」」」」」」
ですよね~。
プロフィール

イノヨコウ

Author:イノヨコウ
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
FC2カウンター
プロフィール

イノヨコウ

Author:イノヨコウ
FC2ブログへようこそ!

検索フォーム
カテゴリ
リンク
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR